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巻頭インタビュー
「技術」と「実績」が証明する確かな「総合力」
日立信息系統(上海)有限公司 董事・総経理 松井慶康氏

 
  日立信息系統(上海)有限公司(HISS)が設立して5年、この間、中国のITビジネス環境は大きな変貌を遂げた。進出企業のニーズの高度化・複雑化は顕著なものとなり、同社もJP1(システム運用管理ソフト)、WEBSKY(生産管理業務ソフトパッケージ)を切り札とした統合ソリューションの展開に力を注ぐ。「お客様から一番に相談されるパートナー」という目標をかかげる同社・松井慶康総経理に今後の事業展望などについて伺った。  
 
 
「お客様から一番に相談されるパートナー」が目標。HISSの設立に関わったほか、WEBSKYの生みの親としてこれまで種まき∞水撒き≠行ってきた。すくすくと育った大樹≠ェ幹を太らせ花を咲かせる日は近い

プロフィール
1977年広島大学工学部卒業後、日立製作所入社。中部地区の製造業担当を経て、97年産業システム事業部(東京)に転属、R3サポートセンタ設立やOracleEBSサポートセンタの設立などに携わる。一貫して技術畑を歩み、2002年にはグローバル戦略製品WEBSKYの開発企画を担当、その後も産業・流通システム事業部の本部長職として東京・名古屋・関西の各地区の製造業の顧客を担当した。02年日立信息系統(上海)有限公司設立にあたり董事を兼務、07年4月同公司董事総経理に就任、現在に至る。

 
     
●設立五周年、事業規模は拡大 JP1とWEBSKYを切り札に展開
 
  ――総経理として今年四月に赴任されましたが、HISS設立時の際は董事を兼任、五年間の経緯と現在の業績をどのように見られますか。
 
 
  武術愛好家を自称。学生時代は合気道部に所属、卒業後も中国赴任するまで地域住民の指導にあたっていた。中国との縁は1976年に遡る。中日間のスポーツ交流の団員として主要都市をまわり、演武を披露したこともあったという。現在の関心対象は「武術太極拳」
二〇〇二年の設立時には四〇数名に過ぎませんでしたが現在は社員数約三〇〇名、クライアント数も三〇〇以上に上っています。そのうち中国系の企業が数十社を数えるなど、非日系企業へのアプローチも始めています。
日本におけるミドルウェアの市場で一〇年連続トップの実績をもつJP1(システム運用管理ソフト)の販売状況も好調です。〇三年の発売開始以来、年々倍倍ゲームで拡大を続け、現時点での導入実績は一〇〇件を超えています。WEBSKY(生産管理業務ソフトパッケージ)については一〇〇件に届いていませんが、電気機器、精密機器、自動車部品など組み立て加工の製造業への親和性が高いことから最近では急激に拡大しています。
 
  ――HISS設立からの五年間は中国にとって大きな変化が見られました。
 
  中国社会が躍動的に変化を続けていることを実感します。五年前であれば、先進国を後から追いかけていく姿がまだ残っていたような印象をもちます。しかし、自動車の販売台数では日本を抜いて世界第二位、オリンピック、万博と国際イベントが続くなかで、もはや市場ニーズとしてあるのは、世界と同じレベルのもの、いや最先端のものであるといってよいようです。  
  ――東南アジアを含めたグローバルでのサポート体制を強化しています。
 
  中国で弊社とお付き合いをして頂いているお客様が、リスクの分散化をはかり、タイやベトナムといった他国にも進出をしはじめています。弊社としてもこうした事業展開をサポートできるように体制を整えておりますが、設立当初は想像だにしないことでした。  
     
●オンリーワンの技術力を標榜グループとの連携が強み
 
  ――「総合力」を日立の強みにあげています。  
  弊社はJP1というミドルウェエア、WEBSKYというアプリケーションをつくっていますが、真の先端技術というのは、デバイスなどのキーテクノロジーがあってこそ実現できるものです。ミューチップといったICチップ技術やセキュリティー、アプリケーションを絡めたソリューション、あるいはミドルソフトとアプリケーションを融合させた「統合ソリューション」を提供できるのは日立ならではの強みです。  
  ――総経理ご自身もWEBSKYの開発企画に携われています。  
  弊社の「オンリーワン」のソリューションには自信をもっています。WEBSKYについても、どうやってお客様の経営に役立てるか考えたとき、グローバル製品として他社にはない光るものをつくりたいと思いました。
日立グループ自身、製造業から出発しています。したがって、そのなかで培ってきた製造管理の技術とノウハウを製品に凝縮することで、中国においても一定のポジションをもとうとしたわけです。
実績の豊富な高速MRPUエンジンを搭載し、完全WEB化したほか、多言語・多通貨をサポート、初期導入はもとより管理レベルの高度化に十分対応可能なものを作りあげました。そこに注ぎ込まれた特許は二〇数件にも及んでいます。
 
  ――サポート体制もセールスポイントとされています。  
  お客様にとっては「トラブルがない」ということを前提にして導入されるのが通常ですので、決して大きなアピールポイントにはならないかも知れませんが、万一の事態が生じたとしても、解決のスピードは欧米系ベンダーと比べて格段に早いといえます。サポートも含めて「日立品質」を提供します。  
     
