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| 特別インタビュー1 特別インタビュー2 |
日本貿易振興機構(ジェトロ)上海代表処
所長 丸屋 豊二郎 氏 |
| 景気は減速傾向、新中間層の台頭に期待 |
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●最近の景気動向をどうみておられますか |
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景気は全体的に、華東地区の不動産市場を除いて、減速傾向にあるようです。
電機、電子、自動車産業では、需要、生産両面が弱含みで、一〇月以降、生産調整の局面に入ったと考えています。輸出、国内販売ともに伸び悩んでいます。
ジェトロが進出日系企業の協力で実施している「アジア・クイックDI調査」によれば、一一月のDIは輸出比率の高い華南で著しく下落しています。華東地区でもDI指数は弱く、先行きのDIは更に下落しました。
中国市場では白物家電、DVDなどの販売額が、七、八月頃から前年割れが続き、携帯電話の在庫増も続いています。
自動車では、販売台数の前年比増は持続していますが、乗用車販売台数は、前年の大幅増の反動もあり、第3四半期に前年比一%減となり、一〇月の生産台数は前年比一〇%減となりました。今年に入り自動車メーカーの利益は、最近六年間で初めて前年を下回り推移しています。
鉄鋼など素材価格が上昇する一方、自動車販売価格は下落傾向です。 |
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●中国内販型企業の業績をどう考えておられますか |
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内販型企業というのは、中国工場で生産する半分以上を中国国内で販売する企業としていいでしょう。当然、中国工場からは、日本、米国、欧州へも出荷するのですが、中国内の販売で利益をあげる企業が増えていると、私はみています。
電器製品関係で日系企業の巻き返しが顕著です。これまで安価な中国メーカーが優勢だったのですが、所得水準が上がるにつれて、日本メーカーの技術水準の高い製品が人気を集めています。上海市での販売シェアでは、白物家電でも日系のブランドが上位を占めています。中国メーカーは、安価な製品の販売競争に直面し、業績は苦しんでいます。今後、日系メーカーとの技術提携などを選択せざるをないかもしれません。 売上高の数%を受け取るロイヤルティ契約重視戦略を打ち出す日系メーカーがあるなど、日系企業は開発技術の漏洩がないよう、従来の教訓を活かし極めて注意深くなっています。
華南で人気の高級バイクメーカーがあるのですが、日本メーカーと技術提携をしています。中国系企業のR&D開発力は日系企業に較べ、まだかなり弱いと私はみています。 |
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●〇五年の中国経済ではどん な点に注目されていますか |
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中央政府のマクロ経済調整政策が、どの程度、地方レベルに まで影響するかが注目点です。地方では、従来通りの外資導入重視に加え、自分の地方から「第 二のハイアールを、TCLを」という訳で、大企業を育て、遅れている地方経済を発展させた いという考えが強固です。採算性を十分考慮せず銀行からの融資に圧力をかけ、過剰投資する傾向があります。不透明な融資は、効率の低い経済構造につながります。銀行の健全な発展も阻害されます。中央、地方政府が足並みを揃え、経済政策の透明性を高める必要があります。
著名企業の子会社がIPOで株式上場するケースがありますが、子会社の業績はやはり不透明で、資本市場の健全さが阻害されている印象があります。
中国経済の躍進で、素材、エネルギー価格は上昇し、インフレ率は一一月には二%台まで落ちましたが、五%程度になった月もあります。金利水準を考慮すると、実質マイナス金利の傾向です。金利面からも過剰投資に陥りやすいので、生産性、効率性の高い経済構造に転換していくよう十分に配慮する必要があります。エネルギー効率を高めるのも切実な課題です。 |
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●今後の経済の展望はどうでしょうか |
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上海では新中間層といわれる階層が既に六〇%に達しました。公式には家計収入で年間五〇〇〇米ドルですが、実経済ではその二倍の収入があることも多いのです。グレーター上海経済圏(江蘇省、浙江省の主要都市を含む)では、新中間層が一二〇〇万から一三〇〇万人に達し、重要な販売市場に成長しています。
日本人とライフスタイル、気候が似ているので日系企業の商品開発が直接役に立ちます。日系企業もアジア統括本部を華東地域に配置するなど、力が入ってきています。
中国での生産、販売が、企業業績に大きく影響する時代になってきています。
課題としては、日系企業では優秀な中国人材の確保と登用が遅れています。極めて優秀な人材は日本の本社で基礎研究や経営に参加させ、特別に育てるべきです。本社で育てた優秀な人材に将来総経理として中国で大いに活躍してもらう、という戦略が必要です。日本語の使える専門家は圧倒的に不足しています。今後、どのようにして確保していくのか、ジェトロでも取り組んでいるところです。 |
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