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Business Woman Interview No.43
 
清香楽園
香楽中国茶salon 主宰
兪向紅   さん
ルールや作法より、楽しむことが大事。
リラックスして
中国茶を味わってください。


ここ上海にも中国茶教室がぞくぞくとオープンしているが、上海在住の日本人に圧倒的な人気を誇るのが、兪向紅さんが主宰する「香楽中国茶salon」だ。日本滞在中に中国茶の奥深さを知った兪さんが、上海にサロンをオープンしたのは2001年のこと。作法にしばられがちな中国茶を、テーブルセッティングも含めておしゃれに演出している兪さんのサロンは、今も口コミでファンを増やし続けている。ほっとひと息ついてリラックスしたい時、ぜひのぞきたい場所のひとつである。
兪さんの中国茶サロンは、日本人の奥さま方にたいへん人気がありますね。
たぶん、上海でいちばんおいしいお茶が飲めるのがうちなんじゃないかな(笑)。こちらでお出ししているお茶は貴重な物が多くて、福建省や山東省のおつきあいの長い農家から直接仕入れているものなんです。だから自信を持って皆さんにおすすめできますね。私のサロンでは中国茶を生活の中に取り入れて楽しんでもらうことがポリシー。だからお茶の淹れ方を教えるだけじゃなく、古いお茶でシャーベット作ったり、冷茶にする方法をお教えしたりと楽しみ方を提案しているという感じです。来ている方も、最初はお茶のいれ方を習いたいとおっしゃるんですが、最近はみんな飲むだけですね(笑)。
兪さんご自身は昔から中国茶が好きだったんですか?
私の場合、実は日本で中国茶を習ったんです(笑)。日本に留学で行ったのは92年で、日本との関わりはもう13年以上になりますね。最初は日本語学校に行って10ヵ月で日本語検定の1級を取って。それからアルバイトしながら、立教大学の聴講生になりました。就職も日本で、最初は小さな会社で通訳をしていたんですが、その後オムロンの関連会社のヒューマンルネッサンス研究所に入ったのが、中国茶との出会いです。ここは人間の生き方を研究するところで『21世紀の日本人の過ごし方』というテーマを皆で考えた時、出たアイデアが「お茶」だったんです。ただ日本茶は身近すぎるし、かといって茶道では堅苦しすぎる。そこで行き着いたのが中国茶でした。
まだ日本で中国茶がブームになる前ですね?
10年前の東京に中国茶教室はほとんどなかったですね。よく誤解されますが、中国人だから中国茶がわかるというものではないんです。ウーロン茶のペットボトルを初めて見たのは日本だったし(笑)、ほとんどの中国人がウーロン茶の存在を知らなかったと思いますね。私の場合もどちらかというとコーヒー派で、ときどき父が淹れているロンジン茶を飲んでいたぐらい。まったく中国茶の知識がなかったので、会社が香港に行かせてくれて、専門家の方について勉強したんです。東京に戻ってからは文献を読んで訳したり、研究するのが主な仕事になっていました。たくさんのお茶を飲みましたが、専門的な作法よりも主に味を研究しましたね。上海に帰国する99年の終わりには共著で『中国茶図鑑』という本も出しました。この図鑑に載っている銘茶は125種類あって、はじめて中国に行った人でもお茶の種類がわかるようなガイドブック的なものにしています。日本茶と中国茶のいちばんの違いは、日本茶は蒸す、中国茶は炒るということ。日本人はお茶の甘みと旨みにとても敏感です。
上海で中国茶のサロンをはじめようとは思ったのは?
99年の年末に帰国して出産してから、ある方のご紹介で中国茶のイベントを伊勢丹でやらせてもらったことがあったんです。それをきっかけに、知り合いのお茶屋さんの2階でこぢんまりサロンをやることになって、気がつけば自然に人が増えていきました。今のビル(西康路)に移ったのは2003年の末です。週1回、もしくは2週間に1回で、1回のサロンで10人を超えることもあります。特別にコースを作っているわけでもないし(笑)、おいしいお茶を飲みながら、皆でおしゃべりして情報交換できるのが楽しいですね。レッスンというより、リラックスしに来る方がほとんどです。
