上海ウェネバーオンライン
中国(上海・北京)生活情報満載!!
連載

中国で売る!
氷ビジネスにいち早く着目
おいしい氷の普及に情熱注ぐ
第10回〜上海暁徳食品有限公司

 
日本ではお馴染みの店頭での氷販売だが、中国では数年前にスタートし たばかり。長く飲み物を冷やす習慣のなかった中国で、氷ビジネスをいち 早く仕掛けたのが上海暁徳食品有限公司・総経理の何偉氏だ。留学先の 日本で出会ったおいしい氷が何氏のビジネスのルーツ。日系コンビニエ ンスストアからスタートし、地元系コンビニから外資系大型スーパーまで 販路を拡大させている。
留学先で知ったおいしい氷
宮城信彬の不動産ニュースここがポイント
何偉・総経理
九〇年代初頭、日本に留学していた何偉氏は、後の起業のきっかけとなったおいしい氷に出会う。ある日、バーの製氷機で作った氷が切れ、何氏はコンビニで氷を買ってくるように命じられた。  
「氷が販売されていることにまず驚いた。お金を出して買う氷とはいったいどんなものなのか味見をすると、確かにおいしい。新鮮な体験だった」(何氏)
日本の大学を卒業した何氏は、故郷の上海に戻り、約七年間、日系大手銀行に勤務した。この銀行時代にも氷を巡る体験をする。社内でパーティーを開く際、飲み物に入れる氷を探したがどのお店にも置いていなかった。「氷が手に入らない不便さを感じるとともに、日本のおいしいの味を思い出した」と何氏は話す。  
そして〇二年、何氏は氷を販売する会社を起すことに決める。製氷機で簡単にできると思っていた氷だが、水道水から不純物を取り除いた純水でおいしい氷を大量に作るには、プラントが必要なことが分かった。大きな投資を迫られた何氏だったが、留学生時代の原体験に支えられた確信は揺るがなかった。  
「おいしい氷は、必ず中国人に受け入れられる。食生活の多様化で、飲み物を冷やす習慣は普遍化していくだろう」  
二〇〇二年、何氏は上海暁徳食品有限公司を設立、日本からプラントを輸入し、氷製造工場を上海浦東に建設した。
日系コンビニから販売開始
宮城信彬の不動産ニュースここがポイント
コンビニやスーパーで販売されるロックアイス商品

会社設立前から販路として何氏の念頭にあったのが、日系のコンビニ。臭みがなく、溶けにくい透明なロックアイスを持ち込むとすぐに販売が決定した。  
「コンビニには日本で標準商品の氷を、中国でも販売したい意向が前からあったようだが、弊社が設立される前は氷を納品できる業者がいなかった」 販売をスタートした冬場には大きな動きは見られなかったが、春先から販売が立ち上がりはじめる。五月には他の日系や地元系のコンビニでも販売がスタートし、夏場には大きな成果を上げた。  
「一年間のマーケティングを経て、氷は予想以上に季節モノということが分かった。一年間の販売量のうち、四分の三が夏場だった」  
そこで同社は、年間を通して販売が期待できるバーやスナック、五つ星ホテルのラウンジバーなどへの納品を増やしていった。同時に、外資系大型スーパーの販路も開拓した。
中国最大の氷メーカー目指す
プラントで生産する氷(ロックアイス)の生産とともに、国産メーカーの製氷機で作るキューブアイスの製造販売もスタートした。狙いは購入者層の拡大。  
「これまで富裕層や外国人を顧客として取り込んできたが、広く庶民にまで弊社の氷を知って欲しいという思いがある。そこで昨年より地元系のコンビニに一元一袋のキューブアイスを投入した」
同商品は、臭みのない氷として認知度を上げ、売り上げを伸ばしている。利益率は低いが、「おいしい氷を知ってもらうきっかけ」として今後も力を入れていく。
中国の氷マーケットはまだまだ小さい。上海や広州でも九割以上の市民は氷を買ったことがないと何氏は見ている。
「その層の二、三割においしい氷のファンになってもらいたいk。キューブアイスはそのための大事な商材。今年は設備投資し、生産量を倍に増やす。同時に大事な主力商品であるロックアイスの販売を伸ばしていく」
国外からロックアイスを輸入する企業が出てくるなど、すでに中国で氷ビジネスを狙うのは同社だけではない。今後、同社は先行企業の強みを生かし、中国最大の氷メーカーを目指していく。