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     ■ 相馬 直樹 Souma Naoki  
     「戦う集団」になれれば勝てる





Profile
相馬 直樹 Souma Naoki
1971年7月19日静岡市生まれ。清水東高校から早稲田大学を経て、94年、Jリーグ鹿島アントラーズに入団。95年から日本代表として、数々の国際試合に出場。98年には、日本が初めて出場したW杯で代表として活躍する。ポジションは左サイドバック。02年東京ベルディ1969、03年鹿島アントラーズを経て、04年に川崎フロンターレに加入。J1リーグ昇格を支え、05年12月引退。現在は川崎フロンターレ・クラブアシストパートナー。解説者やサッカー指導者としても活躍中。

98年、初めてワールドカップに出場したサッカー日本代表チームで、左サイドバックとして活躍した相馬直樹さん。現在は、解説者や指導者としてお馴染みだ。このほど、日中文化スポーツ交流年のイベントとして行われた「ANAこどもサッカー教室」のために広州を訪れた相馬さんに、プロ選手の目から見た「勝負」について聞いた。
  ☆勝負に勝つために、まずやるべきことは何だと思いますか?  
  相馬 海外でも国内でも、どんな試合でも同じですが、勝負の際に一番大切なのは、自分が納得できる「100%の準備」をすることです。  
たとえば、トレーニング。「このコントロールがうまくいかないな」というような不安材料を練習で徹底的になくします。そうすることで、技術的な向上とともに、「ここまでやったんだから」という達成感から精神的な余裕を作っていくのです。  
もちろん、万全の準備をして臨んでも負けるときもあります。でも、準備がダメなときは、勝つことは決してありえません。
 
  ☆試合が始まり、思いどおりに行かないときは、どう立て直していきますか?  
  相馬 正直、立て直せませんね。(笑)  
実際、試合中にどんどんおかしくなって、「オレ、何やってんだろう?」という間に試合終了、ということもあります。これは、準備の時点で、もう「負け」なんです。
 
  ☆悪かった結果を、次に結びつけるには?  
  相馬 ちょっと悪い試合なんかだと、後からビデオを見て考えたりもしますが、すごく悪かった試合は、自分のなかから捨て去ります。ビデオも何も見ません。だって、全部ダメなんだもん。(笑)もう、生きていけない、というくらいになっちゃうんです。
プロ、特に日本代表になると、チームのリーグ戦から代表戦まで試合が多く、しかも毎回、かけているものや立場が違います。悪いことを引きずっていては、次の試合に影響します。すっぱり忘れるタフさがないと、プロではやっていけませんね。
 
  ☆チームとして勝負に「勝つ」決め手は?  
 
相馬 やっぱり、「準備」でしょう。トレーニングやミーティングをチームとして納得行くまでやって、みんなで良い雰囲気にもっていけるか、ということなんでしょうね。  
「これは勝つな」というときは、試合当日、ロッカールームに入ったときからわかるものなんです。なんとなく、空気がピリッとしている、というか、お互いの声のかけ方ひとつとっても「カラ元気」じゃなく、気合が感じられる、というか…。こうして「戦う集団」になっているときには、勝つものなんです。
それと、よく練習で「声を出せ」と言いますね。もちろん、それも大切なのですが、実際には、ボールをどこに出すのかをみんなが声に出さなくてもわかるようにならないとダメなんです。そういう意味では、98年のフランスワールドカップの日本代表チームは、このつながりが強かったですね。
実は、チームの勝敗と自分の「勝ち負け」は、必ずしもイコールではないんです。自分が「全然ダメだった」というときでも、チームは勝利していたり、逆に「今日はいいプレーができた」と思っても、チームは負けてたり…。もちろん、自分とチームの勝ちが一緒であるのが、ベストなんですが、そうでないときも多々あります。  
スポーツの世界では勝ち負けがあるのは仕方がないことです。ただ、勝つことで得ることもあれば、負けたことで得られることもある。最も大切なのは、「それまで何をしたか」だと、僕は思うんです。  
ただ、チームとしては、勝たないとまとまらないというのも事実です。負けたら、出場できなかった選手からは不満が出ますよね。でも、勝ったら、何もいえませんから。(笑)
 
  ☆広東の日本人にメッセージを  
  相馬 外国に行くと、自分が日本人であることを強く意識するようになると思います。  
南米でプレーしたカズさん(三浦知良氏)は、よく「日の丸」という言葉を使います。カズさんが南米で日本人だからとバカにされ、「なにクソ」と戦った――、もしかしたら、広東で暮らしている皆さんもこう感じることがあるのではないでしょうか?  
そういう意味で、皆さんも日本を代表し戦っているのだと思います。大変なことも多いと思いますが、日本に帰るときには、とてもたくましくなられているのでしょう。うらやましいです。
 
  ☆最後に、どうしたら、サッカーがうまくなるか教えてください  
 
相馬 難しい質問ですね…。(笑)  
まず、人よりサッカーが「好き」、ということだと思います。  
それで、とにかく「やりきる」。トレーニングを納得いくまでやる、ということでしょう。で、その際にはどうすればうまくなるのか、自分なりに「考える」。  
そして最後に、それを「続ける」ということです。運動神経も大切ですが、同時に、サッカーを好きでい続ける、というのも、ひとつの才能だと思うんです。  
「好き」「やりきる」「考える」「続ける」の大切さは、サッカーだけではなく、何にでも言えることではないでしょうか。
 
 
当日は、広州市サッカー協会から、相馬さんが名誉コーチとして認定された

日中の小学生が相馬コーチと一緒に練習!
ANAこどもサッカー教室開催

11月11日、広州体育学院 で、ANAこどもサッカー教室(主催:ANA広州支店、共催:広東省人民対外友好協会、後援:在広州日本国総領事館 協賛:アシックス)が開催された。元日本代表選手の相馬直樹さんをコーチに招いて日中文化・スポーツ年交流イベントとして行われたこの教室には、低高学年合わせて約95名の小学生が参加した。高学年の部では、日本人と天河の子供サッカーチームの中国人が相馬さんと一緒になって、ボールを追いかけた。