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環境・省エネビックバン
 
 
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  省エネ型コンプレッサ、 空調用省エネ装置の普及に挑む  
  工場の動力として広く普及するコンプレッサ。産業機械の中でもエネルギー消費率の高い機械で、工場全体に占める電力消費率は30%にも及ぶ。コベルコ、アネスト岩田、日立の3社は中国で省電力タイプのコンプレッサ普及に尽力する。一方、電気を食うことにかけてコンプレッサと双璧をなす空調。東朋テクノロジーは家庭用エアコンの省電力を、西部技研は産業用エアコンの省電力を達成する装置の拡販に取り組んでいる。  
  省エネ型コンプレッサを 中国市場向けに開発販売  
  コベルコ  
 
神鋼圧縮機(上海)有限公司の船津至・総経理
世界最高レベルの吐出風量を誇るコベライアンUVS
コベルコは、今年6月から 中国市場での拡販を目指し開発したコベライアンII VSの販 売を開始している。省エネセミ ナー、省エネ診断の開催で拡販に取り組んでいる。

省エネ法改正を追い風に日本で拡販
コベルコ・コンプレッサは一九一五年、前身の神戸製鋼所汎用コンプレッ 部門でコンプレッサの製造販売をスタートし、一〇〇年近い歴史の中で数々の技術開発に成功してきたパイオニアだ。一九九八年、インバータを搭載した省エネタイプのコンプレッサの展開を開始。九九年施行、二○○三年に改正された省 エネ法や、企業のISO14000取得の潮流を追い風にインバータコ ンプレッサの拡販を続けてきた。  
中国では二〇〇〇年、華東地区でコンプレッサの販売を行う神鋼圧縮機(上海)有限公司を設立したのを皮切りに、〇四年生産拠点の神鋼圧縮機制造(上海)有限公司を、〇五年には深と北京に販売会社を設けている。〇六年二月、インバータ式コンプレッサの製造も開始し、 〇七年六月からは世界最高レベルの吐出風量を持つコベライアンUシリーズの製造・販売を開始している。

一年で回収、二年目でコスト削減
同社のインバータ式コンプレッサの最大の特長は、世界最高レベルの吐出風量及びIPMモータの採用である。例えば、コンプレッサに一〇〇%の負荷がかかっている場合、他社製インバータ機が八五%の効率であるのに対し、同社製は九〇%強を維持する。更に基本性能が高く、他社機に比べ低い負荷率でエアー供給ができるため、他社インバータ機と比較し二〇%近い省エネを図ることができる。通常のコンプレッサに比べ割高だが、一年以内に価格差を回収、二年目以降のコスト削減を約束する。  
「中国ではこれまで、インバータ式コンプレッサの販売は日系企業が中心だったが、コベライアンUの投入以降、中国系企業からも注目を集めている」と語るのは、神鋼圧縮機(上海)有限公司の船津至・総経理。コベライアンUは中国市場での拡販を目指し開発された省エネタイプのコンプレッサで、従来機に比べ、吐出風量・効率面で大幅な性能アップを達成している。「生産が追いつかない状態」(船津氏)と出足は非常に好調だ。

省エネセミナーを開催
コベルコは日本全国で、九〇年代半ばより「省エネセミナー」を開催してきた。「当時の日本と今の中国は状況が似ている。コンプレッサがどれだけ電力を消費しているのか分からない、或いはどう省エネに取り組めばいいのか知らない方がたくさんいる」(船津氏)。  
こうした背景の下、神鋼圧縮機(上海)有限公司では近年、中国でもコンプレッサ関連の省エネを解説する「省エネセミ ナー」を本格化させている。華東地区では昨年五回開催し、のべ一五○○名の参加があった。同社では中国の工場の省エネ化を進め、コベライアンUの認知度を高めていくため、今後も同様のセミナーを開催していく。  
また、コベルコは工場のエアー使用状況を測定し、最適な設備と運転方法を提案する「省エネ診断」 を展開している。日本では一〇年以上前から二〇〇〇社以上のユーザーを測定。約二〇億キロワットに及ぶ豊富な診断データを所持している。このノウハウをもとに、中国でも平均二〇%程度の省エネ改善提案を行ってい る。
 
