| 新春特集 私はこう見る 2007年中国商流 WTO加入5年、実力つけた中国経済 |
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| 投資動向 投資の主流は非製造業へ 日系企業の課題はブランド確立 日本貿易振興機構(ジェトロ)上海センター所長 薮内正樹氏 ・「第3次ブーム」は終焉!? 非製造業が投資の主流に ・高まるアウトソーシングの重要性 |
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(特別寄稿) |
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| 第三次対中投資ブームは終焉 | |||||
広州周辺への自動車関連メーカーの急速な進出を中心として〇五年まで拡大を続けた日本も、〇六年一〜九月には三〇%減。一四の沿海都市が開放された後の八〇年代後半の第一次対中投資ブーム、改革開放政策の加速による九二〜九七年の第二次ブームに続き、〇一年から始まった第三次ブームは過ぎ去りつつある。今後は、旺盛な需要が続く半導体、液晶、素材などを除く製造業はスローダウンし、金融、保険、物流、流通などの非製造業が主流となるだろう。製造業においても、製造部門は一段落 し、販売、サービス、開発など間接部門の充 実に重心が移りつつある。 第三次ブームが終わろうとしている背景としては、 ・進出すべき企業は進出を終えたこと ・人件費や諸コストの上昇、人材確保難、 土地、電力、水の制約など投資環境の変化 ・外資優遇政策の見直しが進んでいること ・長期的に人民元切り上げが進むこと などが上げられよう。 外資優遇政策の変化としては、 ・労働集約型、汚染型などを歓迎しない外資の選別が始まったこと ・外資と国内企業の法人税の一本化が検討されていること ・労働者の権利保護や環境規制が強化されていること などがある。 また、中国への一極集中はリスクを高めることが意識されるようになっている。そのリスクの中には、製造拠点の集中が中国の輸出を急増させ、中国と海外との貿易摩擦が増大していることも含まれる。主要な輸出先市場に製造拠点を分散させれば、中国の貿易摩擦に巻き込まれずに済む。 |
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| 〇七年成長の持続可能性 | |||||
| 〇三年以降、中国経済は実質成長率が一〇%を超える高度成長を続けている。市場参入が主流となった外資企業にとって、中国の経済成長は持続可能かどうかが関心の的となろう。
中国のGDPの内訳を見ると、固定資産投資四一・五%、民間消費三八・〇%、政府消費一三・九%、純輸出(輸出から輸入を引いた額)五・五%となっている(〇五年)。民間消費の比率は、タイ、日本の六〇%台と比べると相対的に低い。伸び率を見ると、固定資産投資二五・七%増、民間消費一二・九%増で、中国の経済成長は固定資産投資が牽引していることが分かる。 民間消費が低い理由としては、社会保障制度の未確立、住居、医療、教育の負担増により、消費者が消費に慎重なためと言われている。中国の消費の高度化が世界の注目を集めているが、これは都市住民の約一〇%を占める富裕層の現象である。固定資産投資の中で、不動産投資は過熱化して住宅価格を押し上げ、設備投資は生産過剰をもたらしている。工業製品の七割が生産過剰だといわれ、この状態は五〜六年続いている。国有企業など地政府との関係が強い中国企業が国有銀行の支援によって延命を続けているためで、過剰となった製品は輸出に回って帳尻を合わせている。 貿易の六割弱は外資企業によるが、製造拠点を中国に移した外資企業と、輸出ドライブをかける中国企業の双方により、中国の輸出総額は〇二年以降、毎年二〇〜三〇%の拡大を続けている。そうすると、輸出市場の飽和や米国の景気後退によって中国の輸出の伸びが止まると、中国の高度経済成長は終わる可能性がある。輸出の伸びが止まっても中国の成長が持続するためには、民間消費が大幅に拡大する必要があり、そのためには農民や中間層の所得向上、社会保障制度の充実などが喫緊の課題である。 中国政府は今、農村の振興や格差是正を最優先課題として取り組んでいる。富の分配の比重を投資から賃金へ移し、民間消費を拡大できるかどうか、毎月発表される統計数字が注視される。 | |||||
| 中国市場に挑む日系企業の課題 | |||||
WTO加盟後、大競争時代に突入した中国市場で売り上げを伸ばすためには、価格競争への対応とブランドの確立が重要である。特に中国ではブランドの確立が需要で、ブランドは商品そのものと同時に企業イメージによって構成されると言われている。 ブランドを確立しながら価格競争へも対応するためには、新製品の研究開発に注力すると同時に、部品調達や加工、組み立てのアウトソーシングが必要である。アウトソース先としては、コスト競争力と技術習得力を兼ね備えた中国企業が有力だと思われる。アウトソーシングのパートナーとしての中国企業がさらに育つためには、在来技術を積極的に移転したほうが得策である。中国企業の成長は、研究開発を維持する日本企業にとっては脅威ではなく、むしろ歓迎すべきことだろう。 企業イメージの向上は、欧米企業に比べて日本企業が最も努力すべき課題である。企業イメージ向上に必要なのは、社会に貢献する良き企業市民となることだ。社会貢献を構成するのは、雇用創出、人材育成、良い商品の提供、技術移転、省エネ・省資源、社会貢献活動、法令順守と情報開示であろう。 人材育成は、管理人材への教育はまちまちだが、最初の二〜三年間に行うオンザジョブトレーニングは日本企業が得意とするところである。技術移転は、部品や加工、組み立てのアウトソーシングを通じて行われている。省エネ・省資源に関する日本企業のレベルは世界最高であり、社会貢献活動も、多くの日系企業が取り組んでいる。こうして見ると、日本企業の社会貢献のポイントは高いと思う。 ところが、日本企業に欠けているのは、自分の良い点を積極的に社会にアピールすることである。良い点も悪い点も噂になって伝わる狭い日本と違って、外国では、自ら主張しなければ無視されてしまう。社会貢献を企業理念として明確化し、他人にアピールするつもりで点検し、まず従業員に徹底し、そして社会にアピールすることが必要である。良き企業市民としての理念が徹底すれば、従業員は誇りと喜びを持つことができる。この誇りと喜びは、優秀な人材の転職を防ぐことにも効果を発揮するだろう。 |
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