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上海にあった博物館(下)
かつて上海にあった博物館の数は多くはないものの、その存在意義は大きかった。今月は「大上海計画」が実施された、江湾にあった二軒の博物館を紹介する。 |
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上海市博物館 |
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1928年7月、上海・広州など四大都市が「特別市」に制定され、1930年に更に《市組織法》が公布されて、中国で「市」という単語は行政による区分けで使用されるようになった。その時の上海は租界が市中心になってしまったため、中央政府の批准を経て、「大上海計画」即ち上海東部の江湾(現在の五角場の東北に位置)に新しい上海を作ろうという計画を実施することになった。上海市政府及びその関連機関をこの新上海に移し、少しずつ上海の中心を新上海へと移行させ始めた。大上海計画は一貫して中国的、民族的なものが推し進められた。だが中国の伝統的な大型建造物と言えば、廟や宮殿などである。「新しい上海」に建てられる市政府の建造物が廟の形をしていれば、笑い話の種になるだろうし、宮殿の形であれば「封建制度復活か?」と市井から非難を浴びることは必至である。
窮した関係者たちは討論を重ねた結果、「大上海」で建てる建造物は、伝統的な宮殿の形だが、かつての皇室の色だった黄色は使わずに、赤い柱に白い壁、瑠璃の瓦をメインの色に決定。この三色は南京政府の国旗「晴天白日満地紅」の三色である。
上海市博物館は大上海計画の中心線の東側に建てられた。敷地面積は1900平方メートル、建築面積は3430平方メートルと広大で、メインの建物は城のやぐら風にし、一階は図書館、事務所、ロビーなど、二階は芸術と歴史に分類された陳列室が作られた。1936年1月10日、正式オープン。この日、中国初の公立博物館が誕生した。だがそのわずか一年後、八一三淞滬戦争(第二次上海事変)で上海は陥落し、上海市博物館も閉鎖させられた。戦争が終わり、1946年に上海市博物館は虹口区北四川路1844号(日本人北区小学校跡地)に場所を移して復活。1949年に閉鎖され、収蔵品は1956年に新たに建てられた上海博物館に陳列されるようになった。
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航空博物館 |
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元上海博物館の両側の、あたかも飛行場に止まっている双翼機のような建造物。これが元中国航空協会及び航空陳列室である。
1932年の一二八淞滬戦争(第二次上海事変)のさなか、日本軍の飛行機が長江口に停泊していた軍艦から飛び立ち、中していた軍艦から飛び立ち、中国軍と一般市民居住区を襲撃。当時の中国には防空能力がなかったため、中国軍はされるままに、上海は徹底的に破壊された。戦後、戦争での飛行機の重要性が国民の心に深く刻まれ、上海を中心に「愛国捐機」(国のために飛行機を寄付しよう)運動が起こり、金がある者は金を、力がある者は力を出して航空事業発展に協力。政府もまた「航空基金会」を設立し、債券発行と彩票(宝くじ)で資金を募り、中国の航空事業に力を入れた。1933年元日、「国民の航空を提唱し、航空技術の研究と発展」を創立趣旨にした中国航空協会が上海に設立された。この当時、「航空事業が国を救う」というスローガンが誰の心にも根付いていた。
中国航空協会は主に政府が出資した、実体のある機関だった。協会は定期的に専門家の発明結果や、アマチュアの発明品などの展覧会を開いたり、航空関連の資料や文化財などを収集。航空成就成立室を新たに設けて航空事業の業績を紹介し、一般市民に航空知識を広めた。1935年、上海市政府の批准を経て元上海市博物館があった場所と10畝の土地に協会と展示ビルを建立した。
ビルは「大上海計画」の主管、董大酉が設計を担当。1935年10月12日に着工し、翌年5月5日、開館した。飛行機のような外見から「飛機楼(飛行機ビル)」と俗称されたこのビルは、機体頭部(に見える場所)を正面に、その真ん中に正門があり、「中国航空協会」と大書された看板を掲げていた。玄関を抜けるとメインホールで、二階建ての講堂には千人が収容可能。ここで各種報告会が開かれた。機体頭部の最上階は北京にある天壇に似たバルコニーがあり、真ん中に飛行機の模型が置かれた。「機体前翼部」は三階建てで、協会の事務所として使われ、二階立ての尾翼部分は左右二部屋が陳列室として使用された。
1937年の第二次上海事変後、中国航空協会は重慶に移り、飛行機ビルも長い間倉庫として使われた。 |
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写真説明 |
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1 上海初の市立博物館――上海市博物館 2 上海市政府及び上海市立博物館(右) 3 飛行機の形になっている航空博物館 |
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作者紹介 |
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薛理勇 Xue Liyong
1982年に上海市歴史博物館に入り、上海史を研究。主な著書に「上海路名地名拾趣」「閑話上海」
「上海老城廂史話」「上海掌故辞典」等。 |
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