| 中国人海外旅行事情 熱帯びる誘客″戦 | ||||||||||
海外旅行市場が揺籃期を脱した。近年、旅行目的国/地域は多様化する傾向で、多くの国/地域に中国人観光客誘致のチャンスが巡ってきている。莫大な経済効果が期待できる中国人観光客の誘客に向け、世界各国/地域は観光資源のPR活動に励む。ビジットジャパンキャンペーンを掲げる日本も積極的だ。世界から熱い眼差しが注がれる海外旅行シーンに迫った。
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| 年率150%で伸びる海外旅行者数
誘致に世界各国が動く |
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| アジア最大の海外渡航者数 | ||||||||||
観光を基幹産業に育てようと、インバウンド(外国人の国内観光)のテコ入れに力を注ぐ中国政府だが、一方のアウトバウンド(中国人の海外旅行)も非常に好調である。成長率ではインバウンドをしのぐ勢いだ。中国国家旅遊局によると、二〇〇六年、インバウンドは前年比八%増の一億三〇〇〇万人、アウトバウンドは一〇%増の三四〇〇万人が予測されている。 経済発展に伴う所得向上で、都市部の中産階級にとって海外旅行は高嶺の花ではなくなった。ビジネスと観光目的を合わせた海外渡航者数は、〇五年が三一〇〇万人で、今年は三四〇〇万人が見込まれ、ここ一〇年間、二桁の成長を続けている。〇三年には、日本を抜き、アジ ア最大の海外渡航者数を記録した。 海外渡航者数に占める私用旅行の割合をみると、二〇〇〇年五三・八%(五六三万人)だったのが、〇三年は七三・二%(一四八〇万人)、〇四年は七九・六%(二二九六万人)と、年々比率を高めている。〇三年から〇四年は、一五〇%の伸び率を示した。 世界各国は、莫大な経済効果を期待し、急増する中国人観光客に熱い視線を注ぐ。中国に置く大使館、領事館、観光局には、観光PR部門が設けられ、種メディアへの広告展開、大型イベントへの参加など、中国人観光客の誘致へ向け、活発な動きを見せている。 |
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| 新馬泰時代から多様化へ | ||||||||||
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これまで中国人観光客の誘致で最も成果を上げてきたのが、シンガポール、タイ、マレーシアの三カ国だろう。タイは八八年、シンガポールとマレーシアは九〇年に先陣を切って観光ビザを解禁している。新馬泰(シンガポール―マレーシア―タイ)周遊は、中国で長く海外旅行の主流となった。 その後、オーストラリア(九九年、一部地域のみ解禁)、ニュージーランド(九九年、一部地域)、韓国(九八年)、日本(二〇〇〇年、一部地域)とビザ解禁が続く中で、海外旅行市場は新馬泰周遊時代から多様化の時代へ移行。〇四年にEU各国でも解禁が実現したことで、その傾向により拍車を掛けている。 |
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| 中国三大旅 行社に訊く 海外旅 行市場の今 | ||||||||||
中国人向けの国内旅行市場が安売り°」争で厳しい環境にある中、弊社は外国人のインバウンドと中国人のアウトバウンドを対象にビジネス展開しています。 渡航先で人気なのが、タイ、シンガポール、マレーシアです。昔は3カ国と香港地区の周遊が人気でしたが、現在は1、2カ国を回るのが主流になっています。 日本への旅行者も増えています。今年7月、はじめて1カ月間の旅行者数が1,000人を超えました。これは、イタリア客船・コスタ(詳細27頁)の影響が大きいです。 現在、アウトバウンド部門の売り上げ構成比は、全体の3分の1ですが、今後はもっと大きくなると期待しています。 |
