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チェーン展開に挑む 外食ブランドの勝算
 
15年連続の二ケタ成長を続ける中国の外食産業。魅力的な市場でありながら、市 場インフラの未整備や人材の不足などリスクが存在しているのも事実だ。いまだ様 子見を続ける外食ブランドも少なくない。そんな中で近年、特に今年に入ってから、 新規出店へと動き出す企業が増えてきた。今後さらに出店やチェーン化の動きは加 速することが予想される。多店舗展開の障壁と成功のカギはどこにあるのか。外食ブ ランドの勝算を探った。
   
 
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  第二次参入ブーム来たる!
 
  「人材」に課題残るも環境は改善  
 
 
飯盛 尚英氏 凌空行(上海)企業経営有限公司 董事・総経理 株式会社日本エル・シー・エー 社長室 China Business Section チーフコンサルタント
二○○六年一月一五日、上海に新たな日系レストランが二店舗同時にオープンした。浦東陸家嘴の濱江公園内に本格ナポリピッツァの「The Kitchen」が・・・、浦西長楽路に「にんにくや」が・・・。双方とも、盛大な開業式典を執り行い、多数の日本人を中心とした外国人で盛り上がったのだった。  
近年、日系外食企業の進出が顕著である。二〇〇五年にも「白木屋」「笑笑」を展開するモンテローザ、キーコーヒーが母体の「イタリアントマト」が開業した。
一九九五年前後から増え始めた上海の日系外食店舗であるが、本格化したのは二〇〇〇年以降であろう。第一次参入ブームである。それまで個人経営かつ少数での展開が限界だった日系外食店舗であったが、「吉野家」や「CoCo壱番屋」など、しっかりとチェーンストアオペレーションを備えた企業群が参入してきた。
 
  加速する参入の背景  
  第二次参入ブームが起こった背景には、いくつかの要因がある。  
第一に、二〇〇五年以降の参入組には、それまでと決定的に違う環境の変化がある。二〇〇五年七月の「元の切り上げ」である。それまで、中国を市場と見ていたにも関わらず、進出せずにいた企業群……。中国へ進出すれば、収益向上と元の切り上げで、投資回収速度が早まると計算したのである。  
第二に、第一次参入企業のケーススタディである。市場分析、ターゲット設定、立地戦略、メニュー構成、食材調達、人材教育など、各方面で困難を極める外食店舗経営であるが、先行企業の研究がなされた上での進出である。
第三に、外食産業のフルセット化の進展が挙げられる。各種食材の卸売業者の品質向上、加工食品利用度の向上、物流環境の改善など、上海市周辺に限定してみると、日本と遜色無い外食経営環境が整いつつある。これらは、先行企業群の要求水準に適応した業者が多数現れたことに由来する。
 
  日本以外の諸外国の状況  
  米国勢が強い状況である。Yam!グループは、台湾地区を経由し、「KFC」「必勝客(ピザハット)」「タコベル」を合計二〇〇〇店舗以上展開している。「マクドナルド」も八○○店舗を突破する勢い。二〇〇五年、上海静安寺裏に米国バーガーキングの一号店が開業し、南京路沿いに続けて二号店も二〇〇六年出店した。米国ダンキンドーナツは、上海市場を調査している米国人コンサルタントと二〇〇五年、筆者は接触している。
英国コスタ・コーヒーは、中国悦達集団と組み、二〇〇七年からの上海一号店を皮切りに、五年間で三〇〇店舗出店を計画している。
 
  虎視眈々と進出を狙う日本企業群  
 
 
バーガーキングの上海1号店となる静安寺店。若者を中心に人気は高い
外食カテゴリーで、日本でナンバーワンの企業群が、まだ参入していないことにお気付きだろうか? ファミリーレストラン、コーヒーショップ、持ち帰り弁当、回転寿司など……。
専門店では、少し動きがあった。「おむらいす亭」は、二〇〇五年七月に上海一号店を開業予定であったが、日本国内の業績悪化を理由に断念。二〇〇六年六月二一日、民事再生法適用を申請した。  
「築地 銀だこ」を展開するホットランドは、まず、香港地区に出店。行列が出来るほどの人気で、その評判を武器に中国本土を北上する戦略である。
これは、「味千ラーメン」が採用した香港から上海へ北上する戦略に似ている。中国一般消費者のブランドイメージは、欧米→日本→台湾地区→香港地区→上海の順番で高いと認識されているようである。そのため、第一の進出先を香港か上海のどちらにするかで悩む企業も多い。香港で人気を博している「和民」も、二〇〇五年、上海浦東へ出店準備を進めていたが、出店立地問題で北上できずにいる。
 
  進出時、進出後に直面する課題とは?  
  前述の第一次参入企業のケーススタディとフルセット化進展で、かなりの困難は解決されつつある。が、避けて通れないのが、人材の採用と教育である。  
ホールスタッフは、離職率が高く、手厚くトレーニングを施しても、短期間で転職する傾向が高い。大量の採用能力、容易なオペレーションで、業務の難易度を下げ、汎用性が高い人材を常に供給し続ける必要がある。  
人材確保と教育に成功すれば、直営店舗運営のみならず、将来的には、FCでの多店舗展開も可能であろう。
 
 
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