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  不動産「抽選方式」による分譲も登場  黒ちゃんの--失敗しない中国ビジネス講座  
   
黒ちゃんの…
失敗しない中国ビジネス講座

  「黒ちゃん」こと黒杉政博です。中国でビジネスする際は、まず中国という国をよく知る必要があることを第一回ではお話ししました。では一体世界から注目されている中国ビジネスの本当の姿はどうなのか、中国ビジネスはいまどういう方向に向かっているのか…。今回はこれらのことについてお話しします。
(構成 吉田梨華子)    
第二回 こだわりもって「本質」理解

黒杉 政博(くろすぎ・まさひろ)
一九四八年、静岡県清水市生まれ。サンケイ(現産経)新聞広告部を経てヤオハン入社。各地の店長、ブラジル農園派遣などを経て北京賽特購物中心有限公司総経理、無錫八佰半百貨有限公司総経理などを歴任。現在、上海・徐家匯のレストラン「Cuross」店主に就くとともに、経営コンサルタントに従事。
可能性高い開放のひずみ是正
自分自身の経験からいうと、日本でビジネスをする際は、経済の動きに注目していましたよね。私はサービス業だったから、例えば消費税が導入された際は、経済活動の一挙手一投足に目を向けていました。北京に駐在し、中国のビジネスに触れたときにいちばん感じたのは、政治と経済が密接にくっついていること。もちろん日本も政治の動きに経済が左右されることはあるけれど、中国はそれが顕著。中国で成功したいなら、この国がどういうステップで変わろうとしているか
、今後中国がどうなるかをいつも念頭に置いてビジネスをしていかなければならなくなります。目先の利益だけ考えて投資を繰り返すだけでは、かなりリスクを負うことになるのです。
中国はいまとても自由な雰囲気があふれています。それは経済開放を進めてきたからですが、オリンピックや万博の開催決定を起爆剤として、さらに経済発展を遂げようとしています。しかしながら、現実には国内資本のみで成長しているわけではなく、海外からの莫大な外貨資本の流入に依るところが大きい。海外投資が多く経済開発が進む沿海部と、投資家の目がなかなか向かない農村などの多い内陸部の所得格差が広がり、深刻な問題となっています。
これら問題に歯止めをかけるために、中国政府はもしかしたら何らかの制約を新たに設けてくるかもしれない、という気がしています。開放の後には制約、その後に開放…こんな二つの波を繰り返して成長する可能性があると私は見ています。
揺れるハイリターン経済
上海に住んでいると、海外からの投資がものすごく増えているのが分かります。さまざまな国のさまざまな会社が来ているな、と実感しています。しかし、むやみやたらな開放はありえず、何らかの歯止めがかかるかもしれないと見越している人はどのくらいいるでしょうか?
見ていてすごく不安になりますね。
これは中国人にも言えること。特に不動産会社。大手はリスクを考えて経営されていると思いますが、上海の街を歩けば数限りない不動産会社がある。中国人はすぐに利益が得られそうなビジネスに目を向けます。ですから、これまでは、ハイリターン確実の不動産業に参入する人が増えていたものです。

中国まるかじりっ! 旺盛な胃袋と食欲があってこその中国ビジネス
ここでちょっと日本のバブル経済の時期を考えてみて下さい。最初は土地が高値で飛ぶように売れたのに、地価が急激に冷え込んだでしょ? 何せ、中国の土地はもともと国や集団による公有物。その土地の利用権を売ったり買ったりしているわけです。不動産取引などに何らかの規制がかかった結果、あっという間にバブルがはじける危険性はゼロとは言い切れません。いま進む、政府による景気調整などの施策が注目されるゆえんです。
 
また昨年は中国マイカー元年なんて呼ばれ、車の生産台数、自家保有台数も増えてきていますが、実際のところ、自家保有というのはほんの一握り。ほとんどが会社名義だったりします。日本の中小企業オーナーの場合と似ています。公有の土地、会社名義の車。過渡期の中国では、公有にしろ個人保有にしろ、所有権の差異があいまいな面があり、その点を中国人自体が理解しているのかどうか分かりませんが、私から見て、なんか危なっかしい感じがします。
「オリンピックまでは大丈夫」などと言わず、いかなるリスクにも対処できるようなビジネスモデルを構築することが必要だと思います。

