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企業協賛が変える中国スポーツ |
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店舗倍増計画に基づいたスポンサー戦略 スポーツの振興にも一役 |
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上海美津濃有限公司 |
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| 植村征喜氏(左)と荘隆雄氏 |
一三億人の市場が持つポテンシャルを土台としつつ、北京オリンピックを控え、また経済成長に歩調を合わせる形で、徐々に熱を帯びてきた中国のスポーツ市場。 各国スポーツメーカーの覇者はここ中国でも独自のブランディングとマーケティングを展開しているが、企業活動の一環として切っても切れない関係にあるのが、スポンサー活動である。トップアスリートが競い合う舞台は、テレビや報道写真を通して数千万人から数億人規模で企業の製品とロゴを消費者の目に焼き付けることが可能である。 |
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●各種競技に幅広くスポンサー |
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ミズノの中国における会社設立は九四年に始まり、すでに一〇年以上が経過している。設立当初ミズノブランドの中国での知名度はゼロに等しかったという。今では街のあちらこちらでMIZUNOのコピー商品が売られているほど、そのブランドは中国都市部では広く、深く浸透している。
現在ミズノがオフィシャル・サプライヤーとして契約しているジャンルはサッカー、野球、ソフトボール、ゴルフ、卓球、陸上、マラソンなど多岐にわたり、またこれとは別に各競技大会にも積極的にスポンサーを行っている。ほぼあらゆる競技種目のスポーツウェアや用具を自社生産しているミズノからすれば、特定の競技に多額の資本を投下するのではなく、幅広いスポンサー活動を行うことで、スポーツ愛好者全体に満遍なくブランドを浸透させたい考えである。 |
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●息の長い先行投資も、目的は明確 |
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| 野球は中国ではまだまだこれからのスポーツ |
ミズノの中国におけるスポンサー活動の中にCBL(中国野球リーグ)への用具提供がある。この全チーム、全選手への用具提供活動はCBL発足当時から現在まで一貫しており、同社の力の入れようがうかがえる。
「二〇〇一年に北京オリンピック開催が正式決定し、翌二〇〇二年に中国棒球協会とDSM(マーケティング会社)が正式に野球リーグを発足させました。それに先立ち同協会から弊社に野球用具を提供してもらえないかと要請をいただきました。野球はご存知のように中国では非常にマイナーなスポーツであり、短いスパンで見た場合、スポンサーメリットはあまりありませんが、弊社は今後拡大する野球用品分野での第一人者を標榜していることから、用具提供を決断しました」(野球・ゴルフ営業部総監 植村征喜氏)
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| 昨年瀋陽市にオープンした店舗部分総面積一二〇〇uの旗艦店。今後北京上海でも同様の大規模店をオープン予定 |
息の長い先行投資になることはミズノ側も百も承知のようだ。このスポンサー活動に限って言えば、日本国内で野球用品リーディングカンパニーであるミズノの企業文化が、自然な形で発露された結果とも言えよう。CBLもそれに応えて「世界的に有名なメーカーからの用具提供に感謝している」とコメントを発している。しかし、「中国野球界の発展に貢献しているというやりがいはもちろんありますが、弊社も利益を追求する企業であり、社会貢献とビジネスの線引きは忘れません」(植村氏)と明言しているように、あくまでも今後を見据えたマーケティング戦略の一環であることは確かだ。その中国野球界だが、ここのところ、徐々に躍動の息遣いが聞こえてきている。
「先ごろ行われた、アジア野球選手権で中国代表チームが韓国代表チームを4―3で下すという快挙がありましたが、これは中国野球のレベルアップを如実に示すものです。外国との試合に勝利するというのは、国威発揚のためにも非常に大きな意味を持ちますので、こういった流れが続けば、政府も本腰を入れて中国野球界の育成に乗り出すものと思われます」(植村氏) |
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●競技人口の多いスポーツを取りこぼさず |
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競技人口の多いサッカー、マラソン、卓球はどうか。
「その国で一番メジャーなスポーツを無視してスポーツマーケティングは有り得ないというセオリー、換言すれば『サッカーは外せない』ということから、日本のJリーグにあたる『中超』の全一四チーム中、六チームとスポンサー契約を締結しています。市民の娯楽であり、ほぼ毎日のように行われるそれらの試合はテレビ放送を通してミズノのユニフォームを着た選手達の活躍を全土に伝えます。『中超』のスポンサー契約を勝ち取るのは容易ではなく、毎年水面下で熾烈な交渉が繰り広げられます」(体育市場部総監 荘隆雄氏) SARS騒動をきっかけに一層の健康意識に目覚めた市民の中で、もっとも手軽にできる運動のひとつとして愛好者が増えているマラソン。全国で行われる大会のうち規模の大きな一〇の大会でミズノが運営費用を請け負っている。一般市民が直接参加できる大会であり、社会貢献という意味も多分に含まれる。「マラソンは競技人口も多く、大会自体何千人単位で行われるものであり、シューズやウェアを含めた市場としても非常に大きい」(荘氏)
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| 福原愛選手 上海で行われた世界卓球選手権でのひとコマ同社提供のユニフォームを着た人気選手の活躍はインパクト大 |
福原愛選手の遼寧チームへの移籍で「二一世紀のピンポン外交」とも呼べるようなフィーバー振りを日中両国で見せる卓球。中国の卓球人口は俗に四・五億人とも言われ莫大なものがある。ミズノは福原選手の所属する遼寧省女子チームと用具提供契約をすでに締結済み。卓球用ウェアやシューズのラインナップも現在の試験販売を経て、来年から本格的に強化するという。「男女、うまい下手の区別がなくご近所の人たちが自然に集まり楽しめる唯一のスポーツ」(荘氏)という認識のもと、スポンサー活動で認知度を上げ、シェアの拡大を目指す。 |
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●掲げる理念と見事に一致 スポーツ市場の振興と表裏一体のスポンサー活動 |
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以上のスポンサー活動はミズノの展開する多方面へのスポンサー活動の一部に過ぎない。ミズノが展開する全てのスポンサー活動を複眼的に見た場合、ミズノの掲げる「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という理念と見事に呼応している。 ミズノが去る五月一九日に発表した中国での店舗倍増計画によると、「〇四年の五六〇店から、〇七年には一一八〇店へとほぼ倍増させる」となっている。これはこれまでの人口二、三〇〇万以上の大都市から人口五〇万人程度の中規模都市へと、点から面への拡大を意味する。この店舗倍増計画の成否を決定付けるものが、広範囲にわたるスポンサー活動を通してのブランド力の構築である。ミズノが展開する全てのスポンサー活動の持つ意味は各競技の普及発展に寄与するということも含めて、このブランド力構築に収斂されるといえるだろう。 |
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