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  サーチエンジン分野で激しい「版図」争い 3Gの本格展開は〇七年からか?
TOM在線有限公司(TOM Online)元総監 クレイグ・ワッツ 氏
 
 
  クレイグ・ワッツ(Craig Watts)元総監
現Madhouse在籍
ここに注目!
サーチエンジン分野で競争激化、勢力図に大変動も!?
ユーザー・ジェネレート・コンテンツ台頭

中国のインターネットユーザー数は2005年、1億人に達した。携帯電話利用者数も4億人に手が届こうとしている。発展空間の規模において実に大きな潜在性をもつ中国市場だが、同時に競争も熾烈で市場動向には目が離せない。06年はサービスのさらなる高度化と多様化が見られるに違いない。 (取材・絢文)
  「専門化」進むオンラインサイト  
  中国のオンラインサイトは「専門化」「セグメント化」が進み、それぞれある分野にコンテンツを特化した動きが顕著となっている。「新浪(Sina)」「捜狐(Sohu)」「網易(Netease)」は今でも「三大ポータルサイト」と呼ばれ、総合的なサービス提供をうたうが、それぞれの得意領域へより注力していく傾向が強くなっている。
「Sina」が出色しているのはニュース配信の領域だ。「Netease」はオンラインゲームを売り物にし、自社開発の新プロダクトで〇六年、一気に業界トップに躍り出る公算も出てきた。「Sohu」はサーチが強みだ。
この他、モバイルコンテンツでトップを走る「TOM」、サーチエンジンの「百度(Baidu)」、企業間電子商取引(B2B)サイトとして独自の展開を見せる「阿里巴巴(alibaba)」などが二年ほど前から新興勢力として存在感を見せる。なお、「阿里巴巴」は傘下にオークションサイト「淘宝網(taobao)」を有し、ライバルの「易趣(eBay)」を牽制する。
 
  「サーチ」の成長に注目  
 
  Yahoo中国は「サーチ重視」のリニューアルをした
インターネット業界で最も市場規模が大きいのはモバイルコンテンツであり、二〇〇四年で約七億米ドル。オンラインゲームは約四億、ポータルサイトは約二億五〇〇〇万である。このほか、サーチエンジンやeコマース、トラベル、求人求職、ショッピング、オークションなどの領域に分類することができる。(注1)
〇六年の動向を占うと、どの領域においても軒並み成長が予想されるが、成長率が前年比を上回ると予測されるのがサーチエンジンの分野だ。
昨年、「阿里巴巴」が買収した「Yahoo中国」は、サーチエンジンに注力し画面デザインを一新させた。今までのポータルサイトのコンテンツはほとんどなくなり、「Goog le」と似た感じとなっている。
サーチエンジンの分野は欧米では「Goog le」が圧倒的に強いが、日本では「Yahoo」が健闘している。しかし、現在の中国の勢力分布を見ると、まだ情勢は定まっていない。すでに触れた「Goog le」「Yahoo」「Baidu」「Sohu」の他にも、新たに市場に参入するダークホースが勢力図を一変させるかも知れない。成長が早い分、競争激化も当然予想されるのがこの分野だ。
なお、「Yahoo」は、春節前に「Yahoo=サーチ」を打ち出すマーケティング・キャンペーンを始めるという。「Yahoo」はマーケットの成長がサーチにあることを見極めている。どのサーチエンジンが勢力を伸ばすか、これが〇六年の話題の焦点となるだろう。
 
