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「リース」ビッグバンの胎動
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捲土重来、外資企業ターゲットに国際ネットワークの強み生かす
欧力士融資租賃(中国)有限公司
柿本良・董事総経理欧力士融資租賃(中国)有限公司
プロフィール:1976年、オリックス株式会社入社。中国駐在を経て2000年、ORIX株式会社海外事業部長。01年、台湾欧力士股分有限公司会長兼社長から現職に。一貫して海外畑を歩む。
改革開放初期の1981年4月、オリックスは中日合弁では第1号、中外合弁でも第2号となるリース会社を北京に設立している。だが、待ち受けていたのは債権回収に悲鳴をあげる現実だった。同社はこのたび100%外資となる「欧力士融資租賃(中国)有限公司」を新設。かつては国営企業が取引先だったが、まったくの新しいスタートと位置づける新会社ではまず日系を主とした外資企業にターゲットを絞った。
中国リース市場に潜むリスク
欧力士融資租賃の柿本良・董事総経理は、かつて合弁の立ち上げに携わり、八五年に一旦中国から離れるも九二年には総経理として再び駐在。その後、九六年まで回収に奔走する現場で指揮をとった。
新会社の設立とともに再度中国に戻った同氏は「当時とはまるで違う時代になった」と強調しながら、中国のリース市場に対しては依然厳しい見方を示す。
リスク要因のひとつとして、柿本氏は金融の基盤となる「信用インフラ」が構築されていないことを挙げる。日本では、 債務を支払わなければ担保を差し押さえられ、資産のすべてを失ってしまうという危機感がある。だが、この「社会的制裁」のシステムが中国にはまだできていないというのだ。
さらに、リースの主な利用者である中小企業が育っておらず、金融機関から「貸し渋り」を受けていることもリスクがさらけ出された格好だ。柿本氏は「銀行がお金を貸さない企業にリース会社が貸すのはかなりの勇気がいる」と指摘する。さらに信用判断の材料となる決算書に信用が置けないことも大きな問題となっている。
拠点拡大、台資企業も重要顧客
同社が外資企業を当面の顧客とする理由はリスク回避だけではない。オリックスの強みとなる世界二三の国と地域の拠点を結ぶネットワークとブランド力を最大限に生かす方法でもある。グローバルネットワークを連結すれば、信用審査で各拠点から企業情報を素早く入手することも可能だ。
工作機械のリースと機器のクイックリースを主として展開していく同社にとって、ライバルと目される企業もある。同じく独資で新規参入した台湾地区最大手の「チャイリース」だ。欧力士融資租賃は台資企業を日系に次ぐ重要なターゲットとしているだけに、意識せざるを得ない。オリックスの持つ優位性が試されるところだ。
同社は沿海部を中心とした拠点の拡大を計画しており、日系狙いの深センと台資企業狙いの福州を進出先としてすでに決定した。
また、市場が未成熟であるだけに、業界の知識を持った人材の確保と育成が競争力を高めるカギとみる同社は、日本の本社や台湾地区の拠点と連携し、出向や研修などをさらに強化していく方針だ。それは、中国で長期的な視野に立った日本リース業界のパイオニア、オリックスの布石でもある。
八〇年代の中国「リース」市場を振り返る
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柿本良・董事総経理
当時リースと言っても、顧客は国営企業で、保証人は地方行政部門。「設備を輸入し外貨で貸す」という計画経済に組み込まれたものだった。その意味で、リース市場はまだ存在していなかったと言える。
輸出入が厳しく規制され、外貨も乏しかった中で、海外から容易に設備を導入できるとあり、国営企業にとって「リース」はまさに画期的なサービスだった。当時、日本の都銀や商社も参入し、その数は二〇社近くに達していたのではないか。
だが、結局はどこの会社も債権を回収できず、地方政府に「保証を履行してくれ」と言っても、返事は「予算配分の権限ない」の一辺倒だった。振り返って敢えて例えるなら「明治維新の最中、江戸政府に金を貸した商人」だ。
特に、九二年の「南巡講話」を機に、それまで細々と返済してきた国営企業がこぞって「もう支払わない」と強気の態度をとるようになった。これを受け、合弁会社はその後、新規の案件をストップし、回収に専念することにした。裁判も起こしたが、差し押さえの強制執行をしようにも、工場側の激しい抵抗に遭う。裁判で勝訴しても、どうしようもない状況だった。
中央政府から一部返済されたものを合わせても、八一年から回収に専念する前の九三年までのトータルで回収できたのは八〜九割。金融機関では二割が焦げ付けば深刻と言われるなか、低リース料率で利ざやの薄いリース業界でいかに大きな損失だったかがわかるだろう。(談)
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