Walker
中国最新情報満載!!
特集
新春特集私はこう見る2006年中国商流
  特集1    特集2    特集3    特集4   特集5   特集6   特集7   特集8  
  「〇五年インパクト」を転機に 質の高度化と内需喚起に動き出す
東麗(中国)投資有限公司 董事副総経理 八木田素行 氏
 
 
  八木田素行・董事副総経理
ここに注目!
業界予測 供給過剰の緩和進む、全体のバランスが好転
リスクシナリオ 10%の元切り上げで「中国縫製」の地位揺らぐ

クオータ撤廃、人民元の切り上げ、原油高に伴う原料価格高騰──。2005年は繊維・アパレル業界にとってかつてない激動の1年となった。人民元の追加切り上げという不安定要素は依然残るものの、米中繊維協議が合意に至り、本当の意味でのポストクオータ時代が幕を開ける。06年は中国繊維業界、そして日系メーカーにとって勝負の1年となる。(聞き手・編集部)
  クオータフリーの通商枠組み固まる  
  二〇〇五年は業界全体にとって大きな転機となった。クオータ(輸入割当枠)の撤廃、元の切り上げ、原油高など、業界に与えたインパクトは小さくなかったが、これを機にいい方向に変わると見ている。〇六年は質の向上と内需喚起に向けた体質改善への一歩となるだろう。
クオータ撤廃については、〇五年前半に欧米向け、特に対米輸出が急増。これを起因として通商摩擦が勃発した。川下の縫製各社にとって、かなりやきもきした一年だったのではないか。一方、紡績や合繊の川上と織布や染色などの川中ではそれほど直接的な影響は受けていない。ただ、業界をトータルで見た場合、やはり影響は大きかったと言える。
 
  輸出一辺倒から脱却、市場多様化へ  
 
原油価格の高騰は〇五年の年初から比べれば、年末は弱含みに推移した。これ以上、上昇することは考えにくい。原油高に伴う原料価格の高騰に対して、川上と川中では価格転嫁でなんとか凌いできた。かといって、高騰分をすべて転嫁し切れている訳ではない。特に、川下に行けば行くほど価格ヘッジは難しい。輸出先となる日本は景気回復と言いながら、まだデフレを脱していないからだ。
〇六年の展望として見た場合、最大の懸念材料が元の追加切り上げだ。
〇五年七月の切り上げは小幅でその後も安定して推移したため、影響は限定的だった。だが、今後二ケタに切り上げられるようであれば、業界全体でかなりの影響は免れないだろう。切り上げ幅が五%以内であればなんとか乗り切れると見ている。縫製ではすでに人件費コストの上昇など、中国一極集中に対する見直し機運が出てきた。一部でベトナム、ミャンマーなどのアセアン地域、さらにはインド、バングラデシュなどにシフトし始めている。
切り上げ幅が拡大されれば、輸出にも直接的な影響が出るため、内需への期待が高まることになる。輸出一辺倒では遅かれ早かれ壁にぶち当たる。市場の多様化が大きな課題のひとつになる。
 
  高度化への対応迫られるメーカー  
 
  〇五年は様々な影響を受けながらも、業界全体の需要は引き続き拡大した。供給に関して言えば、川上産業では〇四年に増資増設が相次ぎ、〇五年は新設したラインが稼働を開始した。その分、投資額は対〇四年比で減少している。グラフにすると、需要が右肩上がりで伸びているのに対して、供給の伸びは階段方式だ。それだけ需給ギャップが生じている。
その供給過剰を緩和するという意味でも、需要の質の変化は注目に値する。高級志向への移行だ。質に対する要求の変化に、どのように対応していくのか。メーカーの焦点は定まっている。
テキスタイル産業で言えば、産業用繊維のニーズも高まってきた。進出速度が増している自動車産業向けのタイヤ、シートベルト、カーシート、エアバックなどがそうだ。日系以外の外資自動車メーカー、例えばヒュンダイ向けに韓国の繊維メーカーが新規に進出してくることも考えられる。また、地場メーカーも競争に加わることになるだろう。
 
  「垂直連携」による共同開発を推進  
 
コストダウンという観点から、素材の現地調達が活発化している。だが、今のところ現地調達による輸出品は付加価値の低いものにとどまっている。中国縫製の質が今後どれだけ向上していくか。それに合わせて持ってくる(輸入する)ものも変わってくるだろう。
地場メーカーの生産状況を見ると、力の差がはっきりと出始めている。もはや「安かろう悪かろう」では生き残れない市場だ。今後は淘汰がさらに進んでいく。買収を通じて、強いところはより強く、より大きくなっていくことが予想される。
日系メーカーとしては地場のメーカーと規模で競争しようとしても到底かなわない。差別化にはやはり質で勝負するしかない。より高度な質、商品を生むためには、原糸、テキスタイル、縫製が「垂直連携」して商品開発を行っていくことがポイントになる。
川上や川中では商品・技術開発を中国にシフトする動きも進んでいるが、いくら機能性の高い糸を開発しても、それだけでは商品にならない。所詮、絵に描いた餅だ。産業チェーンの中でオーガナイズしながら商品開発を行い、その上でコストダウンを図らなければならい。
東レとしては、地場の有力メーカーとも共同で商品開発を進めていく。提携先を新たに増やすというよりも、既存の取引メーカーとの連携を深めていく方針だ。取引先には今後、資本を注入していくことも視野に入れている。
 
  タイアップで素材ブランド浸透へ  
 
「ジャパンブランド」の中国市場への浸透はまだこれからという段階。特にアパレル各社は日本に続く今後の柱として中国市場でのブランド構築に向けて必死に取り組んでいる。
ブランド化は素材、ファッションともに共通の課題となっているが、ファッションブランドが最終消費者に直接訴求できるのに対して、素材はそれがなかなかできない。
東レはテレビCMなどを積極的に展開しているが、最も効果的と考えているのがスポーツブランドとのタイアップだ。すでに日系のスポーツブランドと協力して、素材ブランド TOREXのプロモーション活動を開始している。スポーツウエアには高機能素材の合繊が適しており、技術力の差をアピールできる。今後はタイアップ先を国際ブランドにまで広げていきたい。ブランド構築にはそれなりの時間がかかる。じっくりと着実に進めていく計画だ。
 
     
  特集1    特集2    特集3    特集4   特集5   特集6   特集7   特集8  
ウォーカーチャイナ今月号
巻頭インタビュー
特集
Business Event Schedule
Business Scene
企業レポート
連載
中国ビジネス相談Q&A
私も起業家
知的法講座
China Economic Review「全国」
China Economic Review「上海」
その他
上海、北京、中国全土の広告掲載について
ウォーカーオンラインではバナー及びテキスト広告スペースを用意しております。
広告掲載ガイド 掲載の受付