| マイカー時代本格化の兆し 10万元バトル幕開ける |
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上海モーターショーに併せ、日系メーカーが相次いで小型車投入を発表した。これまで中・高級車は外資系メーカー、小型車は民族系メーカーという二極化が見られたが、この構造が徐々に崩れつつある。本特集では、小型車を中心に、中国乗用車市場の現状に迫った。![]() 上海の街頭でも小型車の存在が増し始めた。外資系メーカーもその市場に食指を伸ばし始めている
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| 日系メーカーが相次いで小型車発表 | ||||||||||||
日系メーカー各社はこの上海モーターショーに併せ、小型車の発表を相次いで行っている。トヨタは、二〇〇八年より広州トヨタでヤリスの生産・販売の開始をアナウンス。日産は、東風日産として初めてとなる一〇万元クラスの小型車・リビーナ投入を発表した。また、スズキは長安スズキが九万元から一二万元のSX4を発表、七万元から九・五万元のスイフト(中国語名:雨翼)に加え、新たに一〇万元クラスの小型車をラインナップに加えた。 |
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| 広州ホンダが利益でトップに | ||||||||||||
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中国汽車工業協会によると中国自動車市場は二〇〇六年、生産台数が前年比二七・三%、販売台数が前年比二五・一%で伸び、ともに七二〇万台を超え、日本を抜いてアメリカに次ぐ世界二番目の市場となった。このうち、乗用車の生産・販売台数はいずれも三八〇万台強。乗用車販売が、市場全体の成長のけん引役を果たしている。 また、輸入車は二〇万一七〇〇台( 前年比四〇・四%増)、輸出車は三一万一六〇〇台(同一〇〇・一%増)だった。 メーカー別の業績を見ると、販売台数二六・〇一万台、利益五一・五九億元となった広州ホンダがトップ。これに上海通用(販売台数四○・六一万台、利益四九・一九億元)、上海大衆(販売台数三四・九一九万台、利益二五・〇九億元)、広州トヨタ(販売台数六・一三万台、利益二四億元)、東風日産(販売台数二〇・三五万台、利益二〇億元)と続く。いわゆる民族系の最右翼と称される奇瑞は、販売台数三〇・二五万台、利益一〇億元で一〇位に食い込んでいる。 自動車メーカーの利益推移と販売実績(2004〜2006 年) ![]() |
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| 小型車市場に異変 | ||||||||||||
| 総排気量一・六リットル以下の小型車の販売台数は、〇六年、国内乗用車市場の五割以上を占めた。排気量一・〇から
一・六リットルの小型車の販売台数は、二五〇万台に上ったとされる。 これまで、中国の乗用車市場には、中・高級車は外資メーカー、小型車は民族系メーカーという二極化の構図が見られた。QQや自由艦のような安価な小型車を民族系メーカーの奇瑞、吉利などが市場に投入、シェアを伸ばしてきた。しかし、市場拡大を背景に日系企業をはじめとする外資系企業がその市場に徐々に触手を伸ばし、一〇万元クラスの小型車をめぐる競争の激化が始まっているのは前述したとおりである。 モータリゼーションの初期において、乗用車の所有はステータスシンボルであり、面子や見栄からの消費が主体となる。したがって、メーカー各社の戦略も利幅の大きい中・高級車の販売が基本となる。実用を乗用車に求めるユーザー層が拡大したとき、メーカー各社は利幅が小さくとも量産効果が期待できる小型車の販売へも注力を始める。一〇万元バトルの幕開けは、中国でも本格的なマイカー時代の到来が刻々と近づいていることを予感させる。 |
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| 政策が小型車市場拡大を後押し | ||||||||||||
そのひとつが小型車の通行制限の撤廃である。二〇〇六年一月、中国国家発展改革委員会は「各省と直轄地域政府へ、都市部での小型車乗り入れ規制撤廃」を通達した。これまで、安全面への配慮から小型車を規制してきた政策はここに方針転換を見ている。
