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「内販力」強化 〜私の提言〜
 
 
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  「もっと売れる組織」はこうしてつくれ!  
 



究極のところ企業経営は「モノ」「カネ」以上に「ヒト」という資源の管理に行きつく。では、これを中国でいかに活性化し、組織力を高めていくべきか――。「ジャパン・アズ・No.1」と各国から絶賛を受けた80年代から「戦略なき日本企業」と酷評された90年代にいたるまで日本企業の組織経営の実態を探求、コンサルティング活動に従事してきた稲葉雅邦氏から提言を頂いた。

稲葉雅邦氏プロフィール:
経営コンサルタント。東京大学法学部卒。総合商社、外資メーカー勤務を経て1995年、企業組織研究所(http://www.orgmgnt.com)を設立、コンサルティング歴はじつに25年に及ぶ。主な著書として、『企業組織開発の実務』(ダイヤモンド社)、『人事管理の基礎理論』(全国社会保険労務士会連合会)、『組織と人事制度のリストラ』(中央経済社)がある。BOMCコンサルティング社顧問。
 
  「組織のインテグレーション」  
 
 
同じ職務階層(Grade)でもパフォーマンスには差=段階(level)=がある。7階層程度の職務階層(Grade)に賃金(基本給)範囲を設定し、 職務遂行能力の段階(Level)によって賃金格差を持たせる賃金体系(GL方式)が海外においては有効となる。

企業が販売実績を高めるには、マーケテイングの基本を現地化すること、優れた戦略を創出すること、セールストレーニングなども大切ですが、本当に効率的かつ効果的に実行するかは組織力にかかってきます。やはりマネジメント=「組織のインテグレーション」=を進めることが各社にとって共通した重要課題となります。
しかし、現実は職務基準・評価・賃金システムなどを設定した「本格的な組織管理」にいたっていない企業がまだまだ多いのではないでしょうか。たとえば日本において人事部門は手続≠フエキスパートであり、国際的な原理を踏まえて確固たるポリシーを持っているケースはむしろ稀のように見受けられます。
 
     
  職務内容の「明示」は必須 
  まずは賃金の本質原理、それに、実際に行われているいくつかのシステムの特質、長短などを、人事部門はもとよりトップならびにマネジャー層に的確な理解をしていただくことが望まれます。
そのうえで言えることは、ヒトを基本モジュールとして終身雇用するという制度のもとで、キャリアを形成したり、適材適所を図ったりすることは中国では適切ではないことです。(中国に進出したばかりで、万事流動的・開拓的である段階は別として)「組織力」を高め内販に注力していく段階にある企業にとっては、何と言っても「各職場(あるいは主要な職場)に、どういう職務内容が存在するのか?」などを分かりやすいもの(=職場別職務記述書)にして「明示」する必要があります。(阿吽の呼吸に頼った「暗示」では通用しません)
それによって、自分の持ち場、業務の分担を明確に自覚することができ、ひいてはチームマインドも生まれてきます。また、(職場別職務記述書は)管理者の立場でも職務内容の是非、欠落の有無、部下へのアサインメントの適否などを管理するのに便利なツールとなります。
 
     
  「機能階層」の分類  
 

次に、社員業績評価制度ですが、まず、社員業績評価は「何のために必要なのか」について、少なくともマネジャー以上に確実な理解とコンセンサスを作り出すことが必要です。目的が明確でない、あるいは食い違っているという状態では、評価システムを作っても形だけで終わってしまうからです。
評価システムとは、社員各人(部下)に 「どういうことを、どの程度期待する」ということを明確にし、「分かりました、やりましょう!」という状態を作り出し、出来たことは喜び合い、出来なかったことは改善向上する(つまりはコミュニケーションのツール)、そしてその結果を給与や昇進の重要根拠とするということだと思います。
すでに申しあげた「職場職務記述書」に盛り込まれている職務内容は、たとえば次のような「機能階層」に分類できます。(1)単純作業、(2)特定の業務知識と技能を要する定型業務、(3)定型の域を超える応用・工夫・調整・判断などを必要とする業務、(4)こうした実行業務ひとかたまりをよりよく遂行する(実行そのものではない)業務、(5)一年間以上の視野で一定の職場やプロジェクトの計画を考え出し会社として公認されれば実行管理して結果に責任を負う業務、などです。
* こうした分類作業を経て作成された職務記述書を点検すれば、わりと簡単に社員各人が主として本来どの階層の職務内容を多く担当しているかが客観的に(本人、上司、周囲にも)分かってきます。そして、これを根拠として社員の「職務等級」の実態、経営ポリシー、賃金相場を検討し、サラリー範囲を設定するのです。
同じ等級階層に属しても、各人によってパフォーマンス(結果・知識/能力・態度の集積)は異なります。したがって、その期待値を明示し、成果を評価して、結果を職務等級内に「レベル」として認識し、サラリー範囲内において格差のあるサラリーテーブルを策定します。こうして各人のサラリー金額がどこに位置するかが明快なサラリー管理を行うのです。

 
     
  「可塑性」が高い中国  
  欧米や日本のような既存のシステムが、良し悪しは別として中国やアジア圏においてはまだ慣習化し定着しているわけではありません(すなわち可塑性が高い)。したがって上記の「職務」「評価」「サラリー」管理の三つのシステムを有機的にリンクさせることは、社員のモチベーションを高め、経営的にも合理性の高い管理を行ううえで普遍的なシステムとして作用すると考えられます。
「賃金の源泉は付加価値であり、賃金総額は付加価値と連動すべきである。そうでない企業は存立し得ない」というA.W.ラッカー(米)が提唱した定理のとおりではないでしょうか。
 
     
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