| 新春特集 私はこう見る 2007年中国商流 WTO加入5年、実力つけた中国経済 |
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| 自動車 拡大する生産能力と需給ギャップ 本格的なサバイバル時代突入へ トヨタ自動車上海代表処 首席代表 東和男氏 ・急伸する完成車と部品の輸出 ・低燃費・小型車の普及進むか |
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(聞き手・編集部) |
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| 「自動車先進国」に仲間入り | |||||
| 〇六年の自動車販売台数は七〇〇万台を突破する見通しで、日本を抜いて米国に次ぐ世界第二位の市場に躍り出る。前年比では二〇%を超える伸びだ。急成長を続ける中国はすでに自動車先進国の仲間入りをしていると言ってよいだろう。
そのひとつの指標として、〇五年の時点で生産台数に占める乗用車と商用車の割合が一対一となった。さらに言えば、この統計はトヨタの「グランビア」など、ワゴン車の「九人乗り以下」が乗用車としてカウントされていない。すでに商用車の定義は変更されており、これに照らし合わせれば同年の乗用車の割合は自動車先進国のスタンダードである七割のラインに限りなく近づくことになる。 ここで忘れてならないのは、中国の自動車産業はまだスタートを切ったばかりだということ。今後、小さな波は打つだろうが、右肩上がりを続けていくというのが私の見解だ。 |
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| 目指すは輸出大国 | |||||
〇五年の時点で、完成車の輸出台数が輸入台数を上回り、中国は自動車輸出国となっている。〇六年の輸出は乗用車が一○万台、バス(三万台)とトラック(一七万台)を合わせれば三〇万台と予測され、金額ベースでは前年比で約二倍の三〇億ドルに達する。ちなみに、完成車輸入は台数、金額ともに前年比割れの見通しだ。ホンダの「ジャズ」など外資系メーカーの輸出も一部始まっているが、大半は民族系メーカーによるもので、輸出先はロシア、中東、アフリカ諸国など旧共産圏が中心となる。 部品輸出は二五〇億ドルを超える見込みで、完成車の輸出同様に前年比約二倍となっている。部品輸出の方は、本社や海外拠点向けを拡大させている外資系メーカーが牽引役だ。ただ今後は、奇瑞汽車がイランに工場を設けているように、民族系完成車メーカーの海外生産が増えるにつれて、国産部品の輸出も伸びていくだろう。 また、国産部品の品質向上は目覚しいものがあり、外資系の完成車メーカーが採用を加速している流れもある。年末に上海で開かれた自動車部品展示会では、民族系メーカーのブースに外国人バイヤーが群がっていた。「安かろう、悪かろう」の代名詞だったかつてはあり得なかった光景だ。民族系部品メーカーが国際舞台に出る前兆と捉えている。それはまた、「良かろう、高かろう」の日本の部品産業が巨大な危機にさらされることを意味する。 |
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| 低燃費・環境車への関心と課題 | |||||
| 国内の自動車市場に目を向けると、世界的な流れである低燃費・環境車の機運が高まりつつある。世界第二位の市場となった今、中国の取り組み強化はもはや避けて通れない問題となっているが、いくつか課題も見られる。
まず、当社が現地生産しているハイブリッド車「プリウス」の売れ行きが好調とは言えない状況だ。価格の壁がのしかかっている。部品の国産化などでコスト削減努力を続けているが、それにも限界がある。ハイブリッド車の普及には日本や米国などのように優遇税制が不可欠だ。政府に働きかけているが、いまだ策定のメドは立っていない。そんな中、ホンダとGMがハイブリッド車の投入を明らかにしており、当社としては歓迎すべきことだと思っている。政府の思い腰を上げさせるには、一社よりも複数で動く方が効果的だ。 次にディーゼル車だが、普及させるのは相当難しいと見ている。何より日本と同じくイメージが悪い。また、軽油とガソリンの価格帯が同じというのも大きな問題だ。ガソリン車よりも価格が高いディーゼル車を購入しても、ランニングコスト低減によるメリットが少なく、燃費の良さだけでは購入価格の差額を回収する時期が遅れてしまう。 | |||||
| 早くも市場は二極化 | |||||
| 一方、小型車や低燃費車の動きは比較的進んでいると見ていい。昨年四月から自動車消費税が大幅に改定され、一・五L以下は従来の五%から三%に減税された。また、上海では排ガス規制の「環境保全シール」や小型車の高架路通行が解禁されるなど、排ガス規制は今後全国的に広がっていくだろう。 ただ、小型車が大変有望な市場と目される中で、大型の高級車と小型のエコノミー車という二極化傾向が早くも顕在化しているのが気になる。外資系メーカーは高級車市場に傾注し、エコノミー車市場は民族系メーカーの低価格車が主流となっている。 その理由は、利益の薄い小型車を外資系メーカーが敬遠していること。また実際に、高級車の人気が高く、売れていることにある。モータリゼーションの初期において、自動車はステータスシンボルであり、高級車から売れ始めるのが通例だ。かつての日本もそうだった。とりわけ、中国人がメンツを重視することもこの傾向に拍車をかけていると言えるだろう。 だが、本来ならば小型車の省エネ・環境をはじめとする性能の高さはもっと注目されるべきである。そして、何より小型車の優れた点を世界に知らしめてきたのは他ならぬ日本メーカーだ。中国市場でも率先して取り組んでいく責任が日本メーカーにはあるのではないか。 | |||||
| 過当競争から淘汰の時代へ | |||||
コピー車の問題は、その筆頭に挙げられるだろう。先の北京モーターショーでも話題のひとつとなり、トヨタ車そっくりの車も多数展示されていた。対策に乗り出してはいるが、抜本的な解決策はなかなか見えてこないというのが現状だ。 また、生産会社と販売会社の系列が統一されていることも障壁のひとつだ。当社であれば、一汽トヨタ、広州トヨタ、輸入車、レクサス、と四つの販売チャネルがあり、例えば広州トヨタで生産した「カムリ」は、一汽トヨタの販売店で売ることはできない。データ管理など含めて販売効率が悪いばかりか、同じトヨタの看板を掲げながら、消費者にとってわかりにくいという問題がある。この規制を巡って、昨年はマツダの「Mazda3」が生産・販売停止に追い込まれる事件もあった。 これら問題の根源は、自動車市場の過当競争にある。中国には自動車メーカーが一二〇社あると言われ、特に乗用車においては四〇社近いメーカーが輸入車も含めて計四〇〇車種を販売している。モデルチェンジも含めて年間に投入される新型乗用車の数は七〇〜八〇車種に上る。生産能力過剰の傾向は年々深刻化しており、今年の生産能力見込み台数が八六〇万台であるのに対して、実需予測は最大でも五〇〇万台以下だ。 こうした状況の下で、今年から本格的なサバイバルが始まる。激しい競争の中で、淘汰されるメーカーも少なからず出てくるだろう。 |
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