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金融業の新たな展開 |
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急変する金融関連制度に迅速対応、進出企業を徹底サポート 長江デルタで上海、蘇州、杭州の三支店確立 |
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三井住友銀行上海支店
支店長 正木浩三氏 |
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金融分野における外国銀行への業務開放は予定通りに進んでいるが、一方で規制そのものは依然として厳しい。独特の複雑な制度、頻繁な法改正も続いている。急変する金融関連制度に対応を迫られる日系企業にとって、邦銀の現地支店は極めて頼りになる存在だ。
資金需要の減少傾向が続く日本国内とは対照的に、中国での旺盛な資金需要は、規制の厳しい市場とはいえ、新たに期待の持てる対象であり、邦銀は欧米企業をはじめ非日系企業をも対象とした戦略の確立が急がれている。
三井住友銀行は他行に先駆けて長江デルタ全域をフォローする上海、蘇州、杭州支店の三支店体制を確立し、金融サービス商品の独自開発に力を入れている。 |
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●金融経済動向のポイントは |
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政府のマクロコントロール政策、金融引き締めの影響に注目する必要があります。昨年四月以降、固定資産投資過熱を抑えるため中央政府による行政指導が強化され、一〇月末には小幅な利上げも実施されました。各地で不動産開発プロジェクトの延期、中断が行われ、無許可、無計画で進められた投資が抑制されました。農地の工業用地への転用手続きの原則停止、土地使用の厳格化により、投資熱が冷やされました。
この結果、固定資産投資は前年同期比五〇%増という水準から二〇%増まで下落し、過熱が抑えられ、一時は前年同期比五%を超えていた消費者物価指数の上昇も落ちついてきています。その一方、中国系銀行では新たな不良債権の発生も懸念されていますが、銀行への行政監督は強まっています。中国政府は年率七%〜九%程度の経済成長を維持しながら、過熱を抑えるという舵取りを行っています。 個人的には人民元の大幅な切り上げの可能性は少なくとも短期的には低いと思っています。小幅なものはあるかもしれませんが。というのは中国経済にとって現在、レートを変更するメリットは少ないのが現実でしょう。米国の金利が毎回〇・二五%と小幅ながら上昇が続いており、中国国内の物価動向、景気動向によっては再び金利の引き上げがあるかもしれません。 ご存知のとおり、海外からのホットマネーの流入懸念により規制が強化され、日系企業の人民元借入について、現地法人が本社の保証で借入れる場合も新しい規制に制約される状況にあります。金融分野では政府の規制がとりわけ厳しく複雑で、法令、制度改正も頻繁に行われるため、当支店ではとりわけ迅速で正確な情報提供による顧客サービスに力を入れています。 |
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●上海支店の業務内容の特徴は |
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当支店の業務は、預金、融資、外国為替、送金、決済をはじめとして日系企業の様々なニーズに応えるという内容ですが、厳しい規制のため、デリバティブなど様々な金融商品が多様に取り扱える訳ではありません。とりわけ人民元関連では厳しい規制があります。
私はこれまで香港、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨークなど海外での業務経験が長いのですが、欧米、香港、シンガポールなどにある海外支店と違い、金融商品の規制が厳しいので期待できる収益機会も限られてきますし、結果として他の海外拠点対比で見ますと経費比率も高くなります。 世界展開している日系の製造業など大手企業でも、中国では自社の金融子会社の設立が容易でないため、金融サービス業務では銀行に頼らざるを得ないという状況です。
中国での銀行業務は、今後の経済成長に期待する初期段階と考えており、人民元の貸出金利も規制金利で下限があり、事実上横並びというのが現実です。因みに現在の一年物銀行貸出基準金利が五・五八%、一年物銀行預金基準金利が二・二五%です。 当行では現在、システム商品の開発に力を入れ、独自開発した「輸入財務管理システムソフト」は好評を頂いております。日系企業の中国拠点では貿易額が拡大する一方、独特の規制があり、実務が複雑であるため、事務合理化の要望に応えるために開発しました。また、財務指標の改善、資金調達方法の多様化のため、売掛金を買い取るサービスなども行うなど、より付加価値のあるサービス提供に取り組んでいます。 人事制度面では、私が支店長に就任後、成果、実力主義をベースにした人事評価システムを導入し、上海支店の中国人女性の副支店長が中国五支店のナショナルスタッフについて人事を統括しています。上海支店では副支店長は中国人二名、日本人二名で構成し、現地化を進めております。これからは如何に優秀なナショナルスタッフを確保して登用してゆくかが勝ち組になるために極めて重要なポイントと考えます。 |
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●上海、蘇州、杭州の三支店が揃い、長江デルタでの体制が強化されました |
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杭州支店開設の許可を昨年一二月に得て、これまでの上海、蘇州、天津、広州に加え、五支店体制となり、長江デルタの重要都市である上海、蘇州、杭州に支店を構えることが出来ました。当然ながら香港、台湾地区台北市にも支店があります。支店開設の許可を得るのは容易ではありませんが、当行は蘇州でも唯一の邦銀支店であり、日本での取引に関係なく幅広くお客様に金融サービスを提供し、結果として国内で新規取引が出来た事例も少なくありません。
杭州支店の開設許可は、外国銀行では最初になります。杭州市だけでなく、寧波市をはじめ浙江省全般に亘ってお客様のお役にも立てますし、蘇州支店は江蘇省全体を担当地域にしておりますので、結果として長江デルタ全体にわたりお客様にきめの細かいサービスを提供できる体制が整ったと言えます。長江デルタで三支店体制を実現したのは、外国銀行では当行だけです。 |
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●今後どういう施策を検討されていますか |
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外国銀行への業務の開放は予定通りに進んでいますが、経済先進国と比べると人民元の取扱いを中心に厳格な規制は依然として続いています。たとえば邦銀の支店のない地域に進出した日系企業が資本金口座、外貨決済口座などを当該地域以外の邦銀支店に開設する場合には、当局の許可が必要です。 今後の施策では、欧米系銀行は、〇六年一二月に銀行業務が全面解禁された後、リテール分野の業務に焦点を当て、米シティグループが浦東発展銀行に出資するなどの資本参加を行っているのも将来のリテール業務を視野に入れたものと考えられます。 当行は従来、進出日系企業のサポートに力を入れて参りました。引き続き同分野は最重要分野として注力しますが、今後は日系企業への情報サービスの付加価値を高める意味でも中国系、欧米系、韓国系などの非日系企業の顧客開拓にも注力して参ります。そのために、新しく非日系企業専担チームを立ち上げました。 中国系銀行などへの資本参加についても検討して参りますが、欧米系銀行の様にリテール分野に焦点を当てるといった明確な方針を打ち出すには至っていません。 当面、昨年設立した大和証券SMBCや日本総研の上海現地法人と連携し、M&A等の投資銀行業務、コンサルティング業務をSMFG(三井住友フィナンシャルグループ)として強化します。顧客ニーズに対応して的確なソリューションを提供し、高い評価を得、顧客にとって利用価値がある銀行になることが最も重要であると考えます。引き続きシステム商品の開発にも注力していきます。 中国では日系企業をはじめ世界各国からさまざまな企業が進出し、事業展開も非常に活発で、日本国内とは対照的に資金需要も旺盛です。今後、銀行の果たす役割もより重要になり、ビジネスチャンスも飛躍的に増大してゆくと考えられますので、お客様のご期待にお応え出来るよう努力して参ります。 |
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