各社に共通するのは、日本の味をそのまま持ち込まず調査を重ねて中国人向けにアレンジしている点と、中高所得者をターゲットにしている点だ。 たとえば日清食品(中国)投資有限公司は、数百社のメーカーが乱立する即席麺市場で、拡大路線から販売地域を絞る戦略に切り替えた。同社は九六年に市場参入し中国全域での展開を打ち出したが、農村部で苦戦。物価の安さに、主力とする小売価格四・二元のカップ麺が太刀打ちできなかった。袋麺、カップ麺を合わせた年間消費量四八〇億食のうち、半分は一元以下で売られている。これに合わせるには、物流コストや小売りマージンを勘案すると〇・五元以下で製造しなければならない。しかし外資の場合は、人件費や、沿岸部での製造によるエネルギーコストがかかり難しい。 このため上海日清は、上海、江蘇省、浙江省のホワイトカラーにターゲットを絞った。製品別ではカップ麺を強化。中国ではまだカップ麺の比率は五%未満だが、「屋外でも食べられるし手軽。伸びが期待できる」(佐藤弘徳・董事、総経理)とみて、同社のカップ麺と袋麺の比率を八対二にしている。一方、地方向けには、中国の即席麺製粉メーカー・河北華龍麺業集団有限公司に出資して〇四年に設立した華龍日清食品有限公司で手堅く展開している。こうした戦略の結果、日清の中国における生産量は〇三年の三億食から〇四年は二・八億食に減ったにもかかわらず、売上高は四・六億元から五億元に増えた(表@)。 ターゲットを絞るとともに品質面の強化も視野に入れる。今年一〇月に乾燥野菜などの残留農薬、抗生物質、微生物を検査する安全研究所が中国で完成する。日本輸出向けだが、「中国側もこうした点を重視するようになるだろうから、いずれは中国向けの検査事業も立ち上げる予定」(同)だ。