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特別インタビュー1    特別インタビュー2
日中の保険事情に精通、豊富な人脈
存在感増す中国初の日系向け保険ブローカー
宜安(ギアン)保険経紀有限公司
董事長総裁 裴漫玉(ペイマンユ)
日本法人部ゼネラル・マネジャー 中山祥一
 

中国の保険市場で、「保険ブローカー」の存在に新たな関心が注がれている。進出企業はリスクヘッジの仕方に悩み、保険会社は巨大なマーケットでの展開に外資規制の壁が立ちはだかる。中国初の日系企業向け保険ブローカーとして誕生した宜安保険経紀有限公司は、昨年末から本格展開を開始し、すでに市場で存在感を増している。中国と日本の保険事情に精通した同社の裴漫玉・董事長総裁と中山祥一・日本法人部ゼネラルマネジャーの両氏に、保険ブローカーが注目される理由についてインタビューした。

  ●「保険ブローカー」の業務についてご説明いただけますか  
 

保険ブローカーとは日本であまり馴染みのないものだと思います。また「ブローカー」と聞けば、少し悪いイメージをもたれる方も多いかもしれませんが、保険ブローカーに対して、欧米の方はよいイメージで捉えています。
保険ブローカーの主な役割は、お客様の立場に立って最適な保険プランを提供することにあります。また、リスクマネジメントや万一事故が起きた際の保険会社との支払い交渉なども業務のひとつです。
保険代理店との違いは保険会社から独立した存在であること。例えて言うならば、保険代理店をメーカー系列である「町の電器屋さん」としますと、保険ブローカーは各メーカーの商品を取り揃えオープン価格で販売する量販店と言えるでしょう。
保険ブローカー業の発展している欧米では法人保険の加入において保険ブローカーの関与率は九〇%近くにまで達する国もあります。一方、日本では九八年に保険料率が自由化されましたが、その後も代理店制度が根強く残り、保険ブローカー業は発展してきませんでした。個人的な見解ですが、これは各大手グループが傘下に保険会社を有しており、資本関係による系列の繋がりが強いという日本特有の文化的背景が深く関係していると思います。
中国の保険ブローカーもいまだ発展途上ですが、中国の保険産業は欧米モデルを目指しており、日本に比べて保険ブローカーが発展する土壌は形成されていると言えるでしょう。

 
  ●中国保険市場の現状について教えて下さい  
  中国の一人当たりの保険料や普及率は依然低い水準にとどまっており、保険料の規模で見ますと、生保、損保ともに日本の六分の一ほどしかありませんが、中国の保険市場は現在急成長を遂げております。まだ保険の歴史は浅く、成長著しいとはいえ、保険会社も経験を積み、ノウハウを蓄積している段階です。市場がいまだ外資に完全に開放されていない理由もそこにあります。
現在のところ、外資の保険会社には中国国内において営業できる地域や扱い保険種目に制限が設けられています。例えば日系進出企業が各省地域にまたがり複数の工場を有している場合、一定の条件を満たせば例外規定がありますが、日系保険会社は営業エリア外にある工場の保険を引き受けることはできません。このため、許可エリア外にある企業や工場に対しては中国の保険会社を紹介するという形で、その再保険を引き受けているのが現状です。
進出企業からすれば、エリア外でも安心できる日本の保険会社に付保したいという気持ちはありますが、中国の保険会社に付保するしかありません。その場合、中方の合弁相手が主体的に保険の手続きを行うなど、日系側は保険内容を十分に把握しきれていないケースが多く見られます。また合弁相手が「中国の保険会社は事故の際に保険金を支払ってくれないから意味がない」と加入していないところもあります。日本の本社からしても、企業全体のリスクヘッジを考えた場合、中国拠点の保険手配面の「穴」は大きな潜在リスクとなっています。
 
 
  ●保険ブローカーである御社が果たす役割と強みは何でしょうか  
 
■宜安保険経紀企業向けサービス
進出企業にとって、ただでさえわかりにくい保険が中国の市場環境によりさらに複雑化しているわけです。保険の本来あるべき姿とは「自分たちのリスクを如何に処理するか」にあります。そこで、私ども保険ブローカーが保険業務のアウトソーシング先としての役割を発揮します。
現在、中国の保険会社の賠償限度額などは、日本のスタンダードからすれば満足できる水準に達しているとはいえません。交渉するには専門用語の中国語力と日中双方における保険の専門的な知識が必要です。また、官僚的な体質のある中国の保険会社と事故の保険金未払い問題などで交渉するには、トップとの人脈がなければできないこともあります。さらに大きな問題に発展すれば、保険当局との太いパイプも必要になってきます。当社は豊富なノウハウと中国で幅広いネットワークを有しておりますので、これら問題に対応できます。
また、当社は中国全土ですべての保険種目を取り扱えるライセンスを取得していますので、お客様のニーズに合った最適な保険の手配も可能です。これは、営業範囲に規制を受けている日系の保険会社との大きな違いであり、保険会社からすれば保険ブローカーと手を組むことでカバーできる営業範囲が広がることになります。
そもそも保険ブローカーとは保険会社にとって喜ばれる存在とは言えません。特に日本では、保険会社は保険ブローカーに対して厳しい見方をしていますが、欧米ではマーケットルールに従い保険会社と保険ブローカーの共存共栄が成り立っており、とりわけ中国の市場環境では今後の共存共栄の傾向が強まるとみています。実際に日系の保険会社もその必要性を認めてきており、保険ブローカーへのニーズと期待は高まりをみせていると感じています。
 
  ●今後どのような展開を考えておられますか  
  日本の多くの保険関係企業も中国で保険ブローカーの認可取得を目指していますが、外資規制によりいまだ参入を果たしていません。当社は一〇〇%中国資本の企業として設立し、ライセンスも取得しました。そして、このたび内資企業として認められる比率内で住友商事、UFJ銀行の日中架け橋ファンド、WebCrewおよびNNIグループなどの出資を受け、日系企業からの信頼度向上とともに、日系保険会社との良好な協力関係の構築に繋げております。
現在当社では、中国語、日本語、英語のできる人材の獲得と育成に力を注ぎ、お客様に満足の頂けるサービスを提供できるだけの体制づくりに努めています。中国本土ではすでに北京、上海、大連、広州、海口に事務所を構えていますが、今後ニーズに合わせて拠点数も拡大させる計画です。また、中国初の日系企業向け保険ブローカーとして誕生した当社ですが、中国企業や欧米企業などとの幅広いビジネスも視野に入れています。
巨大なマーケットと言われる中国の保険市場ですが、個人レベル、企業レベルで保険に対する認識が向上していかなければ市場のさらなる拡大は見込めません。保険ブローカーとして貢献できる余地は大きいと考えています。
 
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