     
  省エネ機を外資・中国系へ拡販 省エネ診断、セミナーで喚起 
  日立  
 
日立(中国)有限公司の内藤雅規・産業機器系統部(空気圧縮機部門)総経理
インバータからコンプレッサまでの自社生産体制を強みに省電力を徹底追求したインバータ搭載スクリューコンプレッサ
日立は中国で〇六年よりインバータタイプのコンプレッサの生産を開始した。省エネ診断やセミナーを実施し、認知度を高めながら中国系顧客を開拓、すでに顧客全体の四割を占めている。

小型から大型まで幅広くラインナップ
小型機から大型機までの幅広いラインナップを強みとする日立グループのコンプレッサ。一九九三年、世界に先駆けて省エネ機のインバータ搭載コンプレッサを開発後、インバータからコンプレッサまで自社生産する体制を強みに、省電力を徹底追求した商品開発に取り組んできた。現在、同社が日本市場に出荷するコンプレッサの約五割をインバータタイプが占めている。
八〇年代後半より中国広東省でコンプレッサの販売を開始。日系企業から香港地区系企業への導入を進めた。 二〇〇二年、日立製作所からの分社化で日立産機システムが設立されて以降、コンプレッサの中国展開を強化し、〇五年には中国での生産をスタート、〇六年よりインバータタイプの生産も始めている。

中国系顧客が四割
日立(中国)有限公司の内藤雅規・産業機器系統部総経理は、「〇六年の生産開始を期に、インバータタイプの出荷が伸びている」と話す。中国系企業の取り込みにも成功し、現在インバータタイプの顧客の割合は日系企業六割に対し、中国系は四割に及んでいる。また、コンプレッサ全体に占めるインバータタイプの割合は現在、二割にまで高まっている。  
同社では、イニシャルコスト重視の傾向が強い国でインバータタイプを普及させるため、省エネ診断や省エネセミナーを積極的に実施。上海市省エネ委員会から省エネタイプのコンプレッサとしての認定も受け、中国系企業に向けてアピールを続けている。  
内藤氏は、「二年後には日本と同様、イ ンバータ機の割合を五割にまで高めたい。いまのペースなら実現できるはず」と自信を見せている。
 
     
  超環境対応コンプレッサ オイルフリースクロール  
  アネスト岩田  
 
アネスト岩田産業機械 (上海)有限公司の
白井 淳夫・副総経理
オイルフリーで複数のユニッ トを搭載した
コンプレッサ
世界初のオイルフリースクロールコンプレッサを開発したアネスト岩田。使用空気量に合わせた台数制御で、大幅な消費電力の削減が可能な “超環境対応”のコンプレッサを中国でも展開する。

環境規制を背景にオイルフリー投入
アネスト岩田は、世界的な地球環境へ の意識の高まりを受け、一九九一年にオ イルフリースクロールコンプレッサを開発。“オイルフリー”は、きれいなエアーを供給できるのが特徴で食品・飲料、分析、 塗装、印刷、薬品、化学、医療、繊維等の業界を中心に販売を伸ばしてきた。  
中国では、「環境規制が厳しくなり、 ニーズが高まっていくだろう」と、「オイルフリータイプ」の製造を二〇〇二年に開始している。

複数ユニット搭載 で大幅省電力
「これ以上の“環境対応”はない」 と白井氏が胸を張る同社のオイルフ リースクロールコ ンプレッサ。クリーンなエアーを供給できるだけでなく、(1)ドレンにも油分を含まないので容易に排水、(2)世界最高レベルの低騒音、(3)電気代の節約、(4)故障リスクの回避、などの特長がある。 五馬力単位のユニットを複数台数搭載 し、使用する空気量に合せて適正な台数のユニットを運転するため電気代を大幅に削減。低騒音により現場内設置が可能で、長い配管が不要。さらに圧損と空気洩れが防止でき、大幅な省電力が可能だ。  
白井氏は、「弊社の調査ではコンプレッサの一日の平均負荷率は六割の工場で五〇%以下、年間平均負荷率は三七%に留まっている。この低負荷時の運転をい かに制御するかで、電気代は大きく変わる。弊社のスクロールコンプレッサは (周波数変換ロスと効率ロスのある)インバーター式と比較しても省エネルギー性に優れている」と語る。今後、環境規制強化が予測される中、現地生産販売の強みを生かしながら“超環境対応型コンプ レッサ”の更なる市場浸透を進めていく。
 