人脈なしなら独自性を
中国では人脈がビジネス成功の重要なファクターであることは前回でも触れましたが、中国はあらゆるシーンで人間関係に重きを置く国といえます。ビジネス上もそれは明らかです。いきなり中国に打って出た外国人の場合、仕事に有益な人間関係を構築することはなかなか難しいかもしれません。
もちろん人脈がなくても成功している会社もあります。それは新しい技術、商品、ノウハウなどがある会社です。もし今までと同じような商品を扱う仕事であれば、中国の人の方がはるかにうまくやり遂げると断言できます。
例えば中国でレストランを開きたいと思ったとき、ただ人を使って料理を提供するだけの仕事であればすぐまねされてしまいます。その時に重要になるのが、自分の経験から培った運営というソフトです。私も上海で洋食屋を経営していますが、緻密な市場調査によって価格、料理のボリュームなどを決め、そのうえで日本式のさりげなく気持ちのよいサービスを提供することで「安くておいしくて居心地のいい店」として、成功させました。この店の運営方法は自分の長い間の経験から培ったものですから、まねようとしてもまねできないのです。
とはいえ人間関係があったらいいなと思うシーンもビジネス上で出てくることもあります。「関係」抜きで、本当の意味で開放された経済社会に成長するには、もうしばらく時間がかかるのではないかと思います。
ビジネスチャンスはここにも
いままでは外資系企業が中国を攻めるという観点から話してきましたが、ちょっと目線を変えると新たな中国ビジネスのチャンスも見つかります。
みなさんは「Made  in  China」と書かれたタグが付いた洋服、日本でも見たことがありますよね。中国は世界の工場とも言われていますが、日本を含めた外資系のアパレルメーカーは、中国で生産した衣料品を世界に提供しています。かつて、中国製品はコストが安いだけで、すべてが品質は必ずしも満足できるものではありませんでした。しかし最近は技術レベルがかなり向上し、品質もだんだんと遜(そん)色ないものになってきました。
そうなると、中国企業も、自らの技術、製品を外国に売ろうという動きが生まれてきます。この動きは活発になり、衣料に限らず電化製品、自動車、さまざまな製品が世界の市場でみることができる時代がもうすぐ来ようとしているのです。
行き届いたサービスの原点とは…。上海・徐家匯の 「Cuross」店内で
もちろん中国企業でも大手なら、海外進出のノウハウをもった人材を雇用できるでしょう。しかし中小企業はどうでしょうか?
   
 
「世界に打って出る」に商機
私のもとに、衣料などを製造する、とある中国企業が日本に製品を売り込みたいと相談に来ました。流通業界にいた私ですから、売り込むルートはいろいろ知っています。ただ、日本で売り込みをかける場合、航空運賃もさることながら、交通費や宿泊費などの費用がかかりますよね。上海の中ならバスを使えば数元ですむところが、日本では相当額になる。その詳細を話すと「そんなに金がかかるのか?」と驚きました。
そう、彼らは外国のことを知らなかったのです。これはまれな例ではなく、おそらく中国のどの中小企業にも当てはまることだと思います。
ただ、裏を返せば中国人が外国進出に関するさまざまなことを教わりたいという
北京駐在時代、表敬訪問のジャッキー・チェンさんと( 92 年)。若いころ柔道で鍛えたからだは、カンフーにひけをとらない?
需要が生まれるということになりますよね。ほら、ここにもビジネスのチャンスがあるじゃないですか。
まだ中国の経営者は目先の利益にとらわれ、投資額の多い外国での本格的なビジネスはあまり考えていないかもしれません。でももし、彼らが外国のことをよく勉強し、世界を攻め始めたら、ちょっと怖い気がします。その時はその時で、またわれわれにとって違うビジネスが生まれてくるはずです。
中国の時代の動きにアンテナを張り巡らす…これがチャイナビジネス成功の鍵なのだと思います。
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