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特集
自動車部品市場概論
巨大製造・販売基地に脱「系列」の波
  何層にも及ぶ自動車部品の世界。その供給体制はゆるぎのない「系列」の中で築かれるのが、もっぱら「世界の 常識」とされる時代があった。しかし、中国市場の実態は「系列」破壊。「売る」「買う」双方が自由な市場競争のもとで深慮遠謀を演じている。臨機応変にサプライヤー選択を行い短期間に業績を急伸させたGMのみならず、より効果的な部品「現地調達」は進出メーカーにとって経営上の至上命題となっている。一方、年率15〜20%という急成長の軌道にありながらも、中国国内部品業界には優勝劣敗の荒波が襲いかかる。今号では自動車の巨大製造・販売基地の舞台裏、部品業界を見ていく。
 
   
 
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  市場規模の拡大と競争激化が進行 「現地調達」「販路拡大」に賭ける進出企業の思惑
ジェトロ特報
 
 
 
ジェトロ上海・花田副所長
自動車部品の「現地調達」と「販路拡大」を経営課題に掲げる日系自動車部品・材料企業へのサポートを目的とする大型イベント、「日系自動車部品調達・販売展示商談会(上海)」(ジェトロ、上海市経済委員会、中国国際貿易促進委員会上海市分会主催:略称「JAPPE2007上海」)が〇七年三月七日から九日にかけて上海世界商城(上海マート)で開かれる。「JAPPE2007上海」開催のねらいやイベント成功に向けた抱負、中国の自動車(部品)市場の着眼点等についてジェトロ上海・花田美香副所長に語っていただいた。
 
  Q 中国の「自動車部品」市場についてはどんな見方をされていますか?  
 
  「中国汽車工業年鑑」より
自動車部品の市場規模がとてつもなく大きいことは昨今の各自動車メーカーの増産体制を見ればそれは自ずと分かるでしょう。
トヨタは〇四年から広州でも生産プロジェクトを開始、当初の年産一〇万台という目標を三〇万台に引き上げています。天津では〇七年に五〇万台を見込んでいます。ホンダは〇六年九月に乗用車第二工場を稼動し、中国での生産能力は五三万台に拡大しました。日産も広州工場の生産能力を今年年末までに二七万台に引き上げるといわれています。
こうした増産の動きに伴い自動車部品のニーズも拡大し、エンジンや変速機など現地生産が難しい川上の部品において輸入が増加しているほか、幾多の部品企業が続々と中国に進出を果たすようになりました。大手部品メーカーの一次サプライヤーのみならず、プレスや機械加工、鋳造など二次、三次サプライヤーにいたるまで、具体的な統計数値はありませんが、広州を例にとれば数百社もの日系部品メーカーが進出しているといわれます。
 
  Q 発展空間が大きく魅力的な市場であるとはいえ、進出企業はさまざまな経営課題を抱えているといわれます。  
 
  「中国汽車工業年鑑」より
競争力強化のためにいかにコストダウンを図るかは、自動車部品メーカーに関わらず、製造業全般にわたっての至上命題となっているといえるでしょう。  
ジェトロが〇五年一一月から〇六年一月にかけて実施した中国日系製造業アンケートでは、自社の競争力アップのための課題として「現地調達率のアップ」が第三位にあげられています。
アンケートでは輸送用機器における現地調達率は六六・七%。この数値を高いと見るか低いと見るか――。日本大手自 動車メーカーによれば車種によって現地調達率は八割とも九割とも言われますが実際はどうでしょう? 現地に進出している日系の部品メーカーから部品を調達しているといっても、その部品を構成する部品、素材などの出所を考えると「現地調達率」は五割にも満たないのが現状ではないでしょうか。
なお、今後の部品調達先として中国国内で行うと回答した企業は八九%にのぼり、大多数の企業が「現地調達」率を高めていく意向であることが分かります。安い現地素材や部品を使って生産コストを下げ、効率的な生産のために納入時間の短縮をはかっていくことがそのねらいといえます。
 
