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  Business Woman Interview No.72
 
  姜依秋さん
 
鈴乃屋きもの学院 講師
私にとって恋人である着物を、上海万博で紹介したいですね!


着物の美しさに魅せられ、中国人でありながら、日本の「鈴乃屋きもの学院」で着付け講師の資格を取得した姜依秋さん。姜さんの背筋の伸びた和服姿を見ていると、日本文化の素晴らしさを再認識させられる。現在、上海で鈴乃屋きもの学院認定の着付け教室を開いている彼女に、話を伺った。




― 着物との出会いについて聞かせてください。

着物への憧れは小さい頃から持っていました。1987年に日本に留学したとき、日本で着物が見られると期待していたのですが、実際は街中で着物を着ている人はほとんどいませんでした(笑)。初めて見たのは、七五三の日。着物を着た子供を見て、感動したのを今でも覚えています。日本と言えば富士山、桜、着物というイメージがあるのですが、前者2つは自分から見に行くことができます。でも着物は、着ている人がいなければ見られないんですよね。

― 着付けを学ぶことになったきっかけはどういうことだったのですか?

自分も着物を着てみたいと思い、あるお正月、着付けをしてもらいに鈴乃屋の扉を叩いたのが始まりです。ところが、予約をしていなかった私は受付で断られてしまったんです。日本ならどこでもすぐに着付けをしてもらえると思っていた私は、そうでないことを知ってショックでした。そのとき、私がよほど落ち込んだ顔をしていたんでしょうね。着付け師の方が気を利かせてくれ、本当に手早く、10分で私に着物を着せてくださったんです。それがもう嬉しくて。その場で「鈴乃屋きもの学院」への入学手続きをしました。周りの人たちは驚いて「もう少し良く考えたら?」と言いましたが、決心は固かったですね。

― 外国人にとって、着物の勉強するのは大変だったのではないですか?

そうですね。実技はともかく、専門用語をたくさん覚えなければならない講義は、言葉のハンデがありました。でも、人の何倍も時間をかけて繰り返し勉強することでカバーしました。講師と着付け師の資格を得てからは、外国人ということで「本当に任せて大丈夫か」という目で見られることもありましたが、むしろそれをバネに走ってきたという感じです。礼儀作法や言葉の使い方にも気を配りました。そのうち、ありがたいことに、着付け師として指名をいただくことも増えてきました。

― 上海で着付け教室を開いた経緯について聞かせてください。
   

▲教室はいつも和やかなムード。 
娘の成人式に自分の手で晴れ着を着せて、ひと段落ついた頃、着物に関する何か新しいことをしたいと考え始めました。故郷である上海には数万人の日本人がいますが、その方たちの結婚式、成人式、七五三、パーティーなどで着付けのお手伝ができたらいいなと思い、昨年10月に帰国しました。帰国当初は、知り合いの紹介で日本人の奥様方に中国語を教えていたのですが、彼女たちから着付けを広めていけるのではないかという考えから、今年6月に浦東で着物教室を開きました。その後、もっとたくさんの方が来られるように古北付近で教室を開いてほしいという要望が多くなってきたので、この10月に今の住所に教室を移しました。鈴乃屋で講師の資格を得たあと、悩んだ末に看板を出す資格まで取得したのですが、こういう形で役立つとは当時は思ってなかったですね。

― 中国では珍しい着付け師として、様々な場面で活躍していらっしゃいますね。
 
お蔭様で、映画撮影時に日本人役の女優さんの着付けをしたり、日本を紹介するイベントの際に声をかけていただいたりしています。最近の仕事で印象深いのは、11月下旬に南京で行われた「江蘇ジャパンウィーク」です。私が担当した着物ショーが終わったあと、中国人の学生さんから「着付けと礼儀作法を学びたいので、うちの学校で講演をしてもらいたい」と言われ、つい涙が出ました。日本文化が中国人の心に届いたと思った瞬間です。

― 姜さんにとって着物の魅力とは?
 

▲帯の結び方にも、姜さん独自のセンスが光る。
 
和服には帯があるので、無意識に姿勢が良くなります。また、たもとに気を配りながら動くと、しぐさも柔らかくなります。日本には「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉がありますが、着物を着ていると、自然とそういう美しい女性になれるんですね。また、私にとって着物は自分を表現するものでもあります。小物の組み合わせで、オリジナリティが出るよう、いつも研究しています。東京の呉服屋さんにもよく行きますが、京都には個性的な小物が多くあるので、毎年足を運んでいます。
 
― 今後はどんなことにチャレンジされる予定ですか?

今、着付け師1級の試験が開催されるのを待っているところです。着付け師と講師の進級試験は数年に1度しか開催されないので、級をひとつ上げるのにもかなりの時間がかかります。鈴乃屋きもの学院には、基礎科、専攻科、師範科という3段階のステップがありますが、上海の教室では今のところ専攻科までしか指導できません。私が1級を取得できれば、師範科の前期まで指導することができます。ただ、それが何年後になるかわからないので、日本から有資格者を招いて指導に当たってもらうことも考えています。
それからもう一つ、私が実現したい大きな夢は、2010年の上海万博で日本の役に立つことです。日本パビリオンの出展内容に着物の紹介があるかどうかわかりませんが、もしなければ寂しいことです。せめて、着物姿のスタッフを置くなど、何らかの形で外国人に着物を見せてあげてほしいと思っています。私が日本で最初に感じたように、富士山や桜は写真でも見せられますが、着物は着る人のしぐさも含めて日本の文化ですから。私1人の力ではありますが、日本文化を守るために協力できればと思っています。

■ 鈴乃屋きもの学院(認定着物教室)

住:長寧区仙霞路1225弄5号102室( 仙霞大郡)
TEL:159-2162-7060
受講料金:1000元/6回 (教材用着物レンタル+セット 40元/1回)
※鈴乃屋きもの学院の修了証書発行
※鈴乃屋きもの学院へ転入可能
着付け料金:200元〜 着物レンタル料金:700元〜