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連載

中国で売る!
店頭で納得させる素材の違い 中国でも「ラップの定番」へ
第8回〜クレハ

 
冷蔵庫や電子レンジの普及に伴い、食品保存用ラップを使う習慣が定着してきた。しかし、市場に出回るのは品質・機能性に乏しい普及品。ラップの定番「クレラップ」の違いを消費者に伝え、購買に結び付けるには、店頭コミュニケーション活動がカギとなる。
使ってみれば「適正」価格
宮城信彬の不動産ニュースここがポイント
「リピーターが多いのは、うれしい自信」という 増田泰男・董事総経理

見た目は同じ透明のフィルムでも、使ってみると伸びて切れにくい。その違いは素材にある。中国市場で一〇〇%近く普及しているのはポリエチレン製のラップ。一方、クレラップは日本で約七〇%のシェアを占めるポリ塩化ビニリデン(PVDC)製で、電子レンジでの「耐熱性」、鮮度維持や臭い移りを防ぐ「ガスバリア性」が高く、独自の刃の形状により「スパッと切れる」など機能性にも優れている。ただ、その分店頭の価格差は二倍強――。
クレハは今年八月に販売会社「上海呉羽貿易有限公司」を設立し、「酷拉普微波炉保鮮膜(クレラップの中国名)」の本格販売に乗り出した。さらに遡れば、二年前の〇四年から上海でテスト販売を開始、併せて消費者調査なども繰り返し販売戦略を練ってきた。
「実際に使ってもらえれば、価格差は納得してもらえる」。新会社を設立してスタートを切ったのは、その手応えをつかんだからに他ならない。
ひとつの調査結果がある。スーパーで売られている通常のポリエチレン製ラップの価格帯は約四〜六元。「クレラップ」のパッケージだけを見せて価格を予想してもらったところ、「高くても八元ぐらい」との意見が大半を占めた。しかし、実際に台所で使用してもらった後で同じ質問をすると、「一二〜一六元」という答えが返ってきたのだ。「クレラップ」(三〇cm×一五m)は、一四元前後で店頭に並び、高いリピート率を維持している。
そうなれば、販売のカギは「手にとって使いやすさを実感してもらうこと」に絞られる。同社が推進するのが「店頭における消費者とのコミュニケーション活動」だ。増田泰男・董事総経理は「高所得者層をターゲットにした品質の良い輸入商品というだけで浸透させていくのは難しい」と指摘する。
店頭販売員によるプロモーションはテスト販売の段階から実施してきたが、「質を上げ、回数を増やしていくのはこれから」と増田氏。店頭販売員とのミーティングも頻繁に行なっており、とりわけ教育には力を入れている。
共通認識でライバルと足並み揃う
日本で「ラップの定番」と言えば、「クレラップ」と並んで旭化成の「サランラップ」の名を挙げる人も少なくないだろう。この最大のライバルは中国市場でひと足先に「旭包鮮保鮮膜(サランラップの中国名)」の本格販売を開始している。
当然無視できない存在であるが、増田氏は「PVDC製のラップメーカーとして単に競合するだけの関係でもない」との見方を示す。
中国ではラップを食品の「埃よけ」としてしか利用していないケースも少なくな製のラップによって、用途を広げていく必要がある。「まずはPVDC製ラップの優位性を理解してもらい、市場を拡大していくという点で両社のベクトルは変わらない」(増田氏)というわけだ。
小売量販店の仕入態勢にも変化
同社は〇八年度に年間三〇〇万本、売上五億円の目標を掲げる。九月からは北京でも代理店とテスト販売を開始したが、当面は上海を基盤として現在、約二〇企業一〇〇店舗の販売先を華東エリアの周辺都市にも広げていく計画だ。
これまで「取引関係の深さで仕入先を選ぶ」という傾向の強かった小売量販店側に、高品質を求める消費者ニーズを品揃えに反映させる動きが出てくるなど、追い風の兆候も出てきているという。  
また、一〇月からは主力のラップに加えて、ジッパーバッグと食品保存用ビニール袋の販売も開始した。クレハは中国市場でも「クレラップ」の安全・高品質・高機能を武器に食品保存容器分野のトップブランドを目指していく。