政府の自動車業界における環境保護、 省エネの政策は、小型車推奨に留まら ない。上海モーターショーの会期中、海南省で開催された博鰲(ボアオ)・アジア・ フォーラムで、国家発展・改革委員会の陳 徳銘副主任は「二〇一〇年に自動車のエネルギー消費量を〇三年比で一五%減らす必要がある。今後、バイオエタノールな ど植物から作る自動車用燃料の開発を推進するとともに、電気自動車も徐々に普及させていく」と述べている。
昨年一二月の中国での穀物価格の上昇は、バイオエタノールへの需要増期待による国際価格の高騰が影響したといわれる。食糧問題とも密接な関係を持つバイオエタノールだが、クリーンなエネルギーとして、政府は今後、徐々にバイオエタノール率を徐々に上げていくことが予測される。 |
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| スズキの展開に注目 | ||||||||||||
| トヨタ自動車上海代表処の東和男首席代表は弊誌のインタビュー(次頁)の中で、「本格的なモータリゼーションは五年から一〇年後になる」と語った。小型車普及が一挙に進む段階に達していない中、日系メーカーが小型車戦略を加速するのは先々を見越しての展開といえる。 しかし、小型車は利益を出すのが難しいセグメントである。奇瑞のQQなどは、「売れば売るほど赤字になる」と揶揄されたこともある。外資系メーカーが小型車の市場投入に控え目であったのはここに理由がある。 排気量一リットル未満の軽自動車となると、なおさらその薄利傾向は強くなる。日本市場では、乗用車の年間販売台数五七〇万台のうち、二〇〇万台を軽自動車が占めるが、メーカーがこのセグメントで利益率を高めるノウハウをつかむのは容易なことではない。 その点、この最も利益確保がシビアな軽自動車からスタートし、近年、小型車へとビジネスの主軸を移してきたスズキは、「小型でも十分に稼げる」利益構造を確立していると評されている。 海外重視の販売政策で、意欲的に新モデルを市場に投入、中国で好調に業績を伸ばす同社の動向が注視される。 ![]() |
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| TOYOTA 「まだモータリゼーションの初期段階。小型車普及が本格化するのは暫く先」 トヨタ自動車上海代表処・東和男首席代表 |
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| 中国は小型車主流の市場 | ||||||||||||
中国のモータリゼーションがはじまってまだ五年ほどが経ったに過ぎない。モータリゼーションの初期段階には、中型・大型自動車の伸びが顕著になるのが通例。金持ちが自動車を購入した後、ローンが設定されるなどし、庶民が小型車を手に入れる。 中国市場で小型車はすでに主流を占めるが、現在はマイカー時代の初期段階であり、小型車の販売が爆発的に伸びていく段階には到達していない。
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| 外資系も小型車に注力 | ||||||||||||
| 小型車を生産する民族系メーカーの成長が著しい。奇瑞や吉利などその歴史は一〇年に満たないが、すでに年間で二〇万台から三〇万台を国内販売するまでに力をつけている。ロシア、中東、アフリカ諸国などへの輸出も好調で、奇瑞は三月だけで一万台を輸出したようだ。 民族系メーカーが育たない限り、我々外資系メーカーへの規制はなくならないため、民族系メーカーが順調に成長することを希望する。 ただあなどってはいられない。小型車は稼ぐのが難しいセグメントで、かなりの台数を販売しないと利益がでないが、民族系メーカーの一部は今後、小型車でしっかり利益を出せるよう体質改善し、大きく飛躍する可能性を秘めている。すでに外資系メーカーは高級車市場、低価格の小型車は民族系と二極化の流れもある。しかし、我々外資系も稼げる小型車の開発を怠ることができない。五年後、一〇年後に市場が成熟すれば、小型車は重要な商材になるからだ。 |
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| バイオエタノールに期待 | ||||||||||||
中国のモータリゼーションを語る際、エネルギー問題は避けては通れない。ハイブリット車やディーゼル車などがあるが、どちらも化石燃料。今後、最も期待されるエネルギーはバイオエタノールだろう。 |
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