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さらなる立法の体系化で業界は整備、再編へ
里兆法律事務所
中国の広告関連法規は相対的に海外の先進国諸国と比べると厳しい。一方、近年見られるニューメディアの勃興に対して法整備が追いついていない側面もある。市民・企業間での権利・利益を科学的な手法によっていかに系統化するか-。屋外広告に関する中国法規の概要や特徴、今後の展望について里兆法律事務所の趙弁護士に聞いた。(以下、説明の概要を弊誌編集部の文責にてまとめた)
広告内容の禁止事項が明文化
中国における広告関連法規の柱には「中華人民共和国広告法」(一九九五年二月一日施行)がある。これは、他法規、たとえば契約法、PL法や著作権法、不正競争防止法などと関連させながら運用が行われている。
著しい広告業界の成長、および社会構造の変動等を受けて、管理条例という形で新たに法規が追加、あるいは修正がなされることも多い。行政面での管理制限は多く、相対的に諸外国(または地域)と比較して中国(大陸部)の広告に関する規制は厳しいものといえる。
屋外広告については「屋外広告の登記管理に関する規定」(以下「屋外広告登記管理規定」という)第二条で定義が見られる。設置にあたっては工商行政管理、公安、環保、都市建設等々、多くの部門による管理、監督を受ける(一九八七年一二月一日施行「広告管理条例」第一三条)。建築物の批准を行う建設計画部門が関わるのは、広告が都市計画と結びついたものと見なされていることを意味する。費用、設置場所、設置後のアフターケア等において各部門から念入りなチェックを受けるのは中国の法制度の特徴だといえよう。さらに、地域によっては、より詳細な規定が独自に運営されるケースもある(例:「上海市屋外広告設施管理弁法」第一八条)。
中国では九〇年代以前、屋外広告の市場規模は極めて小さく、関連法規は存在しなかった。それゆえ、法整備が本格的にされ始めたのは前述の「屋外広告登記管理規定」(一九九五年に発布、一九九八年に改定)以降のことであり、これをバックボーンとして上海、広州など大都市、省都市単位で規定が発布されていった。ちなみに北京では二〇〇四年八月、上海では二〇〇四年一二月に発布されたものが最新の法規となる。
なお、屋外広告を含めて広告全般において、「国旗、国歌」や「国家級、最高級、最佳といった宣伝コピー」「環境や資源の保護に妨げとなるもの」等を盛り込むことを禁じている(「広告法」第七条)。手続きばかりでなく、内容についても厳しい規定が明文化されていることを中国の関連法規の特徴として追記しておきたい。
「正常な生活」とは?結論をみない法解釈
こんな風景も過去のものに・・・!? オリンピックを目指す北京では「ノボリ」広告が撤去対象となった(WalkerChina05年2月号P30より)
屋外広告に関する紛争事例は主に表現内容に関わるものがほとんどである。
不動産管理業者が広告収益をビルオーナーに支払いを行わなかったことが紛糾に及んだ北京の「美麗園」の案件を除いて、特に目立った事例はない。
したがって、法的レベルで経営リスクを論ずる前に、@手続きのうっかり忘れ防止A契約締結におけるリスク対処B印刷ミス防止――など、実務レベルの問題として注意を喚起したい。こうした対処に取りこぼしを残すことから、引いては消費者権益保護法に抵触する事態を招き、消費者から損害賠償を求める提訴を受けることも想定されよう。
現在、LCDやPDP(プラズマディスプレイ)などの普及が著しいが、関連規定がないことから一部、市場の混乱を招いているのも事実である。それゆえ、突然、制限法規が発布されないとも限らず、ニューメディア等に関わる事業者には、現時点で法的制限が存在しないことが逆に将来のリスクになりかねないことを提起しておきたい。
「正常な生活」に対する影響の度合いから見て、どの程度までが許容範囲なのかという問題は現在、論争のテーマとなっている。当局から批准を受けた広告であっても、後になって、風通しや日照条件、換気の妨害、騒音の発生、あるいは「視覚汚染」といった問題を指摘し、「異議申し立て」を行おうとする消費者もいるだろう。法的解釈という点でも、ディスプレイ広告は新たな問題を投げかけているといえよう。
屋外広告の安全、美観の問題は重要である。現在は簡単に「広告業者が維持、保守管理を行う」としか規定されておらず(「屋外広告登記管理規定」第一二条)、具体的にどのような保守管理を行うべきかについては触れていない。
たとえば第三者が設置されたLCDに破損を加えた場合、誰が責を負うのかという問題についてもまだ判決事例がない。慣例ではビルの物業管理会社が責任をとるという見方ができるが、これもまた法的解釈をめぐって議論は決着を見ていない。
さまざまな曲折を経ながらも、事業者、消費者間での権利や利益は、法体系の整備の過程で調整がされていくことだろう。規範化されていない企業は淘汰され、広告業界の業態そのものも変化していくとみられる。業界の健全な育成、刷新のために法制度のさらなる体系化が待ち望まれている。
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