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巻頭インタビュー
トータルソリューションベンダーの強みを発揮し、存在感を増す
富士通(中国)信息系統有限公司 副董事長兼総経理 箕田好文氏

 
  富士通(中国)信息系統有限公司は2003年の設立以来、1300社強の企業にプラットフォームとソリューションの両輪でサービス提供してきた。グローバル、地場系のライバル企業がひしめく市場で、トータルソリューションベンダーとしての強みを生かし、独自の地位を築いている。06年より同社の舵取り役を担う箕田好文副董事長兼総経理に、これまでの成果と今後の事業計画を聞いた。  
 
 
富士通勤務三十数年で初の転勤先が上海となった。「九州出身で一度くらいは九州で働きたいと考えていたが、九州を飛び越えてしまいました」(笑)

プロフィール
箕田好文氏
1949年生まれ。74年3月、東京大学経済学部経済学科卒業。74年4月、富士通に入社し、一貫して金融営業本部に席を置いて活躍。2004年6月に経営執行役兼金融ソリューションビジネスグループ副グループ長に就任し、06年6月、経営執行役兼中国副総代表、富士通(中国)信息系統有限公司副董事長兼総経理に就任、現在に至る。

 
  プラットフォームとソリューション両面の総合力で展開するFCH
 
  ――富士通は七〇年代に中国でビジネスをスタートさせました。
 
 
  「社員が安心して働ける会社を目指し、富士通のモットーである『夢をかたちに』を社員全員で共有していく」と力を込める
一九七四年の中日海底通信ケーブル構築より中国市場に参入しました。八〇年代はメインフレーム(汎用大型 コンピュータ)、電信局用電話交換機の販売、九〇年代に入ると各地に合弁会社を設立し、通信装置やコンピュータ関連製品、ソフトウェアの開発、製造、販売をスタートさせました。
二一世紀に入り、中国市場が拡大し、日系企業、グローバル企業の中国進出ブームで沸く中、二〇〇三年、ビジネス統括会社として富士通(中国)信息系統有限公司(FCH)を設立しました。
 
  ――FCHのこれまでの成果はいかがですか。すでに一三〇〇社強にサービス提供しています。
 
  FCHは、プラットフォームとソリューション両面の総合力を用いてビジネスを展開しています。すでに一三〇〇社を超えるお客様に対し、製品、ソリューションを提供させていただきました。ハードウェアからアプリケーション、運営支援に至るまで、ワンストップで提供できる中国有数のトータルソリューションベンダーとして、存在感を増していると自負しております。
当社の顧客セグメントとして、日系、外資、中国地場企業の三つがあります。ソリューションビジネスでは、目下、日系企業の割合が高いですが、台湾地区、フランス、韓国資本の流通大手企業をはじめとする日系以外の外資系企業や地場企業へのビジネス展開にも注力しています。またプラットフォームビジネスでは、地場企業を中心にプラットフォーム製品の販売を大きく伸ばしています。
 
  ソリューションビジネスは顧客本位で 柔軟なシステム構築に対応する体制
 
  ――中国のERP市場には欧米から地場系まで有力ベンダーが顔を揃え、群雄割拠の様相を呈しています。
 
  二〇〇五年の中国のERP市場は、売上高が三〇億元を超えました。二〇〇〇年以降、年率換算で四〇%以上の成長が続いており、〇九年まで二〇%以上の高成長が続くと予測されています。  
日本市場ではSAP、オラクルなどの欧米系がハイエンド市場でトップシェアを独占する一方、当社のGLOVIAなどの日本企業の製品がミドルレンジ市場を抑えるという業界勢力図です。一方、中国市場では、欧米系はハイエンド市場を抑えていますが、有力な地場ベンダーが近年急速に台頭し、欧米系を凌駕するまでに成長しています。 ――FCHはこの市場に生産・販売管理用パッケージソフト・PRONESを投入しています。導入は進んでいますか。  
PRONESはすでに世界で一〇〇〇本以上が導入されていますが、中国では、日系企業を中心にまだ一〇八社(受注ベース、三月現在)。販売実績としてはまだまだというのが正直な感想です。  
しかし、PRONESを担当する中国人エンジニアの成長が目覚しく、将来性のあるビジネスだと思います。当初は、部分的なプログラムを組むだけだった エンジニアが、今やコンサルティングまでする頼もしい存在に育っています。  
昨年、上海市政府より「優秀ソリューション賞」を受賞したことをきっかけに、地場系企業へのソリューション提供にも弾みがついています。SEの基盤をさらに強化し、日系企業中心で展開していたPRONESを、外資、地場系企業にも提供して行きたいと思います。
 
