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上海華聯羅森有限公司
董事・総経理 落合 勇氏
 

上海でローソンを展開する上海華聯羅森有限公司は、九六年七月の一号店後、当初計画との大きな乖離に苦しんできたが、落合勇総経理(写真)を先頭に進めてきた事業再構築が攻を奏し、〇四年度に単年度黒字を達成、新しい飛躍を目指している。 WTO加盟後、中国は「世界の注目する市場」となり、小売流通業界に外資系の参入が相次ぐ一方、国営企業の再編も進み、激動の時代を迎えている。「外商投資商業領域管理弁法」「フランチャイズ法」など商業分野の開放に関する法整備も着実に進んできた。
上海華聯羅森有限公司・落合総経理へのインタビューで、取り組んできた事業再構築とCVSチェーン展開、上海の消費者動向などを紹介する (編集部)。

落合 勇氏
  ●「上海華聯羅森有限公司」の〇四年度決算が設立以来、初の黒字で注目を集めています  
 

店舗数の増加が黒字転換の最大の要因です。〇四年一二月期決算は七〇店舗の新規出店を実現し、店舗数が二二〇となりました。売上高全体は前期比三八%増です。
私は〇一年に着任したのですが、〇二年から〇四年まで様々な改革を黒字化めざし進めてきました。その成果だと確信しております。
〇二年には出店、人材、差別化商品の各方面で「仮説実験検証」を繰り返し、黒字化へ脱出する方法を探りました。出店は上海でのビル、マンション建設急増に合わせ、ビルイン、ミニローソン、マンション群内での展開を始めました。人材面では日本人を減らし、現地人材を積極登用、インセンティブ制度を採用し、当時一三名いた日本人は現在三名です。これらを背景に〇三年には新規に六二店舗を出店、大幅な収益改善を実現して勢いをつけ、中国での創業九年目となる〇四年に、赤字から脱却出来ました。

 
  ●店舗展開の現状と、今後のフランチャイズ展開確立の見通しについて  
  これまでの店舗展開は合作による形式が三分の二で、直営三分の一というところです。フランチャイズ制度が未整備で、中国では「ノウハウの供与にお金を払う」という習慣がないため、合作という形式で出店してきました。「ノウハウは真似すればただ」という考えが根強いのが現実です。
フランチャイズ法が施行されたので、契約書の内容も変更を検討していきますが、フランチャイズという考え方が浸透するまでには、日本のこれまでを見ても分かるように、時間がかかります。加盟店側の力が、日本における場合に比べ強いという現実があります。
今後、フランチャイズ的な内容をより強め、上海では郊外も含めて五〇〇店舗、最強という地位を確立し、〇八年には長江デルタ地域(上海市、江蘇省、浙江省)で、一〇〇〇店体制に拡大する計画です。長江デルタだけで日本の人口に近く、巨大な市場であり、全土への出店はまだ検討していません。既成概念にこだわらず、新たなコンビニ像、ビジネスフォーマットを中国で確立していく考えです。
 
 
  ●「ローソン」が上海に進出される経緯と経過、中国側との合弁事業に変化はあったのでしょうか
  上海市長の要請で進出したのですが、当時、小売業では「売ってやる」式の商売スタイルが強く残っていましたから、「新しい小売業のあり方」「流通近代化」を上海に取り入れようとの目的があったようです。日本ローソン側では、中国市場の将来性や、まだコンビニ店が空白に近かった点に魅力を感じ、上海が経済成長の中心地ということで、進出を決定しました。中国で売上高二番目の「華聯(集団)有限公司」をパートナーとしましたが、出資比率は当時ローソン側七〇%、華聯集団側三〇%でした。
店舗数の推移を見ると、九六年に一号店を出したのに、〇二年でも九六店舗にとどまっていました。年間平均で一六店の出店に過ぎません。中国のWTO加盟までは外資系企業への軋轢、規制があり、フランチャイズシステム国内法の未整備、国営CVS企業が出店攻勢をかける、という現実に直面しました。
日本で成功したフォーマットを自動的に導入したり、経営の意思決定はすべて日本での承認が必要で、従業員のモラルも上がらず、業績低迷が続き悪戦苦闘しました。
驚かれるかもしれませんが、出資比率は現在ローソン側四九%、中国側(百聯集団)五一%です。私が総経理として考えたのは、やはり「現地化」を進め、日本のノウハウと現地の管理手法の融合を基本に据えることです。そのため、出資比率でも中国側が過半数を占めるべきとの、日本側の考えによるものです。現在、中国人の執行副総経理を置いています。
 
  ●コンビニを通じてみた消費者の変化と、上海ローソン本部の今後の計画は
  朝食は「饅頭、お粥」から、「パン、コーヒー」という欧米型食生活が入ってきています。飲料は常温で飲用という習慣から、冷やして飲む傾向も普及し、男性化粧品の販売が好調です。男性もファッションに目覚めつつあります。年配の方はまだ価格志向ですが、若年層にはブランド志向も生まれています。
SARS以降ですが、衛生面での意識向上と健康食品嗜好も相まって、弁当、寿司、おにぎり販売が伸び、寿司、おにぎりは前年比二倍のペースで売れる人気商品です。ウーロン茶販売も低糖から無糖が増えています。ホワイトカラー、学生がリポビタンDを買っています。
上海のローソン店舗では、「買って三〇分以内に食べることができる食品」「経済インフラとしての機能」などを重視しています。経済インフラがまだ整っていないので、ローソンの二四時間サービスには高い利便性があります。当然のことですが、日本の進んだ点を取り入れます。日本ローソンからの支援は不可欠ですし、逆に上海からも日本に売れ筋商品などの情報を発信し、上海ローソンによる開発商品の日本での販売も将来は視野に入って来るはずです。
新たな飛躍目指して、現地化を更に進める計画です。中国人による経営執行体制、人材育成による優秀な現地人材の積極活用、現地パートナーである百聯集団とのシナジー効果活用、現地取引先を育成し自社ブランド商品を拡大します。
上海市の主要地域でみると、既にコンビニ店舗数は三二〇〇人に一店舗と、日本の水準に近いうえ、外資の参入も続き競争は激化する一方ですが、CVSチェーンでNO1地位の確立をめざします。
 
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