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特集・オフィス通販市場
来年にも競争本格化
日系は独自路線で手法を模索
 
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  中国の市場動向を語る
アスクル上海代表処 千代亨 首席代表
市場形成はこれから
各社独自の仕組み作りが必要
 
 
 
千代亨 首席代表  
黎明期を経て、市場が形作られはじめたと見られるオフィス通販。将来性はあるものの実際の業務を手掛けるには、商品の価格競争や、インフラ、体制構築に利益を確保する難しさがある――。日本で業界最大手のアスクルはマーケットリサーチの段階で、現時点ではまだサービスを開始していない。独自のノウハウで日本のマーケットリーダーとなっている同社は現在の中国、上海のオフィス通販市場をどうみているのか。上海代表処の千代亨首席代表に話を聞いた。
 
  主な外資は進出、プレイヤーは出揃った   
  中国、上海におけるオフィス通販の市場についてどういう印象を持っているのか。  
  「オフィス通販という業態は、発展の可能性はあると感じている。ただし、上海においてでも流通業はシステム的にはまだ完全に成立していないといえる。日本では流通システムは規制に守られながら整備されてきた歴史があった。また当時は『通販』に必要なインフラが整っていたからこそ、日本ではアスクルのような業態が成立、成功できたといえる。中国では中国のシステムに見合ったオフィス通販の仕組み作りが必要になってくる」  
  すでに日系企業、外資系企業が中国の市場に参入し、足がかりを築こうとしているが  
  「ステープルズにオフィスデポと、主な外資系企業は出てきており、プレイヤーは出揃ったといえる。とはいえ、外資系企業は広告宣伝費を大々的に使っているし、未だ業態認知のための投資時期という観がある。各社とも利益を出すのには苦労しているのではないか。中国の文房具・オフィス用品市場という枠組みで見れば、乱売合戦の最中で価格破壊されつくしているようだ。例えば、中国ではたった一元のボールペンが売られている。まだまだ安かろう悪かろうの世界ともいえ、中国の消費者はまだ安い物を求めている雰囲気がある。日系企業の持つ品質という切り口だけではなかなか簡単には切り込めないだろう」  
  中国ではカタログ通販という手法は一般にはそれほど認知されていない。オフィス通販という考え方についても、日系、外資系企業や一部中国企業を除くと、まだまだ浸透していないのではないか。  
 
 
制作ノウハウに評価の高いアスクルの通販カタログ(写真は2006年春・夏号)  
「利便性の観点ではオフィス通販のニーズがあることは間違いない。中国では電話ひとつすれば、町の文房具屋がペン一本でも持ってきてくれる。その際に別のものも頼めば買ってきてくれる。しかも、それは当社の社名の由来となったアスクル(明日来る)ではなく、すぐ来るだ。日本とは違い中国にはまだまだ御用聞きが存在し、そのあたりもオフィス通販が参入する難しさがある。一方で、そのような形に慣れているともいえ、先々に中国企業の会社組織としての整備化が進み、備品の購入などがシステム化すればオフィス通販も受け入れられるようになるだろう」
 
  業務の効率化、利益確保の難しさ  
  上海において、個配による物流インフラは整備化されているのか。現状のインフラの中で特に問題になることは。  
 
 
アスクルのECサイト  
「上海にも外資を含めた個配業者は存在するが、現状ではコスト面の折り合いがつかないのと、サービスレベルの点で問題がある。事業採算性と業務の効率化、利益確保の観点でなかなか難しい。現状では、例えばステープルズのように自社で物流体制を構築して、効率化を図るしかないのだろう。固定費がかさむが一番妥当なやり方だといえる。また、個配業者に任せると、タバコをくわえたまま、お客様のオフィスに商品を届けに入ったり、商品を乱暴に扱ったりするような問題も発生する。商品がちゃんと届くか心配でもある。顧客サービスに腐心する通販的な考え方にはまだまだそぐわないサービスレベルの感もある。日系企業がその部分で神経を使っている一方で、外資系企業にしてみれば、ステープルズとOA365、オフィスデポとアジアECが資本提携しているように、われわれ日系企業のような企業文化や独自性を守るのとは違う動きもある」
 
  既に出揃ったともいえるコンペティターの中でどう差別化を図っていかなければならないのか。  
 
 
   
「オフィス通販という市場の括りを見ているだけでは成功するのは難しいだろう。中国ではコンペティターの定義が難しい。カルフールなどのリテイラーから、先行するオフィス通販各社、町の文房具屋までと、価格帯、サービス内容を問わず、われわれのコンペティターは幅が広い。その中で生き残っていくためには、事業の様々な分野でパートナーと提携し、費用対効果を追求しなければならないだろう。当社の事業コンセプトである『機能主義』、いわば餅は餅屋に任せるような戦略が必要になるだろう。先々には、サービスのブランド化が必要になり、単にカタログで売るだけではなく、オフィスのサポートや提案型のサービスによる差別化も必要になっていくだろう」
 
  今後、徐々にオフィス通販市場が形作られていくことになる。  
  「中国におけるオフィス通販市場は、まだまだこれからといった感じだろう。ただし、上海には数多くの零細企業が存在するし、それらが会社としての整備を整え、規模を大きくする中で、状況は大きく変わってもいくだろう。もっとも、現状では、商品購入担当者は価格やサービスを比較しないし、商品の価格そのものには反応はするものの、トータル的なコスト意識は高くはない。その中で、オフィス通販事業者は、商品の魅力をどのようにアピールしていけるか関わってくるのではないか」  
 
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