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コンビに市場に挑む
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  若年層をターゲットに「ブランド力」強化
-「差別化」戦略の要に人材教育、「企業文化」の確立へ
 
  日本滞在経験もある知日派、日本語も流暢。  
 
簡 総経理
慎重なれど大胆というバランス感覚の妙が喜士多(C-Store)の持ち味といえる。「コンビニ市場は飽和していない」と説く上海喜士多便利連鎖有限公司・簡滄総経理は、他社に先駆けて次々と新サービスを打ち出している。運用するスタッフは平均年齢二四歳。若年層の「消費リーダー」取り込みで自チェーンのブランド化をねらう。
 
  ●「サービス」重視で一歩先行既存メディアとの提携も  
  コンビニとは“食”を含めた情報(商品)を最速で提供するところ」と簡総経理は説く。
喜士多に対して「ちょっと他と違うな」という印象を抱く利用者は少なくない。
まずスタッフが若い。レジを任されるのもレイオフされた中年女性ではなく平均年齢二四歳の若者である。整然とした陳列棚やユニークで豊富な商品アイテム、丁寧な店員の対応。さらに公共料金の支払い代行業務についても「二四時間対応」をうたうのは目下、喜士多のみだという。
消費者の「利便性」追求という点で一歩先んじている喜士多だが、同チェーンの差別化戦略のもう一つの側面は、若年層、とりわけニューリッチ層と呼ばれる「消費リーダー」の囲い込みともいうべき施策となって現れる。
喜士多が顧客ターゲットに想定するのは一五歳から三〇歳代半ばのホワイトカラー、学生だという。彼らに向け、既存メディアと融合した様々なキャンペーン、新サービスが次々と打ち出されている。
クーポン誌(メディア漫歩発行の『酷棒』」)と組んで商品割引キャンペーンを行うほか、観劇やイベントなどのチケット予約サイトと提携し、コンビニ・カウンターでの商品(チケット)引き渡し、決済を可能にしている。このほか、カタログ・ショッピングも用意した。オンライン決済に抵抗を覚える消費者には有難いサービスだ。
 
  ●ハイパーマーケット日本撤退の原因は?  
  「上海のコンビニは市場飽和」という見方を簡総経理は否定する。
「(一部の大陸系コンビニが経営困難になったのは)自らの経営資源の限界をわきまえることなく、やみくもに規模(=店舗数)拡大を急いだから」(簡総経理)という。
現在、喜士多は広州に六五店、上海および周辺都市(昆山、蘇州)に一六五店(七月一五日現在)を有するが、今年出店を予定しているのは七〇店舗程度だという。新天地や准海西路など目抜き通りでの新店オープンが目立つだけに、この数字には意外に少ない印象を受ける。
しかし、総経理の積極的な経営展開は、数のノルマよりはむしろ別のフェーズ、すなわち質の面で体現されているとみなしてよいだろう。
中国ではビデオの普及を待たずにDVDが市場を席巻した。また、固定電話のインフラが十分でないのに携帯電話機ユーザー数は世界一となった。ダイナミックな変化を続ける中国市場に対して、時には小売業界の枠を超えて一足飛びの大胆な施策が必要となる。「ステップ・バイ・ステップの日本の伝統的手法にとらわれていては成功できない」(簡総経理)-。
市場ニーズを十分にわきまえ、急激な店舗拡張よりも差別化によるブランド戦略に比重を置く。いわば、そのバランス感覚の妙が喜士多の快進撃を支えているといえる。
ちなみに、ローカライズな事情を十分に把握することなく進出し、撤退の憂き目を見た例は少なくない。某欧系ハイパーマーケットはあえなく日本市場から撤退。「空間に乏しい日本の住宅事情、鮮度や潔癖さを求める日本人の志向を無視した」と簡総経理は手厳しい。その他にも住宅エリアとビジネスエリアが分離した欧米社会の産物であるショッピング・モールを、「住・商混在」の台湾地区に持ち込もうとして失敗した事例もある。
 