     
  空調を効率アップする スーパーコンデンサー  
  東朋  
 
東朋技術(上海)有限公司の松島誠一・営業本部設備営業課課長
室外機に設置されたスーパーコ ンデンサー
東朋は、業務用冷暖房の大幅な省電力を実現するスーパーコンデンサーの普及に注力。電気代を食う旧タイプの空調が圧倒的な中国で、同機は広く普及していく可能性を秘めている。

電気代を二〇〜三〇%削減
グリーンアースと独立行政法人産業技術総合研究所が共同開発したスーパーコンデンサーは、エアコンの室外機に取り付ける追設コンデンサーのシステム。従来の冷媒ガスから新冷媒に入れ替えるこ とで、室外機を大幅に効率アップし消費電力の削減を実現する。メーカーを問わず取り付けでき、冷暖房能力を向上させながら電気代を二〇〜三〇%削減する。  
画期的な製品であるが、日本ではエアコンの省エネ化が進んでいることと、スーパーコンデン サーが対象とする冷媒フロン R22を使用したエアコンがほとんど存在しなくなっていることから、広く普及することはなかった。  
一方中国ではR22タイプがほとんどで、インバータ機も少ない。東朋技術(上海)有限公司の松島誠一・営業本部設備営業課課長は、「中国の空調機は日本の一〇年以上前のタイプが大部分で、最新機に比べ三、四倍の電気を消費する。スーパーコンデンサーの潜在需要は非常に大きい」と語る。

同済大学で実証実験
東朋技術(上海)有限公司では、今夏よ りスーパーコンデンサーの取り扱いを開始。当面は省エネに関心の高い日系企業への普及に力を注ぐ。  
しかし、本丸はあくまで中国系企業。中国でスーパーコンデンサーの技術サポートを行う上海清環機械技術服務有限公司の清水泰雅・董事長は、「まず学会の支持を取り付けるため、同済大学の教授に実 証実験を依頼した」と説明する。  
現状の設備のまま大幅な省電力を実現するスーパーコンデンサーに、同済大学教授は大きな関心を寄せているという。 日本で誕生した省エネ技術が、中国で大きな広がりを見せていくかもしれない。
 
     
  産業空調の省エネ装置 普及めざし現地法人設立  
  西部技研  
 
西部技研の隅扶三郎・代表取締役社長
換気する際に発生する排気エネルギーを熱 エネルギーとして回収、給気側へ供給し10〜 20%の省エネを実現する熱交換機
西部技研は、産業エアコン(中央空調)用省エネ装置の日本のトップメーカーだ。今年1月、西部技研環保節能設備(常熟)有限公司を設立、先駆者として中国でもトップシェアを目指す。

熱交換器への関心が高まる
西部技研は、中央空調の省エネを実現する熱交換器を中心に、産業用の除湿機や空気清浄装置などの装置を製造している。熱交換器の製造メーカーは国内に二社、世界に三社で、同社は日本国内シェア七割のトップメーカーである。  
熱交換器は、建物の空気を換気する際に発生する排気エネルギーを熱エネル ギーとして回収し、給気側へそれを供給することで一〇〜二〇%の省エネを可能にする装置だ。同社で は二〇〇五年九月に上海事務所を設置し、 この熱交換器の中国での普及を模索して きた。同社の隅扶三郎・代表取締役社長は、「五年前から中国で熱交換器を扱っているが、ここ一、二年で関心が高まってきた」と話す。

中国でもトップシェアを目指す
同社は今年一月、熱交換器と除湿機の製造を行う西部技研環保節能設備(常熟)有限公司を設立した。 「欧州系の空調メーカーから注文が入り始めたが、納期や価格面で問題がでてきた。現地生産に取り組む必要があった」と隅氏は説明する。  
熱交換器メーカーの中で初の現地法人設立となった。熱交換器の出荷は今年一〇月を予定する。生産品は中国市場向 けだが、将来的には中近東への輸入も視野に入れる。  
中国の熱交換器市場は黎明期にあり、製品そのものの認知度はそれほど高くな い。同社では日系や欧米系の中央空調機メーカーへ営業を続ける傍ら、学会を通 じたアピールを行っている。  
隅氏は、「先行者利益を確保し、二〇一〇年までに中国でもトップシェアを取る」と気を吐いている。
 
     
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