Walker
中国最新情報満載!!
特集
チェーン展開に挑む 外食ブランドの勝算
 
特集1   特集2    特集3    特集4    特集5   特集6    特集7    特集8  
 
  中国でもこだわりの直営展開
コンセプト残し現地化を大胆に推進
モンテローザ「白木屋」「笑笑」
 
 
「香港と上海ではビジネス展開が異なる」と語る白木屋香港の富山・総経理(左)と、笑輝餐飲の松本・副係長
日本の居酒屋チェーンで店舗数、売上ともに業界ナンバーワン。その知名度と規模からすれば、香港と上海に計6店舗という現在の海外展開は意外でもある。中国では現地に即した新たなスタイルも積極的に取り入れ、こだわりの直営店で店舗拡大を狙う。

モンテローザが海外一号店となる「笑笑」香港そごう前店をオープンしたのは〇四年一一月。香港で三店舗を出店してから、昨年九月に上海進出を果たした。
そもそも同社の海外進出計画は、香港と上海で同時に動き出し、認可取得などの手続き上、先に設立したのが「白木屋香港有限公司」だった。その後、香港法人を通じて、上海に独資で「笑輝餐飲(上海)有限公司」を設立しているが、これを「結果的によかった」と白木屋香港の富山卓也・総経理は話す。  
香港は上海に比べて外食産業が発展しており、まだ海外展開のノウハウがなかった時点で、日本発の発想を香港で中和することができた、というのが理由だ。人材の確保、食材サプライヤーの探し方、メニューの作り方など、香港での経験を上海で生かすことができたのに加え、将来的に香港企業として展開した方がメリットは大きいとの見方もある。
 
  香港では「日本食レストラン」  
 
今年から始めたランチも好調だ(=「笑笑」上海東湖路店)
「日本のコンセプトはそのままに、やり方を変えて現地化を大胆に進める」。モンテローザの中国展開を一言に約せばこうなる。
日本と違う「やり方」のひとつが、昼間から深夜まで営業する香港の「日本食レストラン」スタイルだ。顧客の九八%が香港人という環境で、より現地で受け入れられる営業スタイルを取り入れた。
一方の上海でも「昼の需要は見逃せない」と今年からランチタイムの営業を開始。客単価が低い中で、売上の約二〇%を占めている。
上海は現地人の顧客が徐々に増えてはいるものの、八〇%近くが日本人客となる。所得水準の比較的高い層を狙って、現地向けに新聞やインターネットの広告も定期的に出しているが、富山氏は「特に上海はマーケティングが難しい。リピーター客の同伴などを通じて地道に広げていくしかない」と言う。
日本人客が多ければ、それだけ日本レベルの接客サービスや食材・衛生管理も要求される。「人材の現地化」に向けたスタッフ教育は重要課題だ。
現在、上海の三店舗でスタッフは七五人。一店舗のスタッフ数は、日本の同規模の店舗と比べても倍近い数となる。上海でスタッフ教育やマネジメントを行なう笑輝餐飲(上海)有限公司の松本昇・副係長は「開店当初は問題もあったが、今では満席の状態でもきちんとしたサービスを提供できるようになった」と成果を語る。  
また、本社では三年ほど前から中国人留学生などを積極的に採用しており、コアとなる人材のバックアップ体制も整えている。
 
  新たなコンセプトづくりも計画  
  昨年末にオープンした東湖路の上海二号店。「白木屋」と「笑笑」の二つの看板が並んで立っている。
「白木屋」は一号店同様に食べ飲み放題を実施し、洋食系のメニューを多く揃える「笑笑」は単品オーダーのみとなる。中国の居酒屋で食べ飲み放題が主流となっている中、「単品のクオリティ志向も高まっているのではないか」との考えもあった。同社は今、中国で店の新たなコンセプトづくりにも取り組んでいる。  
今後の多店舗展開について、富山氏は「FCは時期尚早」と言い切る。モンテローザは日本国内の一三〇〇店を超える店舗をすべて直営で展開しており、直営へのこだわりはとりわけ強い。  
「上海にあと数店舗は出店できる」と富山氏は自信をのぞかせる。上海以外の他都市への出店も視野に入れるが、各エリアでマーケットが違うという難しさもある。「いずれにしても、カギとなるのは現地のお客様をどれだけ取り込んでいけるのか。マーケットが拡大すれば、その分出店数も増えることになるだろう」。
 
 
  特集1   特集2    特集3    特集4    特集5   特集6    特集7    特集8