Walker
中国最新情報満載!!
特集
「安居」提案ビジネス 〜興隆する「家」産業
 
特集1    特集2    特集3    特集4    特集5 
 
  増加する「フローリング」トラブル案件
主な事例解説と紛争防止のための提言(里兆法律事務所)
 
 
品質重視で日本ブランドは商機をねらう
中国の建築内装材に関する消費からのクレームの中で際立っているのがフローリングの問題である。中国のフローリング業界は80年代に萌芽が見られるが、その後、強化フローリングの販売量が増加、市場規模は拡大した。しかし流通する製品の品質は玉石混淆で、実木のフローリングについてのクレーム案件も増加の一途をたどっている。
以下、卑近な例を紹介しよう。
(ケース1)新居への引っ越しの準備をしていた夏さんは、建材市場で実木のフローリング材を購入し、内装業者に取り付けを依頼した。検収の際、夏さんは木製フローリングが部分的に磨り減ったり、盛り上がったり、つなぎ目が開きすぎたりしていることに気づいた。そこで、夏さんはフローリング材に品質上の問題があることを理由に、製造業者に交換するよう求めた。技術鑑定の結果、このフローリング自体には品質上の問題はなく、内装業者が規定通りに取り付けしなかったことが原因であることがわかった。
(ケース2)浦東新区に住んでいた林さんも、新居を内装する際に、建材市場で18,110人民元分の実木のフローリング材を購入し、内装業者に取り付けを依頼した。だが、新居に入居して間もな く、林さんは、すでに設置したフローリング材のうち60%以上に瓦状の皺がより、亀裂が生じていることに気づいた。業者と交渉しても解決しなかったため、林さんは浦東新区の消費者協会に訴えた。林さんが購入したフローリング材はすでに取り付けられ、使用されてしまっていることから、皺や亀裂の原因と責任の帰属について認定することは難しいと消費者協会は判断したが、話し合いの結果、製造業者が林さんに対し1,200人民元の補償金を払うことで合意に達した。
上記の二件のトラブルは、どちらも消費者が建材市場から購入してきた実木のフローリング材を内装業者に取付けてもらったことで共通している。実木のフローリング材は、樹木の種類によって、湿気による伸縮の具合や製作工程の違いがある。内装業者がこれらの状況をしっかりと認識していないと、不適切な取り付けのためにフローリングの形状が崩れたり変形したりしやすい。
建築業界では「3割が製品、7割が取り付け」という言い方がされる。フローリングの取り付け作業は専門性が高いため、消費者は専門性の高い取り付けサービスを提供できるブランドを選択し、製造業者に取り付けを頼むのが無難だ。トラブルとなった際も、責任の帰属が容易に認定でき、製造業者が解決することとなる。内装業者や販売者の間を奔走する必要もなく、消費者にとっては精神的にも労力的にも手間が省けることとなる。
それでもなお、消費者がフローリングの取り付けを内装業者に任せたい場合は次の点に注意しなければならない。
@フローリングの取り付け契約(単独で締結してもよいし、建物内装契約の中に項目を書き入れてもよい)で、関係する責任の認定条項を明確化してお く。
A製造業者が提示する具体的な取り付け基準に忠実に従って取り付けるように業者に求める。
Bフローリングを購入する際、トラブルが発生した際の検査測定用に消費者と販売者側それぞれに一袋ずつ残しておく。
このほか、
●消費者がブランド店から購入したフローリングの製造元が実際には闇の製造業者によって作られた俗にいう「闇製造フローリング」(主に、強化フローリング)であり、品質に重大な欠陥があるケース。
●抗菌性、地熱性、防水性、静電気防止性等の特殊な機能があると自称する一部のフローリングが、実際にはそれらの効果がないというケース。(国家基準は未整備)
●販売者が実木のフローリングを販売する際に、使用した樹木の名称を詐称し、消費者を騙すケース。
●フローリングを使用し始めた後で、消費者の使用が不適切であった(例えば、清掃用品の使用が不適切であった)ために、フローリングの形が崩れた、又は、変形したケース。
などのトラブル事例もある。
中国消費者協会と中国林産工業協会でもトラブル防止のために注意を喚起しているが、消費者側でも次のような心がけが必要である。
@消費者がフローリングの手入れをする場合は慎重にならなければならない。フローリングの手入れは、床板の実際の材料に基づき決められており、通常、強化フローリングは手入れが不要であり、消費者は安易に清掃会社を信用することなく、清掃用品の購入にも慎重を期すこと。なお、ブランドのフローリングを購入した後は、通常、どのブランドのフローリングも独自の完全なアフターサービス保障体制を整えているのでメンテナンス面で心配する必要はない。
A消費者は自らの合法的な権利を守るという意識を強め、フローリングを購入した後は、将来、トラブルが生じた際の証拠として、フローリングの保証書、合格証書、販売領収書、販売契約、製造業者及び販売者との交渉記録、予め残しておいた製品等を注意して保管しておかなければならない。もしもトラブルが発生してしまったら、消費者は各レベルの消費者協会に訴えることができる。消費者協会に訴えても解決できない場合は、消費者は法に従って仲裁か訴訟のルートで自身の権益を守ることができる。
 
 
  特集1    特集2    特集3    特集4    特集5