上海ウェネバーオンライン
中国(上海・北京)生活情報満載!!
Contents / Gourmet / Shokushin
 オールドハウスでノスタルジックなディナーを 福一零三九 文/江礼暘  
  ある時「オールド上海サロン」の集まりで瀏河の鄭和が航海をスタートした劉家港を訪ねたとき、同行した作家の程乃珊が密かに私に教えてくれました。「上海にあるオールドハウスレストランの料理がすごくおいしいのよ、行きたくない?」私はそれを聞くなり腹の虫がうずき出し、彼女にどこにあるのか、店名はなんなのかと矢継ぎ早に質問しはじめました。彼女が言うにはこうです。「店名が住所を現しているのよ。愚園路1039 号にあるから『福一零三九』という名前なの」。
 
 
 
▲鶏火干絲28元/人、細切りの鶏肉に中華ハムを加え、エビ、青菜を添えています。濃厚なチキンスープ で煮上げた鶏の細切りは味もよく、栄養バランスも優れています。蒜蓉黒椒牛柳粒と上湯蘆笋48元/人。
今から6、70年前、パリから上海に赴任してきたフランス銀行総裁フォン・モリーは定居がない奥さんと娘さんのことを慮って、フランス式の小さな洋館を2人にプレゼントしました。ところが太平洋戦争が勃発して一家3人は日本軍の集中営に送られ、娘さんはそこで栄養不足のために亡くなってしまいました。戦後、老夫妻はこの家を再度手に入れたのですが、結局教会の幼稚園に寄付して帰国してしまったのです。この邸宅は1902年に建設され、100年以上の歴史があります。この長い歴史を持つオールドハウスを修復して昔の姿を再現、「福一零三九」として生まれ変わったのです。 
3階建てのこの洋館にはどの部屋にも1920、30年代上海の洋式家具が入れられています。大きい物ではテーブル、銀食器ケース、小さい物ではシャンデリア、置き物、すべて中華民国時期のものです。床は上海ならではの年代を感じさせる彩色タイル、庭に植えられた中国的な緑の竹がヨーロッパ風を引き立てています。 
 
▲大胆にかき氷を乗せた黄酒鶏。 夏には特に爽やかで嬉しい一品。 冰鎮黄酒鶏36元/人、冷菜3種盛り合わせ(薫魚、薫蛋、糖藕)。

ここの料理は、味は伝統的な上海料理ですが、注文の仕方は中国的でないので、人数に合わせていくつ注文するかを考える必要はありません。ここでは中国料理を西洋風にひとり1皿ずつ供してくれるので、少人数でもあれこれ味わうことができるのです。  手の込んだ料理の数々にはどれも化学調味料が使用されていません。 
前菜の桂花糖藕にはキンモクセイの花びらが散らしてありとてもいい香りです。メインの氷砂糖の甘いタレで河鰻を包み、口に入れた瞬間おいしさが溢れ出す糖河鰻は、薄切りのバナナで固定して盛りつけられていて見た目にも楽しい一品です。もうひとつのメイン、清炒河蝦仁はひとつひとつの蝦はそれほど大きくないすが、新鮮でぷりぷりしています。
実力からもたらされた今日の輝きと、昔日の輝きがひとつの文化となって受け継がれる。伝統と新しさが結びつくモダンとノスタルジーの交差点、それが上海なのです。
 
 
  江礼暘 (Jiang Li Yang)プロフィール ------上海食文化研究会副秘書長/美食家

1944年10月     上海生まれ
1967年            復旦大学新聞系卒業
1970〜1979年  安徽省の農村にて教鞭を取る
1979〜1982年  復旦大学新聞系修士研究生
1982〜1994年  上海《文匯報》記者  編集に従事
1994〜1997年  《華商時報》上海記者站站長
1997〜現在      フリーライター、グルメ界で大活躍


  お店データ
  住  所 :   愚園路1039号
  電  話 :   5237-1878
  営業時間 :    11:30〜24:00