原油価格の高騰は〇五年の年初から比べれば、年末は弱含みに推移した。これ以上、上昇することは考えにくい。原油高に伴う原料価格の高騰に対して、川上と川中では価格転嫁でなんとか凌いできた。かといって、高騰分をすべて転嫁し切れている訳ではない。特に、川下に行けば行くほど価格ヘッジは難しい。輸出先となる日本は景気回復と言いながら、まだデフレを脱していないからだ。
〇六年の展望として見た場合、最大の懸念材料が元の追加切り上げだ。
〇五年七月の切り上げは小幅でその後も安定して推移したため、影響は限定的だった。だが、今後二ケタに切り上げられるようであれば、業界全体でかなりの影響は免れないだろう。切り上げ幅が五%以内であればなんとか乗り切れると見ている。縫製ではすでに人件費コストの上昇など、中国一極集中に対する見直し機運が出てきた。一部でベトナム、ミャンマーなどのアセアン地域、さらにはインド、バングラデシュなどにシフトし始めている。
切り上げ幅が拡大されれば、輸出にも直接的な影響が出るため、内需への期待が高まることになる。輸出一辺倒では遅かれ早かれ壁にぶち当たる。市場の多様化が大きな課題のひとつになる。