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チェーン展開に挑む 外食ブランドの勝算
 
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  この台資ブランド に注目!
グルメ≠超えた生活提案℃Y業の展望
 
  外食市場の規模では広州を抜いて大陸一の都市となった上海。近年の飛躍的な成長を支えるのが台資ブランドである。先進的な経営理念と飲食文化の導入によって、グルメ℃Y業の領域にとどまらない生活提案℃Y業というべき市場を構築している。

新たな喫茶店ブランドが六月末、上海に上陸を果たした。
春水堂――アイスティー文化の草分け的存在として台湾地区で 三〇近くの店舗を擁する喫茶店チェーンである。
元祖シェイクミルクティー(泡沫紅茶)、そしてタピオカ・ミルクティー(QQ茶、真珠茶)の本家本元――こうした形容を用いて説明するのが手っ取り早いかも知れない。台湾地区への旅行者たちが一度は足を運ぶ代表的な観光スポットになっているともいわれる。
創始者である劉漢介氏は、八〇年代初頭、日本に旅行中、喫茶店でシェイカーを使ってアイスコーヒーを作る光景を見る。その製法は中国茶にも応用できるのではないか――このひらめきから「泡沫紅茶(シェイクミルクティー)」が誕生したのだという。
また、瓢箪からコマというべきか、従来からデザートとして食べられていたタピオカを泡沫紅茶と合体させ「珍珠茶」をラインアップに加えた。
以上が、「春水堂」の名を台湾に広めることとなった二つの人気商品の開発にまつわる逸話である。
 
 

 
  「禁煙、トランプ禁止  
 
「春水堂」上海旗鑑店内
さて、「春水堂」ブランドの大陸でのチェーン展開を担うのが、関連会社アイス・ティー・インターナショナルよりフランチャイズ権を得たフィリピンのジョリビー・フード(快楽蜂集団)である。
「永和大王」を買収したことでも知られる同集団は、傘下のブランドを合わせ国内外の店舗数は一〇〇〇店舗にも及ぶという、フィリピン外食最大手である。
「スターバックスに対して果たし状?」「五年で三〇店舗展開」「ジョリビー、大陸で多ブランド戦略」……。
名門ブランドの合作という鳴り物入りでの旗艦店のオープンを、中国国内のメディアはこのように報じ、今後の店舗展開に熱い視線を注ぐ。
「お茶は三〇〇〇年の歴史を持った東洋文化の真髄。中国では異なる王朝でそれぞれ独自の飲み方が発達しました。イギリスの紅茶文化も一八世紀の中国に源流があります。こうした歴代の文化と密接な関係を持つところに通常の飲食産業との違いがあるのではないでしょうか」と寥斉・項目経理は春水堂の店舗コンセプトについて説明する。
ターゲット層については「老若男女の区別はない」(陳星元・市場総監)としながらも、台湾地区では二〇代から五〇代が中心という。「禁煙、トランプ禁止」を理念として標榜するためか、どちらかといえば女性客が占める割合が高い。また、多店舗展開で先行する「一茶一坐」が食事をメインとすれば、「春水堂」は喫茶が主役という点で差別化を図る。
とはいえ、上海旗艦店は開店してまだ一カ月。「顧客の反応はもう少し観察しないと……」(寥経理)と慎重だ。それでもCBDエリアという地の利もあり、日本人をはじめ、外国人ビジネス人士の顧客も増えはじめているという。
 
  文化発揚スポット  
 
看板メニューのタピオカミルクティー
「弊店では防腐剤等をいっさい使わないなどヘルシー志向。健やかなライフスタイルを提案していくというのが私たちの理念です」(寥経理)。
陳総監も同じ思いだ。福建省に戸籍を持ちながらも、フィリピンに生まれ、カナダ、アメリカでの生活を通じて、中国の茶文化と関わることなく暮らしてきたという同氏。春水堂の大陸進出プロジェクトに加わることで、お茶の醍醐味、素晴らしさを体得したという。「バラエティーに富んだお茶の愉しみ方を多くの人に伝えたい」(陳総監)と意欲を見せる。
そのうえで春水堂がこだわるのが「文化企業」としての自店のポジショニングである。アンティーク調の木製家具にレトロな内装。軒を隣り合わせするスターバックとのコントラストも際立つ。
元々、春水堂が基盤とする台中は、数多くの大学が集まり文化・芸術の香りに包まれた個性豊かな都市として知られる。春水堂もまた、その独特の雰囲気のなかで、生け花や絵画の掛け軸、音楽等、文化を融合させたモダンな喫茶空間を創出、文化発揚スポットとしてのミッションを担ってきたといえる。
なお、チェーン展開においてはフランチャイズではなく直営式を採用してきた。お茶に対する認識、「文化的産業」に属しているという自覚等々において従業員に対する要求水準を高く設定しておく必要があるからだという。「直営式を選ばずしてはとてもコントロールができなかった」というのが寥経理の実感である。
 
  お茶を通じた「縁」  
 
斉・項目経理(手前)と陳星元市場総監
現在、台湾のチェーン店で用意するメニューは一五〇種。対して上海旗艦店は八〇種程度、半分である。したがって、店舗関係者は旗艦店の反響を見ながら、大陸の消費者の味覚に合った製品を新たに開発するなどの調整も図っていきたいとしている。
「台湾地区の人たちが茶に対して抱く感情は、日本人の茶に対する感情に似ている。お茶を通じた出会い、縁結びの場所を提供していきたい」――。寥経理はこのように日本人客に熱いメッセージを送る。
 
  中国人社員インタビュー  
  @どこの国の料理が好き? A週の外食回数は?(予算) B好きな日系チェーンは? C好きな台資系チェーンは? D大陸系チェーンの印象は?
@中華と日本食A5回(100〜300元)B桜木花道。アニメのヒーローの名前を使っていて面白い。Cいろいろ。デザート類が好き。D所変われば様変わる、多くの「味」を体験したい。 @中華と日本食A8回(200元)B味千ラーメン。安い、うまい、速い!Cあまり意識したことない。よく知らない。Dとにかく料理の種類が豊富、いろいろ選択肢があっていいんじゃない? B四季亭、元禄寿司。回転寿司の雰囲気はやっぱりいい。C青葉餐庁(油っこくなくさっぱりした味が好き)D魅力的な中国各地域のレストランは多いと思う。 @こだわりなしA2〜3回(100 元)B味千ラーメン、元禄寿司(清潔、サービスが良い、店内内装がおしゃれ)C一茶一座D種類豊富、美味しい。しかしサービス不良。ひいきのお店は、唐宮。 @中華A1〜2回(300〜500元) B味千ラーメン、吉野家(サービスが良く、清潔)C永和豆漿(大衆的で安い)D乱立状態で競争激化。しかしサービスは馬馬虎虎。ひいきのお店は、全聚徳。
 
 
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