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特集
プリンタ・複写機市場
“消耗品”めぐる攻防
 
  俗に“消耗品ビジネス”といわれ、インクやトナーを利益の源泉するプリンタ・複写機。中国では消耗品のコンパチ品や詰め替え品が市場で一定シェアをもち、メーカーはこれらとの戦いを強いられている。コンパチ品が存在感を強める中、ビジネスモデルそのものを見直すところ、ユーザーへの純正消耗品の“啓蒙活動”を強化するところと、メーカーの対応はさまざま。消耗品ビジネスをめぐる攻防を追った。
 
 
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  代理店の目から見た ヒューレット・パッカードの販売サポート戦略  
 
上海名源科技有限公司 客戸部経理・石宏傑氏
中国最大のIT関連調査・コンサルティング機関として認知されるCCIDによる調査によると、ITサービスにおける顧客満足度においてヒューレッド・パッカード(HP)は九年連続で第一位にランクされている。中国におけるIT製品のサービス体制においてHPが他社より一つも二つも抜きん出る存在にあるのはなぜか? 同社の販売代理店を通じてその背景を追った。
 
  「ダイヤモンド」級代理店  
 
メーカーと代理店間の厚い信頼、それはメーカー側による販売インセンティブのプラニングといった各種措置によるものではなく、情報交流の頻繁化、(メーカー側による)技術面でのバックアップに負うところが大きいのかも知れない。
3月15日に発表されたリコーの中国現地法人である理光(中国)投資有限公司と大塚商会の現地法人「欧智信息系統商貿(上海)有限公司」の提携もそのような背景があると見なしてよいだろう。両社は複合機の販売で提携、欧智はリコー製複合機を上海地区で販売(非独占)、理光中国は保守サービスを実施すことで合意したことが明かされている。
ただし、大塚商会が「在中国日系企業での複合機導入は日本本社に決定権がある場合がほとんどであることから、日本で決定された導入を中国でスムーズに行うことを目的としている」と公言するように、これはあくまで在中日系企業をターゲットとした戦略提携と見るほうが確かだろう。ローカルマーケットの開拓においては、やはり現地の有力な販売代理店との関係構築が必須となるのではないか。その点で、最も成功を収めた外資IT企業としてHPの事例をここで取り上げたい。
ヒューレット・パッカード(以下、HPと略)が有する主要代理店(一級代理店)は中国大陸で20社ほど、上海で5社ある。そのうちの一つ上海名源科技有限公司は1996年に設立、HPより華東地区における一級(ダイヤモンドクラス)代理店として認定されている。もともとはコンパックの機器販売に携わっていたが、その後のコンパック、HP両社の合併を経て現在のポジションを得た。合肥、寧夏に子会社をもち、06年の売上実績は1.5〜1.6億元。その70%は他の二次代理店や国美など大手量販店等に向けた卸しで占めるという。
もっとも、「現在、事業の中心はサービスへと中心を移しつつある」(客戸部経理・石宏傑氏)というように、同社は単なる機器販売店ではなく、総合的なソリューション・プロバイダーとしての色彩を強めていると見なしたほうが間違いない。現在、ソフト開発等の売上げが400万元、全体の比率はまだ少ないが、アウトソーシング市場でのシェア引き上げを展望に入れる。
 
  アメとムチの政策  
  さて、本特集のテーマである消耗品ビジネスについて触れておこう。
前出の石氏によれば、HPは直接専門員をクライアント企業に派遣し、大型プリンタ、プロッターなどの製品に対する性能テストのサービスを無料で行っているという。一方、消費者はカートリッジ、トナー製品に記載されているシリアルナンバーを指定の電話窓口で問い合わせ、本物かどうかを鑑別できる。
クライアントの便宜を計らいつつ、メーカー、代理店双方で純正品の奨励措置を設けているのも面白い。ポイント制度を用意し、本物のインクカートリッジを購入することでポイントがたまり、プレゼントと交換できるサービスをHPが設ければ、代理店側でもクライアントに向けた景品を用意しているという。
なお、ニセモノ・粗悪品撲滅のために、代理店に対するムチ≠フ政策もある。仮に代理店がニセモノやコンパチ品、密輸入(横流れ)製品をエンドユーザーに販売するようなことがあれば、代理店資格は剥奪、当年の売り上げもゼロとして扱われ、売上額に応じて支払われる奨励金支給の対象からも外れてしまうのだという。

 
  徹底した研修制度  
  このような厳格な罰則を設けながらも、HPは全般的に極めて良好な信頼関係を販売関係との間に築き上げているといえる。
現在、上海名源科技の技術者は、毎月2、3回新製品に関するトレーニングに参加する。また、年一回、HP本部で行われる技術トレーニングもある。高レベルの内容については、アメリカの本部でトレーニングを受けたエンジニアが講師を担当するのだという。また、代理店はHPが指定するサイト上でコミュニケーションを図ることができるほか、Eラーニングを通じて必要な知識を習得することが可能だ。
「24時間以内のトラブル解決」――それが顧客サポートにおける上海名源科技術のスローガンだ。電話サポート窓口は800用意している。代理店の技術水準は直接メーカーの利益に関わる――。そんなHPの経営判断がハイレベルの代理店育成につながっているといえるだろう。
 
     
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