●二〇一〇年を目指したビジョン 「環境」への貢献も視野に入れる
 
  ――二〇一〇年に向けて事業スピードを加速させようとしています。
 
  日立製作所が二〇一〇年に創立一〇〇周年を迎えることから、日立グループ各社は目標を掲げて邁進しています。弊社もJP1についてはアジアナンバーワン、WEBSKYについては中国市場における日系企業向けの生産管理システムのトップシェアを目指しています。
WEBSKYは対応業種も組み立て加工業から医薬・食品・化学に拡大していきます。
 
  ――J-SOX法対策も進められています。  
  ご承知のように財務数値の透明化を求める同法が二〇〇八年より施行されることから、中国に法人をおく日本企業もその対応に追われています。JP1やWEBSKYもそれに対応した機能を拡充させました。財務・会計に関わるプロセスがどうなっているかを「見える化」、すなわち文書化していく作業を弊社で進め、中国語化されたテンプレートも備えています。すでに数社から引き合いがあります。日本の本社としても大きなビジネスを推進しており、今年後半から連携した形で大きな動きがでてくるのではないかと見ています。  
     
●「和」と「誠」と「開拓者精神」が理念 中国社会への貢献活動も模索
 
  ――最も信頼あるパートナーとなるというグループのスローガンがありますが、松井総経理も赴任早々、社の「行動規範」をつくりました。
 
  「和」と「誠」と「開拓者精神」――これが日立グループ全体に共通する理念です。これを元にグループ会社はそれぞれの理念を掲げていますが、私もHISSの行動規範の作成を手がけました。日立グループの文化を伝承し、幹部の現地化を進めていくことが私のミッションです。従業員が誇れる会社を築いていきたいと思います。  
     
  ――グループ全体ではメセナの取り組みにも積極的です。
 
  グループが手がける主な活動には、天津ライオンズの支援や日本相撲興行への協賛、SARSが蔓延したときの緊急支援(医療機器の提供)、大学との共同研究等があります。そのほか、内モンゴルの砂漠緑化を期した植樹活動を一〇年続けて実施していきます。
温家宝首相の訪日を機会に、温暖化、大気汚染など深刻化する中国の環境問題に対して日本が国レベルで貢献しようという動きが現れていますが、日立グループもまたこれに積極的に関わろうとしています。
世界中で一〇〇〇社近くある日立グループの会社には、各種のプラント設備やハード機器で広範な技術を備える企業が多々あります。弊社もまた情報処理技術の部分でどんな貢献ができるか模索しているところです。中国社会に貢献できることをやっていきたい、それが私にとって経営テーマのひとつです。
(取材:編集部)
 
     
  JP1最新バージョン「JP1 Ver8」の特長
 
  マネージャビリティ、サービスアビリティ、セキュリティーを基本コンセプトとするJP1の最新版JP1Ver8が今春リリースした。ITシステムとビジネスの視点からの経営戦略を融合、市場の激しい変化に即応できるシステムとなっているのが新バージョンの特長だ。もとより重点を置いてきたIT資産運用機能に加え、サーバシステムの稼動状況の監視、分析、予測といったモニタリング機能が強化されている。そのほか、強力なクイアントPC管理機能でセキュアなシステム環境を実現したほか、グローバルデファクトであるITシステム運用プロセス「ITIL」におけるシステム構成管理の実現もサポートしている。帳票出力システムについても柔軟性の高い実行環境が用意されているのも魅力だ。
 また中国版Version8では、日本での対応よりいちはやくインテルvPro(注1)テクノロジーに対応し、電源やOSの状態に影響されない資産のリモート管理を実現するITコンプライアンス製品を標準装備した。より強固で安全なシステム環境を実現することで、付加価値の向上が図られている。

(注1)PCの管理コスト削減やセキュリティー機能の向上、優れた電力効率を実現するインテル社の新プラットフォームブランド

 
     
  生産管理ソリューション「WEBSKY(軽舟)」
 
  完全WEB対応のユーザインタフェース抜群の生産管理システム、それがWEBSKYだ。電気機器、精密機器、自動車部品など組み立て加工の製造業への親和性が高いのが特長で、短期間かつ低コストで導入できるのが売りだ。
『WEBSKY』の主な機能は、日立が独自に開発した高速計画立案エンジン(MRP)を中心に、購買管理、在庫管理、受注・出荷管理、工程管理、原価管理、品質管理などで構成、ニーズ変動への即応が見られるなど、複雑化、行動化する製造業のニーズにマッチしている。
また、業務モデルの変更やオペレーションの高度化に合わせたシステム拡張ができるほか、様々な生産方式の組み合わせにも対応できる。ウェブ上で動作するため、複数拠点での採算管理の一元化ができる(多通貨・多言語をフォロー)。
なお『WEBSKY』の中国名『軽舟』は李白の詩(注2)に由来する。躍動に満ちた中国において小回りの利くシステムであるという意味を込めて名づけられた。

(注2)七言絶句「早(つと)に白帝城を発す《早発白帝城》」。「朝(あした)に辞す白帝彩雲の間、千里の江陵一日にして還る、両岸の猿声啼いて住まず、軽舟已に過ぐ万重の山(朝辞白帝彩雲間,千里江陵一日還,両岸猿声啼不住,軽舟已過万重山)」。

 
  日立信息系統(上海)有限公司
 
  中国上海市茂名南路205号瑞金大廈2401室
TEL:(021)6473-1244 FAX:(021)5456-2339
URL:http://www.hiss.cn/