紹興の市街地から東へ1.5キロほど行ったところにある湖が東湖。ここはもともと湖ではなく、もとは青石山という山があるだけの場所だった。ここが有名になったきっかけは秦の始皇帝、彼が紹興にやって来た時にはここで休息を取り馬に餌を与えたのだそうだ。清代末になってやっとここに湖ができあがった。陶淵明の後代である陶浚宜がここを訪れ、運河から水を引いて湖を造り上げたのだ。長くのびる江南風の白い壁(@)に囲まれて外界と隔絶され、東湖には一種独特のゆったりとした時間が流れている。 東湖は湖自体はそれほど大きくはないが、その名はよく知れ渡っている。烏蓬船(A)(3人乗り、100元/3人)に乗って、紹興酒の女児紅、ピーナツ、茴香豆(D)を味わいながらゆったりと景色を楽しめば、その理由が自ずとわかることだろう。 ここの風景は実に独特だ。ここには湖の中に3つの洞窟がある。桃の形に似た仙桃洞、洞内に進むと井戸の底に入ったように感じるほど細くて深い陶公洞、洞窟の真ん中で声を上げると向かいにある橋の上まで良く声が通る喇叭洞だ。これらの洞窟は自然に形成された物ではなく、隋代に人工的に石を切り出した際にできたものだ。石を切り出す時にできた黒と白の模様もまるで天然の山水画のように見えて美しい(B)。 洞窟を出ると行く手から歌声が水上を流れてくる。船の最終点付近の水上に造られた舞台で2人の役者が紹興の劇を歌っているのだ(C)。茴香豆を肴に紹興酒を味わいながら船上で劇を楽しめば、魯迅の作品「社戯(村芝居)」の世界にいるように感じることだろう。
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