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在中リーガルビジネスを語る |
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対談 在中リーガルビジネス |
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外国弁護士 問われる存在開放につれ係争増加確か |
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経済開放に伴い、海外からの企業進出はその勢いを増している。規模の大小を問わない投資が続き、さまざまな新プロジェクトの実行、さらに先発組はすでに第二次、第三次といった業務拡大に踏み切るところも少なくない情勢下、法的トラブルも増加中だ。新たなプロジェクトの実行や何かトラブルに遭った場合の対応に関し、具体的なアドバイスを受けるとした際、日本の弁護士に聞けばいいのか、それ以外の外国の弁護士に聞けばいいのか、あるいは地場の事務所に持ちかければ済むのかどうか、またその折衷型がよいのか。そんな悩ましい中国での法務ビジネスと法治社会の現実を、現地ですでに開業しているベテラン日本人弁護士三人に、対談の形によって解き明かしていただく。 |
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地場事務所との住み分け進む |
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編集部 |
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まずは自己紹介からお願いします。
森脇
一九九五年に弁護士になり、九八年に北京事務所設立と同時に中国へ、その後語学研修を経て駐在、二〇〇〇年から北京事務所長をしています。その間、半年は米ニューヨークにいましたが、その他はずっと中国に。
主な業務としては、まず日本企業の中国進出、即ち、直接投資、知的財産権のライセンシング、商標などの登録や契約書作成など。模倣品対策もあります。北京に事務所を構えていますので、アンチダンピング応訴事件など中央官庁に関する大型案件も扱っています。概ね八割が日系企業、あとの二割は中国の会社が日本とかかわりを持つ場合の案件となっています。
九七年に天津汽車と華北製薬が日本で株式上場を進めようとした件も担当しました。それ以降この種の案件はしばらく下火でしたが、一昨年前あたりから中国企業が香港、ニューヨークで上場するときに日本で公募を行う例が増えており、こういうものも扱っています。
谷口
事務所を上海に設立したのは昨年七月、重症急性呼吸器症候群(SARS)の影響で遅れました。パートナー弁護士と二人で、コンサルティング会社として立ち上げました。
私自身は八八年に始めて中国を訪れました。当時、大阪の高橋正毅弁護士(編注:中国外国弁護士第一号)とともに日中友好協会のツアーで上海、北京へ。高橋先生に誘われたものの、日本の仕事が忙しく手伝えませんでした。その後高橋弁護士が急逝した頃から日本で中国語の勉強を開始し、九八年、九九年に北京外国語大学、北京大学と復旦大学に短期語学留学。専門分野は日本でも扱っていた知的財産権問題です。
仕事内容は、日系企業に関するもの、知財にかかわるもの、登録、ライセンスなどを主にやっています。まだ日本の仕事もあり、月の半分は中国でという出張ベース。本拠は大阪ですので、顧客は関西系の企業が多いです。最近では関西だけではなく、中国地方からの進出も増えています。岡山から上海までの直行便もありますし。
編集部
取り扱う事件は、中国における知財関係のものが主ですか?
谷口
専門にやっていますので、その方面の雑誌に投稿寄稿し、出版物もあります。日本貿易振興機構(JETRO)上海事務所のIPG(知財権問題グループ)の翻訳等のお手伝いもしています。やはり、知財問題はどの日系企業も抱えている問題ですから。
新井
現地の弁護士事務所と提携してらっしゃるのですか?
谷口
言葉の問題もあり、提携する地場の弁護士事務所から常駐で来てもらっています。 |
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| ■ファンド発行関連の案件も |
新井
私は八五年に弁護士になり、三年目に米国のロースクールに留学しました。そのまま米国に残り、今年二月までロサンゼルスで一三年、日米のからむクロスボーダー取引の仕事をしていました。中国との縁は、二〇〇〇年前後から米多国籍企業が大きな買収や戦略的提携により対中進出を増加させたことに始まります。その頃、日本の持株会社の中国でのストラクチャリングなどを多く手がけていくうち、ここらで上海に行って本格的にやろうということで引っ越しました。
当事務所は全世界で約一〇〇〇人の弁護士がいます。アジア地区には東京、香港、北京および上海にオフィスがあり、一五〇人ほどの弁護士がいます。中国資格者はそのうちの五〇人くらいでしょうか。仕事は直接投資ばかりではなく、どちらかというと取引法的なやりかたで、米欧日の企業による中国進出の際の支援をすることが多いです。また、金融自由化を控えた新商品の開発、たとえば人民元やA株とリンクした金融商品などの仕事をしています。
プライベートエクイティといわれる海外ファンドが相次ぎ対中投資するといった現象もあり、これに関する案件も多くなりました。特に上海は注目を浴びており、米系ファンドに日本の投資家が入っていたり、日本の都市銀行のファンドの中に米系ファンドが織り込まれるようになったり、そういった形で動きが始まっています。
森脇
新井先生の場合、必ずしも依頼者が日本企業というわけではない?
