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本を読む人たち
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  ■ 日本語の本を買うなら  
  私の本をきっかけに、一般の方が経済に興味を持ってくれたらうれしいですね。  
 
幸田真音さん
外資系証券会社のディーラーから作家へ。『小説ヘッジファンド』でデビューしてから10年、大ベストセラー『日本国債』をはじめ、『偽造証券』『傷・邦銀崩壊』『投資アドバイザー 有利子』『凛冽の宙(りんれつのそら)』など話題作の多い幸田真音さんは、現在9本の連載を抱える人気作家である。
私の場合、作家の中でもどちらかというと異端なんです。はじめから小説家をめざしていたわけじゃない。『そろそろ、みんなこの国のことを本気で考えなくちゃまずいんじゃない?』という危機感を伝えたかった。それが結果的に小説という形になったんです」
例えば小説『日本国債』でも書かれているように、こんなに国債を発行して大丈夫なのか?こんなに財政赤字を作っていいのか?このままで日本の将来は大丈夫なのだろうか?という思いは、幸田さんが国債を扱っていた現場のディーラー時代から強く感じていたことだという。「安全だから」と国民は国債を買っているけれど、リスクを負いたくないというその気持ちが、逆に国の借金を子の世代、孫の世代へとふくらませているという皮肉な事実。これらは氷山の一角で、新聞や雑誌などメディアだけでは、この国の抱える財政問題はうまく皆には伝わらない。病気でディーラーの仕事ができなくなった時、幸田さんが真っ先に思ったのは、経済の現場で見た真実を本当に知る権利のある人たちにどうやって伝えればいいかということだった。「はじめはエッセイやノンフィクション風に書いていたんですが、どうもしっくりこなくて。それで三人称で書いたみたんです。とにかくわーっとがむしゃらに(笑)。それが最初の作品『小説ヘッジファンド』になりました」
中央公論
ノンフィクションでは制約があって伝えにくいことも、小説なら真実に迫って伝えることができる。しかも読者が登場人物に自分を投影して、未知の世界にスムーズに入っていくことも可能だ。「書けば書くほど、自分のちりばめた思いを受け止めてもらえる小説の力に圧倒されました。もう出会ってしまったんだから、これは片手間ではできないなと、それまで経営していた会社も全部やめて小説一本に絞ったんです。おかげで一気に年収はダウンしましたが(笑)」 幸田作品の魅力は、非情なビジネスに翻弄されながらも、主人公をはじめとする登場人物が人間的な温かさ、そして正義感を失わないところだろう。ふだん経済や金融記事を敬遠する人も、いったんページを開くと幸田流のフィナンシャルワールドに引きずり込まれていく。「ある主婦の方に『幸田さんの本を読んでから、モノクロの経済記事がまるでカラーのように見えます』と言われた時は本当にうれしくて。専門書を読める人は別として、経済って敷居が高いなと思っている一般の人が、私の本をきっかけに少しでも興味を持ってくれたらうれしい。私が小説を書き続ける理由は正にそこにあるんです。何かひとつでも、そういえば幸田真音の本にそんなことが書いてあったな、と思いだしていただけたら、作家としてこれほどありがたいことはないですね」
 
  ■ 幸田真音(こうだまいん)プロフィール  
 
幸田真音さん
作家。1951年生まれ。米国系銀行や証券会社で、債券ディーラーや大手金融法人を担当する外国債券セールスなどを経て、1995年『ザ・ヘッジ 回避』(文庫化にあたって『小説ヘッジファンド』と改題、講談社文庫に所収)で作家に転身。国際金融の世界を舞台に、時代を先取りするテーマで次々と作品を発表し話題になる。2000年11月に発表した『日本国債』(上下巻・講談社刊)は、2004年発売の文庫版とともに30万部超を記録するベストセラーとなり、多くの海外メディア(The New York Times、The International Herald Tribune、The Financial Times、BBCほか)でも注目される。2002年7月から2003年7月まで京都新聞、中部経済新聞で『藍色のベンチャー』と題した初の新聞連載による、初の歴史経済小説を発表。幕末期のベンチャー・ビジネスをテーマに、新境地に挑戦した。著書は『偽造証券』(新潮社)、『マネー・ハッキング』(講談社)、『傷・邦銀崩壊』(文藝春秋)、『凛冽の宙(りんれつのそら)』(小学館)、『投資アドバイザー 有利子』(角川書店)、『緊急対論日本国債』(角川書店)、『藍色のベンチャー』(新潮社)、『代行返上』(小学館)、『コイン・トス』(2004年6月/講談社)など多数。最近著は2003年8月から2004年9月に
周極星
週刊新潮にて連載された経済小説『日銀券』。現在、雑誌・新聞などで小説の連載やコラムを執筆中。最新作は、週刊朝日誌上にて「税金」をテーマとした『タックス・シェルター』、中央公論で上海を舞台にした「周極星」を連載している。 執筆活動以外では、1999年にNHKの土曜ドラマ館で連続放送された「レガッタ・国際金融戦争」の原作者として、また、TBSテレビ系「ブロードキャスター」、「サンデーモーニング」を始めとするテレビ・ラジオ番組のコメンテーターとしても活躍している。現在、財務省・財政制度等審議会委員、同省「国の債務管理の在り方に関する懇談会」メンバー、国土交通省・交通政策審議会委員を務める。
 
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