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「現地化」への関門 社員研修の現場
 
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  OffJT(職場外教育)活用し強い組織
富士片(中国)投資有限公司 趙小晶 人事総務部部長
 
 
今年で設立五周年を迎える富士片(中国)投資有限公司(富士フイルム中国)。高級管理職までの人材現地化に成功し、地元メディアからは「日系らしくない日系企業」と評される。社員教育の現状について、趙小晶人事総務部部長に語っていただいた。
 
  高級管理職の現地化進む  
  社員教育には、会社のニーズと社員のニーズというふたつの側面がある。会社にとっては、厳しい市場競争に勝ち抜い ていくために、社員一人ひとりの力を高める必要性がある。一方、社員から見ると、スキルアップする絶好の機会となる。この両方のニーズを満たした社員教育ができれば、ベストだろう。
一般的に日系企業はOJT(職場教育)を重視する傾向があるが、当社はOffJT(職場外教育)を積極的に活用している。OffJTに関して、「コストをかけ、外部に頼んでどれだけの効果があるのか?」と疑問もあるだろう。しかし、歴史の浅い日系企業には、そもそも教える人材が少ないなど、OJTを実現する基盤、蓄積に乏しい。
今年、設立五年目だが、これまで人材の現地化を順調に進めて来た。特に、高級管理職の現地化は抜きんでている。現在、総経理は日本人だが、副総経理三人中、ふたりは中国人。その下の部長クラスは、ほとんどが中国人で占められる。部長クラスは中途採用が多いが、副総経理は組織のなかで育ってきた。社員教育のひとつの大きな成果だ。
 
  離職率を下げるには  
 
管理職向け教育のワンシーン
市場は物凄いスピードで変化している。入り口(採用)で適材を探してくれば、その後の教育はそれほど難しくないが、変化する市場の先を読みながら、どんな人材を確保するかを決めるのは容易ではない。採用の効率化は大きな課題である。
人材の流出が日系企業で話題だ。当社の離職率は平均的と思うが、率よりも中身が大切である。会社に不満で辞めるのと、キャリアアップで辞めていくのは、同じ離職でも質が違う。ただ流出防止策に注目するよりも、なぜ離職するのかを探る必要がある。離職率を下げるためには、会社と社員がともに発展する組織を作るのが一番だろう。当社では、離職者一人ひとりと面談し、何が不満だったのかを吸い上げ、組織作りに活かしている。
 
  外部講師を招いてセミナー  
  社員教育では日本側から持ち込んだ教材などは使用せず、すべて当社で準備している。教育は主に三つに分かれる。ひとつは新入社員教育。社内で一日を使い、企業文化、組織、理念、製品などについて教育する。もうひとつが社内セミナー。これはコンサルタント会社から外部講師を招いて行う。昨年は、テーマを販売スキル教育と、管理職向け教育のふたつに絞り、毎月一回のペースで行った。セールス向けの販売スキル教育は、「販売力を強化する」という当社の目標を反映したもの。管理職向け教育では、管理職に抜擢されたミドルクラスに一般的な管理スキルから学んで貰った。
三つ目が、公開講座に社員を送り込む取り組み。例えば、財務関連で法改正があれば、財務部からひとりを関連講座に送り込み、その内容を他の社員に報告させる。この部分が、一番コストがかかるので、必要性があるかしっかり判断し、効率的に社員を送り出している。
 
  組織として目標を共有  
  以上の三つ以外にもeラーニングを試したりと試行錯誤している。現在、検討中なのが助学金制度。会社が提供する機会だけでなく、自主的に手を上げてもらい、社員の向学心に応えるものだ。ただ、これは福利ではないので、投資したからにはリターンが必要。また、研修後のフォローアップが求められるなど課題も多い。当面は、現状の三つの柱を充実させたい。
社員がいくら優秀でも、それぞれバラバラに動いていたら事業効率は上がらない。組織として目標を共有できる体制作 りが求められる。これができれば中国で中核的な競争力を持った企業になれるはず。こうした強い組織になるために、今後も社員教育に力を入れたい。
 
 
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