  Q 日系企業の現地企業からの部品調達拡大を支援するためのイベント「JAPPE」が過去二回、広州で行われましたが、成果はいかがでしたか?  
  出展企業は昨年が八七社、二回目の開催となった今年は二一九社を数え大幅に増加、来場者も中国ローカル部品企業を中心に昨年が一万一五九二名、今年が一万三八四一名というように前回より大きなプレゼンスを見せることができたといえます。
日系完成車メーカーのトップ3が生産拡大を続ける広州で自動車部品にテーマをしぼったこともあり、「効率よく商談に結びつくことができた」「香港や台湾といった地域からの企業とも調達商談ができた」等、参加者・出展企業からは好評でした。開催期間中、約二〇〇件の商談を行ったという出展企業もあったほどです。
一方、地場企業のレベルがまだ低いことを指摘する声も聞かれました。(ジェトロが実施した)日系企業向けアンケートでは、現地調達を増やすために必要なこととして「現地サプライヤーの品質向上(九一・八%)」「現地サプライヤーの納期厳守(四五・八%)」「現地サプライヤーのコスト削減(四一・八%)が挙げられています。
 
  Q 来春は上海で開催。今回のセールスポイントは何ですか?  
  〇五年の上海の自動車生産台数は北京、吉林省についで四八・五万台。江蘇省、浙江省を含めると九一・七万台に達します。フォルクスワーゲンやGMも増産計画をもっており、「民族系」の奇瑞汽車(蕪湖)や吉利汽車(寧波)なども近隣にあることから、部品調達ニーズが極めて高いエリアであるといえます。  
中国の自動車メーカーは、自社ブランドの開発、海外輸出を目指しているものの、基幹製品を自前で製造することはなかなかできません。Visteon、Delphiといった外資大手サプライヤーからも供給を得ているのが実態でしょう。なお、これら大手サプライヤーは、部品の輸出基地として中国を見ており、今後も部品調達と販路拡大の動きをより活発にさせていくといえます。  
「JAPEE2007上海」では、「調達」を目的とするバイヤーゾーンのほかに、自社製品を販売したい企業のためにサプライヤーゾーンも設けました。大きな特徴として挙げることができるかと思います。
 
  Q 最後に読者に向けてジェトロからアピールされたいことがあればお願いします。  
  ジェトロが実施したアンケート結果によれば、日系企業の抱える問題としては、優秀な人材確保やジョブホッピング、電力不足問題や人件費等のコストアップなどがあります。今後、現地地場企業とのビジネスが拡大していく中で、模倣品対策や売掛金回収問題などもさらに多くでてくると思われます。
模倣品については、ジェトロでも企業からの相談に対応したり、現地政府への働きかけを行ったりしていますが、デザインやロゴマークのみならず部品分野でも模倣製品は随分と出てきています。組立工場をおさえたとしても更にその下請けの部品が模倣されているなど、川下に行くほど模倣の立証や流れを断ち切ることが難しいのが実態です。
ジェトロでは、進出企業支援センターを各センターに立ち上げています。「駆け込み寺」としてぜひ利用してほしいと思っています。
 
  出品者募集締め切り迫る!  
 

  ※枠内写真は「JAPPE2006広州」 (ジェトロ上海提供)
2007年日系自動車部品調達・販売展示商談会(上海) ーJAPPE2007ーJapanese Auto Parts Procurement & sales Exhibition 2007 (Shanghai)
■会期 2007年3月7日(水)〜9日(金)
■会場 上海世貿商城(上海マート)1階  (上海市興義路99号)
■主催 日本貿易振興機構(ジェトロ)、上海市経済委員会
■予定規模 4,000u・100社・150ブース
■出品申込締切:11月24日
■問合せ先:
日本貿易振興機構(ジェトロ) 上海センター 担当:高尾、斉藤、高
http://www.jetro.org.cn/jappe/
TEL: (021)6270-0489 ext 1520(日本語)、1505(中国語)
FAX: (021) 6270-0499
上海市延安西路2201号上海国際貿易中心319室
 
 
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