  ●「業界リーダー」を目指すダークホース  
  七月一八日、喜士多は「品味生活」と名づけた独自ブランドを発表した。日用品を皮切りに、自社設計のエコロジー志向の商品を次々にリリースしていくという。
このほか、中国児童基金会への援助など、社会活動との関わりにも熱心であり、独自性を強調する同チェーンの動きがこのところ活発だ。
そこには、CIを超えた「企業文化」若年層をターゲットに「ブランド力」強化-「差別化」戦略の要に人材教育、「企業文化」の確立へ構築に向けた簡総経理の熱心な姿勢をうかがうことができる。
そして、行き着く先はやはり「人の問題」である。
今後、物流インフラが整備され、宅配業務の利用度が高まったとき、物流会社との提携による様々な業務開拓が可能となる。このとき、コンビニ側にとっては、高度なITシステムへの対応ほか、「人材」の資質向上が大きなテーマとなってくる。
「教育訓練にはすごく力を入れています。会社は企業文化がないと人のレベルがアップししませんから」と説く簡総経理。総勢二〇〇〇名のスタッフに対してトップ自らが教育訓練を施す。一回二時間半のレクチャーの実施回数慎重なれど大胆というバランス感覚の妙が喜士多(C-Store)の持ち味といえる。「コンビニ市場は飽和していない」と説く上海喜士多便利連鎖有限公司・簡滄総経理は、他社に先駆けて次々と新サービスを打ち出している。運用するスタッフは平均年齢二四歳。若年層の「消費リーダー」取り込みで自チェーンのブランド化をねらう。はすでに一〇〇回に及んだという。
日本人とは異なり、一般的に地元の消費者はコンビニ・ブランドへの忠誠心が低いといわれる。しかし、「消費リーダー」の取り込み、CC(企業文化)の浸透が進めば、喜士多の独自性は極めて際立ったものとなる。
台湾地区ではコンビニの運用経験のなかったダークホース(※喜士多の親会社は繊維グループ・潤泰集団)の快進撃で、数年後の業界地図は、また大きく変容しているのかも知れない。
 
  ●上海喜士多便利連鎖有限公司  
  上海市江場三路301号5楼 郵編 200436
TEL:021-51060018 FAX:021-5106-0018
URL:http://www.c-store.com.cn/
 
  ●「ヒット商品」の舞台裏-番外編  
  通常、15歳から35歳という年齢層がコンビニの中心顧客層とされるが、これを大きく分類すると次のようになる。
喜士多 古北店の外観(上海喜士多便利連鎖有限公司提供) レジにて:とにかく若い。レジ・スタッフの平均年齢は23〜24歳。客層もまた若年層が目立つ。(上海・金陵西路の店舗にて)
 
 
 
彼らに共通したヒット商品は何? 売上げロットから見れば冷飲料あたりが最売上アイテムとみえそうだが、深夜タクシーの運転手が一服用のタバコを求めれば、夜更かし好きの若者はちょっと腹ごしらえにと、おでんやカップめんに手を伸ばす。 やはりコンビニの醍醐味はおでんと弁当にあり。「便当」という用語は中国語にも溶け込みつつある。「哈便当」は、手ごろ感のある「上乗せ」タイプだけでなく、中華風・幕の内ともいうべき「グルメ感」を打ち出した商品も開発している。
 
日本市場なみに「プレミアムおにぎり」まで現れた。3.2元。中華まんの4倍の価格である。1個10元のカップ面もある。ウォーカー本社界隈の「麺館」の手打ち牛肉麺3元と比べるとずいぶん高い。日本にいるときの相場感覚すると不可思議な現象だ。 広東省では、7月1日以降に生産され「QS認証」の表示のない食品(即席麺や冷飲料など10種)は販売禁止となった。「利便性」という点で住民から愛顧を受けた「小売部」(住宅エリアにある売店)にも淘汰の波が・・・?
 
2004年、上海のコンビニの28.15%は欠損を抱えていたとか。(上海連鎖経営研究所所長・顧国建教授《上海便利店12年の艱難と栄光》)優勢劣敗は今後も進む。てこ入れ策は郊外への進出、そしてQSCの徹底というところか。 品質・衛生・美味に対する消費者ニーズに応えるべく喜士多が採用したのは「18度管理」。生産から検品、配送、販売までの一連の工程を18度に保った弁当は最もおいしく、衛生的なのだという。
 
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