以前、他の中国茶教室を見学する機会があったんですが、先生がいれたお茶を飲んで茶葉の名前を答えさせられたり、まるで受験勉強みたいな厳しさで(笑)。どうして趣味なのにこんなに苦しそうなんだろう、ちょっと私の感覚とは違うなぁと思いました。中国茶って「ブームだから勉強しなきゃ」というものじゃくて、まずは自分が好きになって楽しむことが大事だと思うんです。
兪さんが思う中国茶の楽しみ方は?
飲み方に特に決まりがあるわけではないので、きれいにテーブルセッティングしてお茶会をしてみたり、意外と楽しみ方は多いですね。例えばお茶をペリエで割ってもおいしいし、和菓子やチョコレートをお茶受けにしても合います。道具もこだわらなくていいんです。決してお茶道具一式がいるわけでもないし、私の場合、日本酒のおちょこを使ったり、コーヒー用のクリーマーでお茶を淹れることもあります。フランスのキッチングッズや日本のどんぶり鉢を使うこともありますね。資格を取りたいという人なら別ですが、要はルールにしばられず自分の発想で楽しめばいい。例えば上海の赴任が終わって帰国したり別の国に行く場合でも、奥様同士でティーパーティをやる時に役に立つようなことを、皆さんにお伝えできればいいなと思います。毎年、婦人会で中国茶の講師としてお茶に関してのQ&Aやおいしい飲み方などをお伝えしていますが、奥様方には好評みたいでうれしいですね。
おいしい中国茶を入れるコツはありますか?
私の場合は10年お茶をいれてきていますが、一煎めに出したお茶でみんなの様子を見て、多くの人がこれでいいと思う様子を感じればそれでよしとしています。普通の人の場合、自分が「おいしい」と思った味を出していけばいいと思いますね。まずはお茶をいれることに自信をつけることが大事。よく日本人の方は「同じ茶葉なのに、自分のいれ方が良くないのでおいしいくない」と言う人がいるんですが、そんなに自分を責めなくていいと思うんですよ(笑)。おいしくないのは自分のせいじゃない、この茶葉と縁がないだけなんだから(笑)。すべての人が満足するお茶はないですからね。先生のいれ方が絶対に正しいわけでもないから、飲みながら自分でもう少し濃いめがいいな、薄めが好きだなと思いながら味を覚えていけばいいんじゃないかと思います。結局は自分がいちばんおいしいなと思うお茶を見つけることですね。例えばいただきものの茶葉がどこの家にも余っていると思うんですが、品質があまり良くない茶葉でもおいしく飲める方法はあるんです。どこを工夫すればおいしく飲めるのか、この秋からのサロンでお伝えできればと思いますね。
7月に新しいセレクトショップを開くそうですが、どんなお店か紹介していただけますか?
これまでいろんな方に、どこで茶器を買えばいいのか、どんな茶葉を買えばいいのか、よくご相談を受けていたんです。皆が欲しいと思っているのは、使いやすいデザインの茶器やちょっとおしゃれなお茶の道具なんですが、実は上海では探すのがむずかしくて。だから安価で使いやすい物が手に入るお店を自分で出すことにしたんです。サロンも新しいショップの方に移転させる予定です。よく日本人の奥さま方から『おいしいお茶ってどこで飲めるんですか?』と聞かれるので、今度新しく作るショップでも個室を2つ作って、気軽にお茶が飲めるスペースを作ろうかなと。毎日私が店に出ているわけではないので、私がいなくても飲めるような形にしようと思っています。
これからやりたいことは?
私の場合、雑誌のコーディネーターの仕事も持っているので、実はサロンとの両立がけっこう忙しくて(笑)。これまで大手メジャー出版社の女性誌の仕事を中心に、上海をテーマにした取材のコーディネートはかなりの数やらせていただきました。いちばん忙しい時で年間9冊あった時もあって、かなりウォーカーも参考にさせてもらってます(笑)。ただこれから雑誌の方はちょっと一段落させて、他のコーディネーターの方とは違うテーマでもっと仕事を絞り込んでいきたいですね。お茶の方では、中国茶を気軽に楽しめるような、おしゃれなお茶会のコーディネートができればと思っています。
◆清香楽園/香楽中国茶salon
香楽中国茶salon
西康路618号華通大厦13楼B座
6215-2298

清香楽園(セレクトショップ※8月オープン予定)
宣化路299号富都花園2号楼1A室
021-6378-2628
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