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中国の京劇事情
外国人初のプロ京劇俳優として
中国京劇院 石山雄太さん
石山さんと京劇の出会いは、小学生のときに観た孫悟空。大きくなったら孫悟空になりたいと、高校卒業と同時に北京へ渡る。93年、今から12年前のことだ。中国戯曲学院付属中学を経て、プロの京劇役者を育成する中国戯曲学院へと進み、2002年2月、中国京劇院に正式入団。中国初の外国人プロ京劇俳優の誕生である。言葉の壁、文化の違いを乗り越えて中国伝統文化、京劇に打ち込む石山さんに、京劇の魅力についてお話を伺った。
学生時代、また京劇俳優になってからの生活は?
まずは学生時代ですが、私は京劇の学校、附属中から大学まで8年間通いました。朝6時起床、学校前の公園(大きな池がある)で発声練習。朝食後、8時から京劇の専門授業、足腰の訓練や宙返りなどは基礎練習のため、文武の役柄を分けず、すべての役者が練習します。その後は各役柄の演技の授業です。昼食後、2時まで昼休み、午後は一般教養の座学や、上演間近の演目の稽古、夜は自由時間です。が、私は立ち回りが専門ですし、編入生でしたので、基礎をしっかりさせなくてはならず、空き時間があれば下級生のクラスに行ったり、夜の自由時間も練習していたので一日中動き回っていたと思います。
プロになってからは、劇団内の公演のための稽古や舞台中心の生活ですから、時間は不規則ですね。
石山さんの演じる武丑の魅力とは?
武丑は泥棒役が多いのですが、弱きを助け強きを挫く義賊、民衆の理想の英雄像ではないかと思います。マシンガントークのようなセリフや軽妙な立ち回りが観客を魅了する文武ともに要求の高い役柄です。役者を志したきっかけになった孫悟空の役も演じます。
『時遷探路』で主演する石山さん(中央)
心に残るエピソードをお聞かせください。
2002年、上海で日中国交正常化30周年記念の「狂言京劇交流公演」を行いました。上海京劇院の厳慶谷さんが日本に留学中に習った狂言を、私が京劇を演じました。その際、恩師劉習中先生書き下ろしの新作「時遷探路」という水滸伝の物語を私の主演で本邦初演しました。上海の観客の皆様にもあたたかく迎えていただきました。役者として初演というのは大変な名誉です。この作品を代表作として大切にしていきたいと思っています。
外国人ということで大変だったことは?
文化の違いが悪い意味で演技に影響しないように注意することです。文化が似ているほどその違いが大きく感じられます。気づかないところで喜怒哀楽の表現方法が違うので、違いを敏感に理解する必要があります。本を読んだり人に聞いたりして、自分なりに学習するわけです。中国語は中学生ぐらいから習ってきましたが、いまだに大きな課題です。言語は民族文化の特徴を表すものですし、セリフは演技の中でも重要な技術です。武丑は立ち回りだけではなく、巧みなセリフも聴き所なので、外国人である自分は特に大変です。やはり正攻法で、一字一句理解して表現するという地味な作業をくり返すことになります。
宋の時代を描いた名作『三岔口(さんたこう)』の劉利華に扮した石山さん。
今後の抱負についてお話しください。
立派な武丑の役者になることですね。中国国内だけでなく、日本公演を数多く行って、自分の演技を通じて京劇ファンを増やしていきたいですね。
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