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  宮城信彬の不動産ニュース VOL.12  
大規模投資に動き出した海外不動産ファンド
去年の初め頃から、多くの海外不動産ファンドが上海での調査を進めている事は周知の事実でありますが、比較的小規模の案件が殆どを占めます。内外の企業が急ピッチでビジネスを拡張している上海では優良オフィスのスペースが不足気味で、賃貸料もここ数年緩やかに上昇中です。海外の不動産ファンド企業もずっと熱い視線を送りつづけていたものの、未だマーケットが成熟していないとの見方が大方で、大規模の投資はこれまで見送られて来ていました。そのような状況の下、先日ある海外不動産ファンドが竣工間近のGradeAオフィスを購入し、話題を呼んでいます。
今月のこのコーナーでは、オフィス/大型不動産投資に関するニュースをピックアップしてみました。
「今月のニュース」
一月二六日付「新聞晨報」
凱徳置地中国控股公司の親会社であるシンガポール大手デベロッパーCapitaLandは、オーストラリアの不動産ファンド会社Macquarieの傘下で、不動産ファンドの専門管理会社MGPA (Macquarie Global Property Advisor Ltd.)と協議書にサインを交わし、CapitaLandが現在上海で開発中オフィスビル新茂大廈の九五%の株式を九八〇〇万ドルで譲渡したと発表した。
宮城信彬の不動産ニュースここがポイント 解説
これは、海外不動産ファンドが上海にて初めて大型不動産物件を買い上げた案件である。これまでの同類のファンドは、資本参加・共同開発という形態で上海の不動産プロジェクトに介入するものが殆どであった。幾つかの成功案件もあるが、一般的にマイナーシェアが主流だった事から、今回のこの大型案件は業界内外で非常に注目を集めている。
この新茂大廈というビルは新天地の隣り(太倉路・馬当路交差点の西南角)に建築中のGradeAオフィスビルであり、来年の一月一日に引渡し予定である。地上二〇階建て、延べ床面積が約三万二〇〇〇平方米と規模は小さいものの、立地条件の良さと超大手デベロッパーであるCapitaLandの開発という事で、早くから期待されていた。更に、このエリア付近のハイグレードオフィスビルはどこも満室状態の為、同ビルは竣工後すぐに埋ると見られていた。
  新茂大廈
新茂大廈

同エリアのGradeAオフィスの賃料はここ数年上昇している為、新茂大廈はまずまずのリターンが見込まれる。従って、幾つかの海外の投資機関・開発業者が興味を示し買取交渉を進めていた。最終的に買い取ったMacquarie社は、今後国際的な不動産仲介業者に委託し、賃貸募集を始める事になる。前述のように、短期 間で満室になる事が予測される。

もはや海外の不動産ファンドは、これまでのような小規模案件では満足できず、今後は大型プロジェクトを積極的に検討していく事が予測される。今回のMacquarieの案件がその先頭をきった形となるであろう。

また、日系の不動産ファンドも市場に 参入して来ている。その内の数社は既に 市内にオフィスを構えており、幾つかの 物件を購入済である。今後も更に多くの 日本からの投資が増える見込みだ。
CB RICHARD ELLIS メモ
今回のオフィスビル売却によって、CapitaLandが上海で建築を進めているオフィスビルプロジェクトは無くなった。現在オフィスの他に宝山区、閔行区にて住宅開発を行っている。
注目されるのは、同社が最近深センの国際信託投資企業から委託され、今後米Walmartの為の店舗開発を手掛ける事 になっているという事だ。新茂大廈の売却は、キャッシュフローを念頭に置いた戦略だったとも取れる。
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