  非公式のWAPサイトが人気に  
 
 
モバイルコンテンツの注目点はWAP(ワイヤレス・アプリケーション・プロトコル)である。中国では今のところSMSやMMS(マルチメディアメッセージング・サービス)といったメッセージベースのサービスが中心だが、今後面白い展開が見込まれるのはブラウザベースのWAPだろう。
WAPは日本のiモードと同じように爆発的に普及すると思われる。〇五年の第3四半期、TOMのモバイルコンテンツの売上全体に占めるWAPの割合は約二割だった。〇六年は四割になる可能性がある。
現在、非公式のWAPサイト(注2)が流行っている。さまざまなコンテンツが無料で利用できる。以前は通信キャリアが管理しているWAPサイトが圧倒的に強かったが、魅力に乏しく、ユーザーは非公式サイトに流れている。公式サイトと非公式サイトの競争は、今後の注目点の一つだ。
しかし技術的にはまだ開発途中の段階である。日本のiモードの初期がそうであったように、スピードが遅く、動画などの利用もあまりできない。3G(第三世代携帯電話)になれば改善が見込まれるが、〇六年中に本格的な普及に至ることはまずないだろう。
3Gが普及するには、一年ぐらいのスパンで見る必要がある。ネットワークを構築するのに半年、そしてユーザーが対応機種に買い換え、ユーザーベースができるまでに一年間かかる。もしライセンスが〇六年初めに発行されたとしても、市場として定着するのは年末になるだろう。したがって、3Gの戦略は〇七年の計画に組み込まれるのが適当で、どの会社もまだ真剣な取り組みを検討するには至っていないだろう。
 
  日系企業は存在感を示せるか  
  日系企業はSMSやMMSの分野はあまり強くないが、WAPでは技術の高さや豊富な経験をもとに、中国市場への参入に積極的な姿勢を見せることだろう。実際に、インデックスはWAPモバイルコンテンツ大手のSkyinfo社を完全子会社化している。
中国のモバイルシーンにもあったら便利だと思う日本の技術に「QRコード」(注3)と「FeliCa」(注4)がある。QRコードがあれば、WAPサイトにも簡単にアクセスできるようになる。通常、携帯電話機を利用したショートメッセージ等ではWAPサイトのリンクを張って送信することができないので、どうやってWAPサイトを探すかというところに難点がある。QRコードの技術はこの問題を解決する格好の技術として注目に値するはずだ。
すでに携帯電話機が生活の一部分となっている日本の域にはまだ達していないかも知れないが、役に立つアプリケーションの登場次第では、中国も日本の状態に近づいていくものと思われる。
ただし、中国ではクレジットカードの普及率はまだ低い。ユーザーから利用料をどうやって回収するかという課題がある。eコマースにおける課題と同じように、非公式のWAPサイトがいかに信用性を確保するかという点も重要だ。無料でサービスを提供している段階では多くの利用者がいるが、有料になればどうなるかは未知数だ。
 
  新たなトレンド  
 
インターネットの新しい現象として、ユーザーが自分たちで作ったコンテンツを売ることも流行ってきている。自分で作った曲をサイトに載せ、それがサイト内の投票でトップテンに入ると着メロとして販売することができ作者にもロイヤルティーが入ってくるという仕組みだ。人が自分に注目してくれること、収入が得られること双方において、中国の若者たちからは受けがいい。(注5)
このほか、Flashやブログなどもユーザー・ジェネレート・コンテンツとして挙げられよう。これらの台頭は中国特有の大きな現象として注目に値する。
 
 

注1:有料コンテンツのダウンロードサイトにも領域への特化が見られる。たとえば、家電メーカー「愛国者」は昨秋、有料音楽ダウンロードサイト「aigomusic」を開設した。
注2:通信キャリアのメニューに掲載されず、コンテンツを無料で利用できる。しかし、これらのサイトを探すのは容易ではないというハードルもある。
注3:二次元コードの一種で、対応の携帯電話でこれを撮影すると、面倒な入力なしでサイトにアクセスしたりアドレス帳へ登録したりすることができる。
注4:ソニーが開発した非接触ICカード技術。電子マネーの「おサイフケータイ」はこの技術を利用したもの。
注5:TOMでも、まだ名が売れていないアーティストたちの育成事業に力を入れている。
(「玩楽口巴」http://a8.ent.tom.com) 
 
 
     
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