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“節能”に目覚めた巨龍(後編)
わき上がる再・省エネ機運
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“節能”に目覚めた巨龍(前編)
産業エアコン用省エネ装置で トップシェアを行く――西部技研
熱交換器の仕組みを解説する永松資紹代表
中央政府の大号令で省エネ、再エネに向かって動き出した中国。これをビジネスチャンスと捉え、市場戦略を練るのは大手企業ばかりではない。産業・業務用エアコン(中央空調)用の熱交換器をメインに、ユニークな省エネ機器を製造する叶シ部技研もそのうちの一社だ。
国内シェア七割のトップメーカー
熱交換器は換気によって失われるエネルギーをリサイクルする省エネル ギー装置である
西部技研(本社・福岡)は、一九六二年の創業。熱交換器をメインに、産業用の除湿機や空気清浄装置などの環境装置を製造している。
海外の現地法人は、スウェーデンとアメリカにあり、昨年九月に三つ目の海外拠点として上海事務所を立ち上げた。「熱交換器は世界中にニーズのある製品です。ここ中国でも省エネ機運が高まりつつあり、ビジネスチャンスを狙って進出しました」と上海事務所代表の永松資紹氏は話す。
同社が中国で普及に傾注しているのは、中央空調用の熱交換器。建物の空気を換気する際に発生する排気エネルギーを熱エネルギーとして回収し、給気側へそれを供給するユニークな省エネルギー装置だ。
製造メーカーは国内二社、世界にはインド、スウェーデン、ドイツの三社あり、同社は日本国内シェア七割のトップメーカーである。
基礎技術はハニカム積層体
同社製品の基礎技術になっているのが、スウェーデンのメーカーが開発したハニカム積層体だ。
これは、薄い板状の素材と波形の素材を特殊な方法で接着積層したもの。体積に比べ表面積が広く、空気抵抗が少ないという性質を利用して、熱エネルギーの回収や除湿による低露点の乾燥空気の提供、さらに空気の浄化や臭気の除去など、さまざまな利用法を開発している。
同社は、ハニカム積層体を応用し、現在のスタンダードとなっている熱交換器の仕組みを作り上げた。
熱交換器を現地生産
現在、永松氏は中国で熱交換器の認知度を高める取り組みを進めている。「まず、弊社の高性能な熱交換器を知ってもらおうと、学会発表や展示会への出展などでアピールしています」。ただ、中国への普及は容易ではない。「すでにインド製の安価な製品の導入が進んでおり、当社の高価格帯の製品をご理解いただくにはまだ時間がかかりそう」という。このまま指をくわえているわけには行かないと、「製品の価格を下げるため、現地生産してコストダウンを図ることを考えていま す」と話す。
明るい展望もある。「日本は先進国の中でも、エネルギー消費量が少ない、省エネ優等生です。中国政府もきっとそのノウハウが欲しいはず。当社の技術は、中国政府が唱える『節約型社会』に大きく貢献できます。政府の奨励策が充実し、なんらかの形で熱交換器の普及をバックアップしてもらえないか、その可能性を模索しているところです」。
家電店で訊いた注目商品「省エネ」はすでに消費者の価値標準?!――
上海の大型家電チェーン店で、省エネ製品を探した。白物家電が並ぶコーナーに、省エネ製品は集中していた。冷蔵庫、エアコンの二商品はほとんどが省エネを宣伝文句に使用。洗濯機も半数に及ぶ商品が「節水、節電」を謳っていた。
右の三商品には、昨年三月から実施されている「能効標識」のシール(関連記事二三ページ)が貼られている。洗濯機コーナーでは、「環保」への消費者の意識の高まりを受けてか、中国各地の環境汚染の現状をポスターで解説している。
販売員が省エネ製品として薦める冷蔵庫は、ハイアール製『彩晶王子』。本体には、航空宇宙産業用に開発されたナノテクノロジーの特殊素材を使用し、リサイクルが可能。また本体が三つのボックスに分かれ、各ボックスで電源の点け消しができる。
洗濯機もやはりハイアール製。「世界でもまだこれしかない」と折り紙つきで推薦するのが、水だけで洗浄する『変頻A8双動力』だ。「節水は国家標準の五五%、節電も国家標準の一三%を達成。洗剤を使わず、電解水で洗浄するので環境も汚さない」という優れものの「環保製品」である。
@昨年3月から実施されている「能効標識」が貼られている
A節能、環保を謳う中国家電メーカー
B“究極の節能、環保製品”として薦められた『変頻A8双動力』
C本体にナノテクノロジー特殊素材使用のリサイクルできる『彩晶王子』
D各地の環境汚染をポスターで解説
「携帯充電器」市場はいかほどに?
(写真)「太陽能充電器」:技術背景には液晶開発力か?華旗資詢科技の「動力艙」
(下:地域限定販売)と深セン金盟電子の製品
「節能」ではなく「充電=電力チャージ」の話題である。準備万端で出張に臨んだはずが、バッテリー不足で携帯電話もノート PCも使えず大慌て……。そんな不便を解消する携帯「充電器」には、乾電池装填式・ソーラー発電式・手回し式・USB式・自動車のシガーライターソケット式など様々な方式がある。
中国は日本と同様、いや規模的には世界最大の「モバイル」大国。ならば「緊急充電」のニーズ も大きいのでは――。こうした筆者の推測をよそに、周囲の反応は冷めていた。「製品付属の電源(充電)ケーブルを持ち運ぶだけでよいのでは?」と中国人の友人。パソコンの USBポートを利用した充電には興味をもたれても、「環保」をコンセプトとした「ソーラー充電」の認知度はいま一つのようだ。
出勤時、エレベーターに乗り込んできた中国人が電動自転車のバッテリーを手に提げていた。仮に駐輪場に充電設備があったとしても、それが有料だとしたら、この人はまず利用しないだろう。「勤務先で充電できるのにわざわざお金を払う必要があるのか?」……そんな声が聞こえてきそうである。
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