新井
事務所としてはむしろそうでないほうが多いですね。六〜七割が欧米系、あとの三割ほどが日系というところでしょうか。私個人としては日本の会社の割合はもっと多くなりますが。
谷口
会計事務所と提携してらっしゃるのですか?
新井
提携はありませんが、みなさんと割と仲良くやっています。特に会計事務所がやりたがっているストラクチャリングとか、企業買収の実行というような法的に彼らができないところでお声がかかるといった感じです。 |
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| ■法解釈も役所情報頼みの面 |
編集部
法律の専門家の目から見て、中国の法律あるいは法社会に対する見方を。
新井
中国で分かりづらいところは、判例法がないところです。事実関係に照らして法律がどう運用されているのか。米国でも日本でもかなりしっかりした判例法があり、何か事件が起こったときに前回はどう対処したのかが参考にできる。中国では、弁護士が直接役所に「この点どうお考えですか」と尋ねることが頻繁です。こういうのは米国や日本では伝統的にはリーガル・プラクティスとは言わないのです。
編集部
役所に聞いた場合、答はもらえるのですか?
新井
もらえます。ただ、それが本当に拘束的な見解なのか、お役人個人の見解なのか見分けが難しい。それを顧客に伝達しても、弁護士としては責任が負えません。
谷口
法律が条文通りにそのまま適用ないし運用されているものなのかどうか、そのあたりがファジーですね。
森脇
法律はどんどん制定されています。五年前、一〇年前に比べ格段の差。しかし、まだまだ日本や米国に比べ透明度が…。われわれも照会として窓口になる役所に聞くのですが、その答がもしかすると個人的見解かもしれない。また地域ごとに対応が違う場合があるかも。
新井
日本は法規のプライオリティがしっかりしているのですが…。
森脇
一応法律でプライオリティは決められていますが、実務上はなかなか難しいですね。地方と中央の関係でいうと、例えば上海外高橋保税区の貿易会社が実質的な国内販売なんかをやっていますが、あれは中央の規定に違反するという議論がいまだにあります。しかし、これだけ実例が増えるともうダメだとも言えず、結局黙認。こんな微妙な強弱があります。 |
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| ■法曹養成システムと司法制度 |
新井
中国はものすごい数で司法試験を通らせ、いま年二万五〇〇〇人くらいですよね。日本は、かつてより合格者数を増やしたと言っても現在一〇〇〇人ちょっとです。実際、合格後の司法研修制度といったものがない。裁判官の任官が司法研修とリンクしていなかった点もよく指摘されます。
森脇
日本と同じように司法試験を行うようになったのは実は二年前から。裁判官は退役軍人などの再就職先となっていました。
編集部
かつて、海外の大学を卒業すれば、法学部卒でなくても、帰国後、試験を受けずに裁判官になれた時期があったとか?
森脇
だいたい弁護士試験が毎年コンスタントに行われるようになったのは九〇年代初めです。当時は、海外で大学院を修了して帰国後、無試験で弁護士の認可を得るという方法が広く行われていました。現在三〇代後半あるいは四〇代前 |
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森脇 章(もりわき あきら)
92年慶応義塾大学法学部卒。同年司法試験合格。95年弁護士登録(アンダーソン・毛利法律事務所入所)。98年北京言語文化大学において語学研修後、中国政法大学法学部にて中国渉外経済法を研究(普通進修)。99年北京事務所常駐代表就任。00年ニューヨークWinthrop,Stimson,Putnam&Roberts法律事務所にて研修。00年北京事務所常駐代表に復帰(北京事務所長就任)。02年アンダーソン・毛利法律事務所パートナーおよび北京事務所首席代表就任。04年4月から中国政法大学アジア(東アジア)法研究所客員教授。 |
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半のバリバリ働いている弁護士にはこういった方が多いです。当時留学できた方はもともと選りすぐりの人材です。私など足元にも及ばないほど頭もいいし、優秀です。
新井
彼らがいなかったら現在の法治主義の背骨はできませんでした。そういう意味では素晴らしい。
森脇
無試験がおかしいとか、特別認可弁護士が悪いとかいうことでは絶対ない。彼らは中国の中でもエリートなのですから。
谷口
当時、国内ではやりたくても法学教育がなかなかできなかったのです。教える人も少なかったはずですし。
