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上海環球金融中心有限公司
竹内 克之 氏(副董事長、総経理)
  「上海環球金融中心」建設への情熱
集める上海の新たなシンボルが、「上海環球金融中心(高さ492m、世界一)」として生まれることになる。
「上海環球金融中心」ビルは洗練された近代的なデザインであるが、その最上部には、「月亮門」を表現する空洞部がデザインされ、肩を並べる「東方明珠電視塔」を太陽とする中国の伝統的な陰陽二元論をモチーフとしていて、伝統と現代とが融合している。(編集部)
竹内 克之 氏
  ●工事の進み具合、計画の概要は現在どうなっていますでしょうか  
  基礎工事を順調に進めています。
耐震や風圧、地盤対策等の審査会やテスト、安全対策等最高級の超高層ビル建設に必要な設計上の課題は解決出来たと確信しています。
最初の建設計画では、地上九四階、高さ四六〇mでしたが、現計画は「二一世紀に通用する最高水準のオフィスビル」としてグレードアップし、その結果、地上四九二m、地上一〇一階になりました。床面積も四万平米程増えました。世界一の高さばかりが注目されますが、それはコンセプトを追求した結果です。
スケジュールとしては、九七年着工しましたが、アジア通貨危機をはじめ、経済環境の変化により、予定の変更を迫られました。その後、様々な検討を行い、〇三年二月一三日、上海市長の出席もえて、現計画の「二一世紀に通用する最高水準、超高層のビル建設計画」として再始動しております。
最高水準の安全性を追求し、構造的にもより堅固で予想外の事態に対しても対応出来る信頼性の高いシステムです。オフィス仕様では、通常のフロアで天井高が二・八メートル、ディーリングフロアでは三メートルと世界のトップクラスを確保、システム天井の採用によりレイアウトの自由度を向上させます。床仕様ではOAフロア(一五センチ〜三〇センチ)を装備し、ケーブルレイアウトが柔軟に出来ます。
二一世紀に通用する最高級の金融センタービル建設なので、資金面でも銀行、保険、商社などからの出資を得て、万全の体制で再始動しました。
 
  ●「上海環球金融中心」を建設される契機は何だったのでしょうか  
  上海環球金融中心は、上海市が陸家嘴金融貿易区の中核をなすオフィスビルとして位置づけているものです。一九九二年に陸家嘴金融貿易区のグランドデザインを競う国際入札コンペが行われました。その結果、陸家嘴金融貿易区の中核となる三つの超高層ビルを建設するプランが固まりました。三つの超高層ビルを要として、周囲に高層ビルを配置し、スカイラインを形成するものです。
上海市は三つの超高層ビル建設に当初、中国、日本、欧米の会社をそれぞれ当てる考えだったようです。その一つが既に完成している金茂大厦(高さ四二〇m)で、上海環球金融中心は世紀大道に接し、隣に立地します。
上海環球金融中心の建設を決断したのは、国際金融センターを目指す上海市から、その街づくりのランドマークとなる金融センタービルを建設、運営して欲しいとの強い要請を受けたからです。
上海陸家嘴金融貿易区は、広さ二八平方キロで、上海市にとって二一世紀の中心ビジネス地区(CBD)であり、世界有数の金融センターにしようという計画です。
 
 
 
「上海環球金融中心」概要
「上海環球金融中心」概要
最高水準、超高層オフィスビル
世界有数の金融センターをめざす上海市陸家嘴金融貿易区にとって、核心をなす世界最高水準の金融センタービル「上海環球金融中心(Shanghai World Financial Center)」建設が再始動して、2回目の新しい年を迎える。
アジア通貨危機、中国国内の経済環境変化など、「プロジェクトX」の様に困難を乗り越え、07年の完成に向けて、建設の足取りは次第に力強さを増している。「世界の工場」そして販売市場、更には金融市場としても注目を
 
  ●上海環球金融中心が担う金融センタービル機能とはどんなものでしょうか
  現在、HSBCタワー(旧森茂大厦)に入居されている方は金融関係を始め、製造業、物流の企業も多くおられます。ご存知の様に、華東地域は「世界の工場」と言われるようになった中国でも、成長の著しいところです。工場を華東地域に何箇所も配置する企業も少なくありませんし、そうした企業は全世界を視野に入れた輸出戦略のみならず、中国国内を販売市場として活動しています。  
その結果、東アジア地区の統括本部を上海に置く国際企業が増えています。世界中の相手と二四時間体制で取引する必要があり、そのためのオフィスが求められます。
進出企業が円滑に経営活動するためには、サポートする金融機関が必要です。中国では金融自由化はまだ進んでいませんが、二〇〇六年には外国銀行も国内銀行と同程度まで業務が開放される予定です。資本取引の自由化も徐々に期待されます。金融派生商品(デリバティブ)の取引も活発になってくるでしょう。
上海環球金融中心が竣工する〇七年には、世界最高水準の金融センタービルに入居するにふさわしい金融分野、各産業の東アジア統括本部の活動がますます盛んになると期待しています。
上海環球金融中心では、金融機関、東アジア統括本部だけでなく、法律、会計などの専門サービス事務所も視野に入れています。また、東京と同様、中国の企業も入居されてくると思います。
緊張する二四時間体制での仕事には、リラックスが必要です。新しいビルの施設では、各種施設を設け、この面の配慮も重視しています。更に周囲には正大広場や、住居用マンションもありますから、金融センタービルとそれを支える立派な街が生まれます。森ビルのヴィジョンは、何より街づくりにあるのです。そこに働き、住み、学び、憩うといった街のにぎわいを演出します。
 
  ●竣工にむけて、今後の展望はどうでしょうか
 
  中国、特に上海は、変化が極めて早い場所です。二一世紀に入っ て上海は、それ迄の重厚長大型の産業政策から、第三次産業、先端技術産業に重点を移行させ、住宅 や緑化の推進など環境にも配慮した都市化を進めています。黄浦江両岸再開発計画はその代表的な例 と言えます。
二〇一〇年の万博開催を目指し、更に発展を指向する上海にあって、私共はそのランドマークに相応しいビルを建設し、街づくりに協力していきたいと思っております。
上海環球金融中心が竣工するまでには、幾多の困難を乗り越えていかなければならないと覚悟していますが、柔軟な発想で完成に向けて全力を尽くしたいと思いま す。
竹内 克之 氏
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