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一〇〇年以上に渡り培われた独自の伝統を継承し、中国保険市場に貢献
広電日生人寿保険有限公司
総経理 津田啓二氏

中国のWTO加盟時に最後の最後まで解決困難な問題として協議が続けられたのが、金融部門の開放による規定であり、その中でも特に保険業界に焦点が当てられていた。先進諸国に比べその構造がまだ成熟しておらず、この業界を保護していきたい中国側と、その発展時期を大きなチャンスと見なし、どうにか巨大市場への足がかりを掴みたい外資系の攻防であった。
今回は日系生保会社としては初めての許可を取得し、他社に先駆ける形で業務展開を続けている広電日生人寿保険有限公司総経理へのインタビューを通し、中国における外資系保険業務展開の姿を考察する。

  ●上海広電と二〇〇三年九月に折半出資で合弁会社を設立し、その後業務開始から約一年半が経過しましたが、現状は  

現在までのところ当初の目標を一年遅れで達成しているといったところでしょうか。昨年一二月三一日からは日本生命が得意としている団体保険も扱えるようになり、すでに一〇ほどの団体様と契約を結ぶなど着実に成果が出ております。
当面の課題としては組織の拡大であり、その組織をどのように作っていくかということが重要課題として挙げられます。
上海広電とのパートナーシップでは、電子・通信製品を手がける保険業界の経験がない合弁相手なので、支障はないかとの問いを受けることがあるのですが、日本生命はその一〇〇年を超える歴史の中で、独自の企業文化を育んできており、その日本生命が信じている方法を中国においても展開しようと思えば、逆に広電の生保に関する経験のなさが、真っ白なキャンバスのようで、理想としている展開を描く際にプラスに働いております。

 
  ●中国人寿、太平洋、平安の三社のみで、シェア七割前後を占める寡占色の濃い市場ですが、これをどのように捉えていますか  
  日本生命は戦後から一貫して、台湾地区や韓国で保険業界の黎明期にノウハウを伝えるためにトレーニーを受け入れるなどして、アジア地区の保険業界に貢献してまいりました。それは中国でも同じです。一九八〇年代後半、保険会社と言えばまだ中国人民保険公司(中国人寿の出身母体)しか存在しなかったころに、同社からトレーニーを受け入れて、人材教育に協力してきました。それが、今はそれぞれが中国で保険事業を行うようになりました。言ってみれば、元は故郷を同じくする者どうしです。
私どもは、隣国であり、経済発展を続けるこの国で、独自の企業文化、ノウハウをもってして何か貢献ができないだろうか、日本とは違った環境で日本とはまた違った効果、結果を出せるのではないか、と考えております。
 
 
  ●日本での業務と比べて違うところは  
  日本では保険というのは保障を買うというふうに皆さん普通に理解されていますが、こちらではあくまでも貯蓄の一種だという考え方がまだまだ根強いです。ですので、保険商品も保障型のものより貯蓄型のものが好まれます。日本も四五年くらい前、時期で言いますと昭和三五年くらいまでは現在の中国と同じように貯蓄型が主流でした。中、長期的には、やはり中国でも日本と同じように保障型が主流になっていくものと確信しております。
現在の中国、わけても農村部では血縁・地縁の絆が強く、金銭面などでも困難があれば、親戚知人などの身近な人に助けを求めるという状況が多いですが、都市化に伴いそういった観念も徐々に希薄化していき、そこに取って代わる形で各種保険商品が普及していくでしょう。それと、こちらでは日本と違い夫婦共働きが普通ですので、「もし一家の大黒柱である旦那様が亡くなったら」という仮定が当てはまりません。加えて、身内の不幸な話題には敏感なので、「もし誰かが亡くなったら」という話は、耳にするだけでもかなり抵抗があるようです。
 
  ●外資系、地場系の同業他社と比べて御社の持つ強みは  
 
■2004年度 会社別実績(業界団体調べ)
私どもは、販売員の教育に関しては自信を持って業界ナンバーワンだと言えます。事実、販売員資格試験の結果でも弊社にて研修を受ける販売員の合格率はトップです。個々の販売員は契約形態こそは代理人ですが、契約してから半年間は原則としてできるだけ毎日出社してもらい、トレーニングを行います。出社は義務でこそありませんが、各種奨励制度を設けるなどして出社率を上げる工夫をしております。何故そこまでするのかと言いますと、保険の販売においては、商品に対する知識は必要不可欠なものであり、一、二週間の研修では不十分だと考えているからです。また、こういった教育こそが良質のサービスに繋がるものと考えております。
 
  ●日本ではニッセイと聞くとセールスレディーを連想しますが  
  現在販売員は上海のみで四〇〇名ほどおり、男女の比率としては男性三分の二、女性三分の一という比率になっております。中国は男女同権の国と聞いておりましたので、女性販売員の比率がもっと上がるかと予想しておりましたが、実際はそうでもありません。学歴で見ますと約四割が大専卒、二割が大卒、残りが高卒となっています。  
  ●今後の方向性は  
 
■2002-2004中国全土、上海経済・保険市場状況(業界団体調べ)
保険事業は一人当たりのGDPとも密接な関係がございます。所得層で言いますと、私どもと契約していただくお客様は平均でも月収四〇〇〇元程度ある方から上を対象としております。まずは経済で先陣を切って走っているこの上海で足場を固め、その後時機を見ながら江蘇省、浙江省などへの展開を考えております。
一一五年に渡って培われたニッセイの伝統を以って、隣国であるこの地に貢献をしたいと思っております。
 
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