森脇
また、最近の試験合格組の若い法曹もやる気に燃えています。上海や北京には法院に知財部があり、そういったところの裁判官は、外国の新しい理論を吸収し、いい判決を書こうと意欲に燃えています。
新井
トップの人たちは非常に優秀で、米国流法学教育を受けて帰国し、バリバリやっている人が多いが、自分が中国人だという意識はほとんどないですね。非常にインターナショナルで言葉の支障もまったくない人たちがいるわけです。彼らには期待できます。 |
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| ■IP対応、中央は積極的 |
編集部
谷口先生は事務所開設からまだ間もないわけですが、専門としている知財権問題についてなども。
谷口
WTO加盟に伴って、法整備はできてきたと思います。ただそれを適用ないし運用するにあたっていろいろ問題があります。
森脇
やはり、どこの国でも、もちろん日本でも、初期段階では、偽物やコピー製品を受け入れてしまう土壌があります。しかし、どこかの段階で偽物を持つことが恥ずかしい、という社会にならないと対策は難しいですね。中国でも富裕層の中には偽物が恥ずかしいという文化が浸透しつつあると思います。
新井
いま、名の知れたブランドの会社や外国法律事務所とかのインプットだったら、当局は親身になって受け止めてくれると思います。
谷口
中央政府は一生懸命やっていると思いますよ。その姿勢はよく見えます。
新井
われわれが扱った事件では、当局が訴えを受理し、実際に現地で捜査の末、当該業者の逮捕にまで及んだ事件もあります。
谷口
北京では、この店は模倣品を売っていませんというリストも作られ、積極的にネット上で公表されています。
森脇
中国もブランド育成に転じている中、自前のブランドが次第に台頭していることも見逃せません。世界の中で自国の知財を守って行かないといけないとの考えが、自国の知財法制の運用の強化につながるわけです。その意味では、取り締まりは今後さらに徹底的にやっていく方向ですね。
谷口
先日、清華大と北京大の学生を前に国家版権局が講演を行った際、偽物やコピー製品に対する行政の迅速な対応を促す意見が出たそうです。すると版権局の局長はここ五〜一〇年以内に現状を飛躍的に改善させると答えたそうです。学生らに言わされた格好ですが、中央政府は取り締まりに積極的です。ただ、広い国でもあり、一挙にかつ平均的にというわけにはいかないようです。 |
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| ■小規模事務所に機動性の利 |
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編集部
中国は案件の豊富なところと見受けます。ビジネスの市場としてみた場合、だからこそやりやすいといったことがあれば…。
新井
中国は市場の住み分けが弁護士の世界でもけっこう進んでいると思います。いわゆる資金回収訴訟などをきちっとやってくれる、裾野が広い、わりと小さめな個人事務所が少なくなく、そういったところは費用も抑えて機能しています。一方で、地場の大きな事務所は大きな外国事務所と競争する。そのうち二〜三軒は大きな仕事のため、一〇〇人規模またはそれ以上の人材を揃え、費用も外国事務所とそう大差ない。
技術面では、外国の弁護士が、現在でも地場の事務所にもともとなかったテクノロジーを教えている側面があります。ただ、中国のプロフェッショナルは判例法のないところに育っているので、法規定のあてはめなど、そのあたりの訓練はなかなか難しいようです。
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新井敏之(あらい としゆき)
80年東京大学経済学部経済学科卒後、82年同学部経営学科卒。85年司法研修所修了、弁護士登録。アンダーソン・毛利・ラビノビッツ法律事務所勤務後、ロータリー財団奨学金を受け、88年コーネル大学ロースクールにて法学修士号取得。
91年Paul,Hastings,Janofsky & Walker法律事務所のロサンゼルス事務所入所、04年まで同事務所にてクロスボーダーの取引案件に従事。弁護士資格:日本、カリフォルニア州、ニューヨーク州、ミシガン州。専門:戦略的提携、企業買収、金融新商品、国際間の直接投資。 |
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編集部
現時点においては、外国の弁護士でも、とにかく地場の事務所とうまくつながり、役所とコネがあるところほど有利だと言えるのでしょうか?
