上海ウェネバーオンライン
中国(上海・北京)生活情報満載!!
特集
プリンタ・複写機市場
消耗品≠゚ぐる攻防
 
  俗に消耗品ビジネス≠ニいわれ、インクやトナーを利益の源泉するプリンタ・複写機。中国では消耗品のコンパチ品や詰め替え品が市場で一定シェアをもち、メーカーはこれらとの戦いを強いられている。コンパチ品が存在感を強める中、ビジネスモデルそのものを見直すところ、ユーザーへの純正消耗品の啓蒙活動≠強化するところと、メーカーの対応はさまざま。消 耗品ビジネスをめぐる攻防を追った。
 
 
特集1   特集2   特集3   特集4   特集5   特集6   特集7   特集8
 
  法律≠ゥら見た消耗品ビジネス  
  メーカーはまず権利の確認を啓蒙活動も重要
黒田法律事務所・安江義成弁護士
 
 
ニセモノ消耗品の法律的問題とは
まず、消耗品の模倣品とコンパチ品の法律的問題を整理します。ブランド名を騙っている製品、いわゆるニセモノは商標権を侵害している可能性があります。コンパチ品で、他社の技術やデザインを勝手に使っている場合、技術≠ヘ、発明特許権(日本の特許権に相当)又は実用新型特許権(実用新案権に相当)の侵害、デザイン≠ヘ外観設計特許権(意匠権に相当)の侵害が問題になります。
逆にいうと、独自の技術とデザインを使用したコンパチ品は、合法ということになります。
もっとも、権利侵害が認められる絶対的な前提として、消耗品のメーカーが商標や特許を中国当局に登録している必要があります。

消耗品はなぜターゲットになるのか
消耗品は、なぜ模倣品のターゲットになりやすいのでしょうか。それは@市場規模の拡大、A技術的、コスト的ハードルが比較的低い、B製品が年々小型化していること、の3つがあります。Bですが、製品にしるされたブランド名や自社ロゴは真贋を見極める重要なツールです。しかし、製品の小型化でロゴを付けられず、パッケージに記載することが多くなりました。ロゴ入りパッケージの模倣は容易で、模倣品を誘発します。
では、模倣品やコンパチ品は純正品メーカーにとってどんな害を及ぼすのでしょう。まず利益面の損害。次にブランドイメージの低下です。消費者は粗悪品の消耗品を使ってプリンターを壊しても、メーカーにクレームをつけます。この対応に人件費が裂かれるだけでなく、ブランドイメージも下がります。製品の開発だけでなく、製品を守るのにもお金がかかる時代になっていることを認識する必要がありそうです。

世界市場に影響ある大きな問題  
問題は、中国に留まりません。他国に輸出されれば世界市場に影響があります。これを防ぐためにも、税関との連絡を密にする必要があります。  
当局へ通報するために模倣品について情報収集することが大切です。また、権利の確認も忘れてはいけません。法的対策以外の取り組みも重要です。模倣品の危険性を知らない消費者への啓蒙は、模倣品対策の基本といえる大切な活動でしょう。
 
  揺れるインクカートリッジ政策論争「独禁法」制定の動向に注目を
里兆法律事務所・趙強弁護士
 
 
コンパチの存在は合法か?  
メディアの報道によれば、EUは2002年に、電子器材の中にリサイクル使用を妨げるような装置を搭載してはならない、という指令を出しています。当該指令の主な趣旨は電子ゴミの削減ですが、実質的に第三者による交換カートリッジの応用製造に条件を与えたものとみなすことができましょう。  
もっとも、プリンタ・コピー機とインクカートリッジの間には一体化された技術が応用されていることを考慮すると、機器のメーカーは純正品(プレセットインクカートリッジ)の原作者として、インクカートリッジにおける発明特許やデザイン特許(外観設計特許権)等の知的財産権を設定している可能性が高いといえます。  
その場合、第三者の交換カートリッジのメーカーは自らが技術ライセンスを獲得していない状況下において、機器のメーカーの有する知的財産権を侵害していると見なされるでしょう。

法律規定は未整備 
もし第三者交換インクカートリッジのメーカーが、純正品メーカーによる市場独占を主張する場合、現行の立証規則の下で、知的財産権の濫用と、それにより正当な競争が妨げられているという事実の存在を十分な証拠とともに立証することが必要になってきます。  
一部のプリンタ・コピー機メーカーは、カートリッジにコンピュータ暗号を組み込んだICチップをはめ込む等、技術的手段やメンテナンスを実行することで交換カートリッジ製品を市場から排斥しようとしてきました。これが市場の独占、不正競争、知的財産権の保護措置の濫用等にあたるかどうかという議論については、中国ではまだ明確な法律規定による調整ができていないのが実情です。
このような情況の下、「独占禁止法」の審議が進められています。06年6月に中国国務院法制弁公室が提出した「草案」には、市場における支配的地位を濫用して取引を相手に強制したり、正当な理由なくして取引の相手方が自己又は自己が指定した経営者のみ取引を行うように限定したりするといった行為を禁止する内容(経営者による知的財産の濫用。排他的行為、自由競争の制限行為の禁止)が含まれています。   
独占の禁止、知的財産権の保護、環境保護、消費者の利益の保護、国家・業界の標準、商業利益等の要素が入り組む中、バランスのとれた政策がいま模索されているのです。
 
     
  特集1   特集2   特集3   特集4   特集5   特集6   特集7   特集8