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東南アジア3カ国をはじめ、日本、韓国、オーストラリアへの旅行を得意としています。 東南アジアで一番人気なのがタイです。理由は、物価の安さ、旅行環境が整備されている(ガイドが多い)、見所がたくさんある、ビザの取得が容易、などです。 日本への旅行者は、今年7月、800人でした。昨年は合計2,800人、今年は3,000人を超えるでしょう。昨年上海から団体観光ビザを利用して日本を旅行されたお客様は2万6,000人。その10分の1の方が弊社を利用したことになります。 今後、アウトバウンド事業をアジアからヨーロッパ、アフリカまでバランスよく発展させるつもりです。 |
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海外旅行に強い旅行社で、アウトバウンドが6割を占めます。上海から年間4万人のお客様海外に送り出しています。 海外旅行のパッケージは、個性化が進んでいます。お客様の要望を反映させ、商品はどんどん増えています。 一番力を入れているのがヨーロッパ旅行で、フランス、スイス、イタリアへの周遊が人気です。ヨーロッパへのお客様は、東南アジアや日本へ弊社を利用して旅行したことのあるリピーターが多いです。 日本旅行のお客様は、今年7月は400人でした。富士山、新幹線、日本料理、温泉の4つが盛り込まれたパッケージが人気です。 |
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| データが映す中国人観光客像 ※グラフの海外渡航者数には香港、マカオ地区への出境旅行者も含まれている |
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「上海が北京、広東の後塵を拝す」 海外渡航者を出身地別で見ると、東部沿岸の北京、上海、広東の3大都市に集中している。興味深いのは、最も経済発展を遂げる上海が三位(11.78%)。一位は北京29.93%、二位は広東21.97%と並ぶ。日本への旅行者は6割が広東出身者といわれる。 海外旅行者世帯月収別分布 「海外旅行者の主流は世帯月収一万元レベル」 海外旅行者の一世帯当たりの月収は、一万元以上が半数を超えるものの、海外旅行が庶民にも手の届く娯楽となっているのが分かる。因みに『中国出境旅遊発展年度報告2005』によれば、海外旅行者の職業で最も多いのが会社員(24.5%)。2位が会社経営(20.9%)、続いて学生(9.7%)、役人(8.8%)と続く。
旅行先での消費分布 「中国人観光客は“ 上客” 揃 い!?」 旅先の支出で最も大きいのが買い物(29.2%)だ。2005年、米国のリサーチ会社ACニールセンと世界免税協会が共同で発表したところによると、中国人海外旅行者の一回の旅行での平均ショッピング総額は987米ドルで世界一位。消費対象は一位がブランド品(53%)、次いで化粧品となった。 |
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| 高まる「自由旅行」ニーズ。サイト販売勢力は三つ巴? | ||||||||||
業界筋によると3〜5年後には団体旅行と自由旅行は市場を二分するという見方もある。自由旅行ブームの後押しをしているのが、携程(C-trip)やe龍などの旅行サイトだ。両者の業績は好調で、旅
今年3月、上海エリアで優勢を見せる携程と北京を本拠とするe龍という二大巨頭の隙間を縫うかのように、第三の勢力が突如として現れた。マンゴ・ネット(http://www.mangocity.com/)である。ドメイン名はman+go+city≠フつづりと果物のマンゴを引っ掛けている。香港の中旅集団の投資によって設立、10億元もの運営資金をバックに開設4カ月で頭角を現す。業務量においてすでに業界3位につけているといわれる。 同サイトの躍進を可能としているのは潤沢な資金力の裏づけのみならず、香港中旅傘下にある数百におよぶ旅行社営業店のネットワークにある。チケットの予約受注後、マンゴ・ネットは配達のために大量の人員を配備する必要はない。集団傘下にある香港中旅、招商国旅らの人員を充てればよいからである。 自由旅行の隆盛、それによって旅行社の勢力地図は今後も変化を続けていくことだろう。旅行サイトもまた、提供する旅行商品の「個性化」に力を注ぎ、ライバルブランとの「差別化」「個性化」にしのぎを続けていくと見られる。 |
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