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特集
“節能”に目覚めた巨龍 〜わき上がる再・省エネ機運〜 (前編) 
「浪費は敵だ!」機運で“商機”到来!? 予測データが語る「環境・省エネ」ビジネスの展望
 

中国のGDPは世界第6位。昨年12月20日の修正結果を受けて、当初の7位から順位を一つ上げた。しかし、増加分である2.3億元のうち、93%にあたる2.13億元を第三次産業が占めるといっても、中国が依然、低コストの労働力と大量エネルギー消費に依存した発展モデルを維持していることに変わりはない。
2004年の中国のGDPが世界の4.4%であるのに対し、(中国が消費する)鉄鉱石の使用量は世界の30%、鋼材については27%を占める。  
にわかに喧しくなってきた「エネルギー危機論」。中国海洋石油(CNOOC)による米石油大手ユノカル買収の失敗や、吉林省の石油化学工場爆発を起因とする松花江の汚染問題(11月)など、昨年はエネルギー問題をキーワードとする象徴的な事件も相次いだ。環境問題は人民元切り上げとともに、中国の経済モデルを揺るがす大きな問題として関心の的となることになった。  
しかし曙光も見えてきた。「再生エネルギー法」が今年念頭に施行、関連法規の体系も整備が進められている。再エネ業界では設立僅か4年の一民間企業がニューヨーク証券市場に上場。「節約型社会」「エネルギー生産大国」の実現に向けて中国は大きな一歩を踏み出し始めたといえる。


 
   
  環境ビジネス、成否のカギを握るのは 「法の強制」性
弁護士法人キャスト糸賀 代表弁護士 村尾龍雄 氏
 
 
中国は二〇二〇年に二〇〇〇年のGDPの四倍水準を実現するという「ややゆとりのある社会(=小康社会)」を国家目標に掲げる。そして昨今、経済指標のみを追求するのではなく、「調和の取れた社会 (=和諧社会)」を実現するために、環境面に十分配慮し、省エネルギーにスポットを当てる新たな態度=「循環型社会」を重視する姿勢=が重要なのではという認識が高まっている。  
そこで、多くの日本企業が環境ビジネスを新たなチャンスとしてとらえている。たしかに、「循環型社会」という点にスポットを当てた「調和の取れた社会」実現という政策との関係上、環境ビジネスが今後その重要性を高めていくことに疑いを入れる余地はないだろう。  
しかし、潜在クライアントである多くの中国企業にとって、「環境とはコストである」という視点が経営判断のベースになっているのが普通だ。税金の支払いもできる限り少なくしたいというのが人の情ならば、環境コストについても(それが必要だと分かっていても)でき得れば小さな方がよいというのが企業経営者にとっては基本的視点となる。  
とすれば、環境ビジネスが成功するためには、払いたくない方にも払わせるという設定、すなわち、法による強制が図られているフィールドでしか成功しない。例えば食品リサイクルを強制する法令が成立していない中で、食品リサイクルに関する環境ビジネスを中国で始めようとしても、そこにコストをかけてくれる企業が見つからない結果、成功をすることはないという話になる。  
したがって、現在、環境コストをかけさせることを強制する法が存在していなかったとしても、それがいつごろ出るのだろうか、また、その内容はどのようなものなのだろうか、という情報をできる限り早く入手して新たな環境ビジネスの開始に備えることが重要だろう。中央に対してロビー活動を仕掛けるというような、欧米企業が頻繁に実施するアプローチモデルも効果があるかも知れない。
 
  上海の「環保」レベル、二年で 台湾地区の水準にキャッチアップ?!
『上海楼市―境外人士専刊』 発行人・総主編 蔡為民 氏
 
 
環境保護」、省エネ・再生エネという概念は、中国大陸においてまだ曖昧な部分を残し、広く世間に認知されるまでには一定の時間を要すると思われてきた。不動産デベロッパーも、二〇〇〇年以降は軒並み物件販売が好調だったゆえに、開 発コストが高くつく「省エネ・再エネ」については軽視しがちだった向きがある。  
しかし、年が明けるや、「節約型社会」に向けて中国は大きく前進を始めた。背景には石油価格の上昇や二酸化炭素の排出量の増加に始まる大気汚染、公害問題が深刻化していることが挙げられる。かつてはエネルギー輸出国であった中国は新世紀に入り輸入国に転じた。GDP増大を唯一の目標とした社会のひずみが露になり、これが不動産市場にも影響を及ぼしていることは明らかだ。  
二〇〇〇年以降ウナギ上り状態だった不動産価格が頭打ちとなったことで、クライアントもまた冷静に物件を吟味する余裕を持ち合わせることとなった。イニシャルでの出費が高くつこうとも、省エネへの取り組みがされた物件かどうか が、(消費者の)購入ジャッジを左右する重要な指標になっていくことは十分に想像される。顧客ニーズ充足のために、デベロッパー自身が省エネ物件の開発に注力し始めていくという側面もあるだろう。  
ちなみに今年から施行された「民用建築節能管理規定」(建設省)では、新しい建築物に対してエネルギー消費量を四七% のレベルに抑制することを定めている。規定要求に達しない竣工済みのビルは「合同能源管理規定」(上海地区)の適用対象となる。  
すでに一〇年前から取り組みを始めて いる台湾地区と比べると、環境保護という面で大陸の遅れは明白だ。しかし、台湾地区のレベルにキャッチアップするうえで一〇年という年月は必要としない。政府の奨励策等を見てみても、上海についてはこの二年間に大きな進展が見られるはずだ。北京でも、科技部による「節能師範楼」(一万三〇〇〇平米)がすでに竣工している。
 
 
  特集1     “節能”に目覚めた巨龍(後編)  
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