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Contents/Special Interview
     ■ 坂田 藤十郎  
     今回の公演は、とても意義の大きいことだと思っています



Profile
坂田 藤十郎 さかた とうじゅうろう
1931年(昭和6年)12月31日生まれ。近松座を率いる今日の歌舞伎界を代表する俳優で、立役(男役) 女方(女役) と もにこなす。 94年に人間国宝となり、05年12月には231年ぶりとなる四代目坂田藤十郎を襲名。名実ともに上方歌舞伎のリーダーとなる。

今までに数々の文化賞を受賞し、平成6年には重要無形文化財保持者(人間国宝)となった歌舞伎俳優・坂田藤十郎さん。日中国交正常化35周年を記念した2007「日中文化・ スポーツ交流年」活動の一環として、広州の中山紀念堂で9月21日、 22日の両日に行われる松竹大歌舞伎・近松座中国公演のメディア発表のために広州を訪れた坂田さんに、中国公演への意気込みをうかがった。
  ☆広州にこられたのは初めてですか?  
  ええ、初めてです。街中を車で走っていて驚いたのが「なんてきちんと整頓された大都市なんだろう」ということです。うわさには聞いていましたが、実際にきて肌で感じてみ て、ここまで発展していたんだと、本当にびっくりしました。  
  ☆9月の歌舞伎公演の会場となる中山紀念堂をごらんになって、いかがですか?  
  程よい大きさでいい感じです。(ちょうど別の舞台の準備中だったので)ステージには上がれませんでしたが、なかなかやりがいがあるのでは、と思いました。
今回は衣裳や大道具も日本公演と同じものを使用して、日本公演と同じ内容を上演するのですが、この会場は安全面の規定で、歌舞伎特有の「花道」が作れないらしいんです。ですので、通常は花道を使う場面を少し変えなければいけなくて。どんな風に変えようか、いろいろな構想が湧き上がってきて、今から楽しみなんですよ。
 
  ☆広州での歌舞伎公演は、坂田さんが歴代2人目ということですね  
  そうです。1955年にやはり今回と同じ中山紀念堂で、市川猿翁(えんおう)さんが公演しているそうです。日本にとって中国は近くて遠い国でしたが、あれから52年、日中国交正常化35周年の記念舞台を同じ場所で演じられるというのは、とても意義の大きいことだと思っています。  
  ☆海外での公演で、特に気をつけていらっしゃることはありますか?  
 
私は世界各国でたくさんのステージをやらせていただきましたが、どの国でやるにしても、内容が難しいからといってカットしたり力んだりせずに「日本の伝統・ふるさとの味」をそのままお見せできるよう、心がけています。場所というのは実はあまり重要ではなく、歌舞伎というのは、要は演じる側の心持ちしだいなんですよ。
 
  ☆外国公演でのお客さんの反応はいかがですか?  
  もちろん国によって違いますね。拍手の上がる場面とか歓声の上がる場面とかが、微妙に違っているので楽しいですよ。
でもひとつだけ、日本とは決定的に違っていることがあって。それは海外公演ではカーテンコールがあることなんです。日本でも ミュージカルなどでは一般的で、海外のエン ターテイメントには欠かせないカーテンコールですが、実は歌舞伎にはこの習慣がないんです。幕がおりたあとは普通に帰るというか(笑)。それが海外では違う。いつまでも拍手が鳴り止まず「アンコール」の声までかかり、出て行かないと収まらないわけです。
最初はこの習慣になれなくて、とても戸惑ってしまいどうしたらいいか分からなかったんですが、今はコールのタイミングとか、どうやってご挨拶したらいいかもわかってきました。今回の広州公演ではどんな反応が上がるのか、これも楽しみのひとつですね。
 
  ☆最後に、広東省に住む日本人にひと言お願いします。  
 
今回のような文化面での交流というのは、とても大切だと思います。言葉が通じなくてもきっと楽しんでいただけますので、日本に興味のある方だけでなく、今までまったく関心のなかった方にもぜひ見にきていただきたいですね。
また、日本にいても歌舞伎をご覧になったことのない日本人の方はたくさんいらっしゃいますから、今回の広州公演はとても貴重な機会だと思います。皆さんお声を掛け合っていただき、チケットがソールドアウトになればうれしいです(笑)。