新井
これまでは、それをセールスポイントにしてやってきた事務所が現に多くあります。役所の言うことを右から左に移しただけでは、なかなかリーガルプラクティスとは言えないのではないでしょうか。そのあたり、われわれの受けてきた訓練からするとギャップがあります。事実の分析と、法律の規定の趣旨に基づく解釈はもっと強調される必要があるのではないでしょうか。 |
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| ■刷新欠かせぬ弁護士ビジネス |
森脇
わたしは北京常駐ですが、提携する地場事務所との関係は九八年以降開拓してきました。提携先のうち、地場の大手事務所の場合三五〇人もの弁護士を抱えるところもあります。また、言語は中国語のみであるが、訴訟など特定の分野に造詣が深い弁護士からなる少人数事務所ともいくつも付き合いがあります。基本的には、事案により自由に選べるように、特定の事務所とエクスクルーシブな関係は持たないという方針です。
最近特に思うのは、中国人弁護士の質の向上です。特に、証券、不動産開発、アンチダンピングなどの分野には相当専門性を持つ弁護士がいます。一緒に仕事をするパートナーとして頼もしい限りです。
このような中で、われわれが役に立つ分野を開拓する作業は、中国に進出している大手メーカと似ているかもしれません。つまり、地場に負けない最新のテクノロジーを導入することが必要になります。契約書の作成にしても、常に一歩先をいくドラフティング技術を提供しなければなりません。M&A、グループ企業の再編成、不良債権処理、金融商品開発、証券業務、といった比較的新しい分野 |
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谷口由記(たにぐち よしのり)
74年関西大学法学部卒。77年司法試験合格、80年司法研修所修了、弁護士登録。東野原・藤原・池尾法律事務所入所、86年谷口法律特許事務所開設、弁理士登録。98〜00年北京外国語大学、北京大学、復旦大学で語学研修。01年心斎橋総合法律事務所パートナー弁護士。03年合流聯諮詢(上海)有限公司設立、同年弁護士法人フラーレン(Fullerene
L.P.C)パートナー弁護士。知的財産権、不正競争などに関する著書(共著含む)・論文多数。 |
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においても、一通りのことができる地場の弁護士はすでにいますから、よりハイクオリティのリーガルテクノロジーを提供することが必要になります。規制緩和のあおりを受け、契約書等やトランザクションスキームが自由に組めるようになりつつあることが、このような需要を生み出しています。最近では、東京本部の各分野の専門弁護士と中国マターについて十分討論を行い、日本等において行われている最近のスキームやドラフティング技術を中国においても用いることができないか、という角度から検討する機会が増えています。非常に充実感がありますね。
編集部
営業のプレゼンテーションのように、自分から得意なものを提示していかないとなかなか難しいようですね。
森脇
香港地区から中国本土に中国やアジアの各エンティティのヘッドクオーターを移したいといったグループ再編の仕事などは、確かに企業ニーズとの突き合わせが必要であり、「中国では今度こういうことも可能になりましたよ」ということを積極的に申し上げて、ニーズとマッチさせる、ということも必要でしょうね。
編集部
海外からの経験豊富な事務所も規模を大きくし、地場と競争すべきなのでしょうか。
森脇
地場と競争、というよりさっき述べたように、それぞれの専門性や長所を生かしあうことが大切なのでしょうね。小さい事務所との協調も必要です。
新井
マーケットが違います。ですから、同じ土俵で相撲を取る必要もないのではとも思います。私たちは地元の法律事務所ができないことをさらによりよく遂行したいと思っています。
森脇
倉庫に不審人物が侵入した、また税務局の検査が入ったので何とかしてくれといった場合、大きな事務所に言ってもなかなか動かない場合が多いかもしれません。そういった時、地場の小さな事務所ならではで、とりあえずきょうのところは丸く収まるといったケースなど、機動性の発揮も必要です。 |
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| ■市場開放で弁護士の役割増す |
編集部
今後の展望について
新井
WTO加盟後、上海も北京も一流の国際都市になってきていると思います。五輪、万博などをきっかけにさまざまな進歩のチャンスもあり、また新しいビジネスづくりにも期待できます。対中投資と国際取引が増え、われわれ弁護士の役割も増えるでしょう。その意味では弁護士冥(みょう)利につきますよね。個人的には一〇年くらいのスパンで中国駐在を考えています。
森脇
私は中国に来て七年目になりますが、方向性は今後も同じです。WTO加盟をきっかけに、法律のインフラ整備や規制緩和が急速に進んでおり、ようやく渉外弁護士らしい仕事をできるようになってきたともいえます。あとはエンフォースメントですね。ここがしっかりすれば、さらに仕事がやりやすくなるでしょう。楽しみです。
谷口
関西を拠点にしている私のところへは、銀行などから法的問題を相談に来ることもあります。ところで、中国には判例法がなく、分析例も少ないのでこれから作成しないといけません。判例に対して見解が少ないのです。判例がない場合には、下級法院が最高人民法院におうかがいを立てたり、最高人民法院が司法解釈を出して判例を統一しようとしたりしています。
また、日本企業の国際化は中国進出を通して実現されるので、そこをバックアップしていきたいと考えています。知財事件にもたくさん種類がありますから。 |
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