上海ウェネバーオンライン
中国(上海・北京)生活情報満載!!
特集
新春特集 私はこう見る
2007年中国商流
WTO加入5年、実力つけた中国経済
 
特集1   特集2    特集3   特集4    特集5   特集6    特集7   特集8  
 
  運輸
中国を軸に活発な荷動き続く 欧米向けコンソリサービスも激化
商船三井(中国)有限公司 董事長兼総経理 東郷修平氏
・洋山港の恩恵受ける寧波港
・拡大する自動車輸出への対応強化
 
 
東郷修平氏
旺盛な貨物需要に支えられて海運業界の活況が続いている。開港1年を迎えた洋山港ではフェーズ2が稼動を開始し、上海港全体のコンテナ取扱量は2000万TEUを突破した。コンテナ貨物だけでなく、エネルギー輸送や自動車輸送も今後さらなる拡大が見込まれる。ベトナムやインドの台頭はあるものの、中国は引き続き活発な荷動きの牽引役を担っていくだろう。
(聞き手・編集部)
 
  貨物需要の拡大に沸く海運業  
  コンテナ船と鉄鉱石など資源輸送のバルク船という二つの柱がともに好調で、業績に大きく貢献している。
〇六年九月の中間決算は原油高に伴う燃料費の高騰などが収益圧迫要因となったものの、貨物需要が拡大していることに変わりはなく、今後の見通しは良好だ。原油高もひと段落したほか、年初にかけて欧州航路で下落したコンテナ船運賃も回復すると見ている。
むしろ、船隊の増強を急がなければならない状況にある。海運各社は船舶調達への投資を拡大させており、当社ではすでに発注していた新造コンテナ船が今年から来年にかけて相次いで完成する予定だ。これで 船舶のスペース不足は改善し、新たな需要を取り込むことができる。これをもとに、今後三年で取扱高を倍増させる計画だ。
 
  増加する欧米向け中国出し貨物  
 
この活発な荷動きの中心にいるのが中国だ。「世界の工場」としての位置づけをより鮮明としているのに加えて、粗鋼生産量の増加に伴う輸出の拡大、鉄鉱石や石油などエネルギー資源の輸入増加などにより、海上荷動きの量は年率一〇〜一五%で伸びている。
アジア発の欧米航路の荷動きを見れば、中国が全体の伸びを牽引しているのは明らかだ。北米航路では香港を含めた中国出し貨物がすでに七割を占めるに至っている。日本は横ばいで一割にも満たない。
中国発欧米向けの貨物が増えているのは、ウォルマートに代表されるように、欧米企業が中国での資材・商品調達の動きを加速させていることが背景にある。
これを受けて、小売業者などに代わって複数工場で生産された商品を買い集めて混載輸送する「買い付け物流」のニーズが高まっている。少量・多品種の小口貨物を混載することで、個別輸送よりも効率的で輸送費の削減に寄与できる。当社グループでは、スウェーデンのIKEAや米ウィルソン・スポーツにサービスを提供している。
これまで中国での同サービスは資本関係のある上海の代理店を通じて展開してきたが、フォワーディング会社の規制緩和を受けて、事業部門を分離させる形で独資法人を新設した。すでに活発に活動している競合他社もあり、今後一層力を 入れて取り組んでいきたい。また、〇五年末に近鉄エクスプレスと戦略的提携を結んでおり、とりわけ「買い付け物流」はシナジー効果が期待できるところだ。
 
  上海港の強みと課題  
 
洋山深水港のフェーズ2が稼動を開始した。フェーズ1の開港から一年が経ち、当初懸念されていた風や霧によるクローズは毎月数日出てはいるものの、上海外高橋港でも同様の頻度で起きており、とりわけ目立った問題にはなっていない。インフラや運営オペレーションも順調に進んでいると言ってよいだろう。
かといって、課題がまったくないわけではない。われわれ船会社からすれば、外高橋は北米/アジア向け、洋山港は欧州/南米向けと航路によって港を振り分けられているため、例えば上海を中継港としてコンテナを積み替える時に不自由がある。
また荷主側にとっては、工場から港まで距離があるため、その分トラックの運送コストが負担になる。このため、すでに近隣の寧波港に流れているところもあるようだ。〇八年には杭州湾大橋の完成も予定されており、蘇州や昆山などから寧波へのアクセスは格段に上がる。寧波港が今後、存在感を増してくるのは間違いないだろう。
ただ、洋山港を含む上海港の地位は揺るぎないものがある。〇五年のコンテナ取扱実績は寧波港が四〇六万TEUだったのに対して、上海港は一八〇八万TEUだ。シンガポール、香港に次ぐ世界第三位の規模を誇り、〇六年は年末を前に二〇〇〇万TEUを突破している。洋山港の巨大インフラに加えて、内陸部から小型船で長江を下る貨物の量が増加傾向にあることも今後の成長要因のひとつだ。
国内のその他の港湾を見ると、自動車産業が集積する広州に注目している。広州港のひとつで自動車専用船の寄港地である新沙港のターミナル会社に出資する方針だ。すでに自動車の積み出しや輸送中のラッシング(固縛)などの技術供与を行っている。まずは民族系メーカーの輸出から取り込んでいく計画だが、同港ではホンダの欧州向け「ジャズ」の輸出も始まっており、将来的にはトヨタや日産にも輸出の動きは広がっていくはずだ。
 
  譲らぬ荷動きの牽引役  
  課題を挙げるとすれば、船隊拡大に伴う船員需要への対応をどうするかという問題だ。すでに船員不足の傾向にある中で、コストの高い日本人ではなく、外国人船員の育成を急いでいる。
当社は世界各地の海事大学に将来の船員幹部候補を育成するための「MOLクラス」を設けているが、昨年はCOSCO大連と提携して大連海事大学に開設した。活発な荷動きを支える中国は、人材の宝庫としての期待も大きい。
昨今は中国と並んで、インドやベトナムの荷動きも伸長が著しい。ベトナムには昨年七月に全額出資の現地法人を設立した。現在のところ、日本の海運会社で一〇〇%出資の現地法人は一社しか認められておらず、アドバンテージは大きいとみている。  
ただ、中国の荷動きが減って、インドやベトナムに流れるとは考え難いのではないか。中国は経済成長を原動力として、今後も旺盛な貨物需要は続くとみている。当社の三カ年計画においても中国関連の荷動きがカギを握ることになるだろう。
 
  アメリカ東海岸航路を新設
洋山港フェーズ2が正式オープン
 
  洋山深水港の開港1周年記念とフェーズ2のグランドオープン式典が12月10日、開催された。
フェーズ1の5バースは開港以来、11月末までの約1年間で300万TEUを突破し、年間取扱能力の220万を超えている。本格稼動を開始したフェーズ2は、4バース(7〜10万t級)で年間取扱能力は210万TEU。すでに10月から南米航路を新たに増加しており、フェーズ2では年初からアメリカ東海岸航路が追加される。
また、2012年に完成予定のフェーズ3もすでに着工しており、100億元を投じて7バース(年間取扱能力400万TEU)を建設する計画だ。完成すれば既存設備と合わせて、世界最大の処理能力を持つコンテナ港となる。
提供:第一財経日報 洋山港に停泊する商船三井(MOL)のコンテナ船
 
 
  特集1   特集2    特集3   特集4    特集5   特集6    特集7   特集8