     
  ――FCHはこの市場に生産・販売管理用パッケージソフト・PRONESを投入しています。導入は進んでいますか。
 
  PRONESはすでに世界で一〇〇〇本以上が導入されていますが、中国では、日系企業を中心にまだ一〇八社(受注ベース、三月現在)。販売実績としてはまだまだというのが正直な感想です。  
しかし、PRONESを担当する中国人エンジニアの成長が目覚しく、将来性のあるビジネスだと思います。当初は、部分的なプログラムを組むだけだったエンジニアが、今やコンサルティングまでする頼もしい存在に育っています。  
昨年、上海市政府より「優秀ソリューション賞」を受賞したことをきっかけに、地場系企業へのソリューション提供にも弾みがついています。SEの基盤をさらに強化し、日系企業中心で展開していたPRONESを、外資、地場系企業にも提供して行きたいと思います。
 
     
  ――自社ソリューションと共に、SAPやオラクルのERP製品も扱っています。棲み分けをどうお考えですか。
 
  従来はSE部隊を製品別で分けていましたが、昨年、ERPソリューション統括部を設立し、ひとつの部隊ですべての製品を扱うことにしました。組織変更の狙いはハイエンド、ミドルエンド、ローエンドでの棲み分けを基本にしながら、最適なシステムの組み合わせを提案できる体制の構築です。例えば、SAPと我々のシステムの組み合わせも考えられます。当社は、富士通の日本とグローバルでの経験に基づいた最適な提案で、他社との差別化を図ります。
中国ではアライアンスが重要と考えています。用友など地場ベンダーには独自の強みがあり、地場の企業をお客様として取り込んでいくには、こうした地場ベンダーとの提携が大きな武器になります。今後は提携資本参加も重視し、事業展開することになるでしょう。
 
     
  プラットフォームビジネスが堅調PSCの利用促進をさらに進める
 
  ――昨年、プラットフォームソリューションセンター(PSC)を設立しました。
 
 
  各システム、各機器の整合性を検証するための総合検証施設・プラットフォームソリューションセンターを昨年設立


PSCは、オープンシステムにおける各システム、各機器の整合性を検証するための総合検証施設です。昨年四月、 上海に開設以来、実際に見て触れて理解できる施設として、高い評価をいただき、毎日、利用されるお客様の来場が絶えない状況です。PSCの活用により、我々のサービス、製品に対するお客様からの信頼感が増し、商談も活発化しています。
当社は、サーバ(プライムパワー、プライムクエスト、プライマジー)、ファイルシステム(エターナス)、ノートPC(ライフブック)、ネットワークシステムなどのプラットフォーム製品を扱っています。今後、この分野の拡販でもPSCの果たす役割が増していくと思います。
 
     
  ――他都市へのPSC設立の予定はあるのでしょうか。
 
  PSCは上海に続いて、香港地区にも設立しました。大陸では、上海の稼働率が一〇〇%近くまで高まった際、北京での設立を検討したいです。
これまでのプロモーションの反省点として、PSCはITのプロには受け入れられても、そうでない方にはイメージし辛かったのでは、というのがあります。今後は、お客様システムの検証/評価などで気軽に利用できるようにし、稼働率を上げて行きたいと思います。コンサル タントから実機検証まですべてのプロセスでサービス提供するPSCに、見学でも構いません、ぜひ一度足を運んでいただきたいです。
 
     
  セキュリティ関連製品を投入 新しい企業文化の育成に期待
 
  ――中国全土六都市で開催したセキュリティ関連セミナーが好評でした。
 
  昨年、北京、天津、大連、上海、広州、深でセキュリティコンプライアンス管理 セミナーを開催しました。大きな反響があり、セキュリティへの関心の高まりを窺うことができました。
中国では、セキュリティ対策を取ろうという企業が多くなっています。こうした中、当社が導入したシステムウォーカーDTP/DTKシリーズが、たくさんのお客様から引き合いを受けています。
ビジネスを成功に導くには、市場ニーズを捉え、スピーディーにビジネス展開する機敏性、少ない投資で最大限の効果を生む効率性、安定運用する継続性の三つを支えるシステムが必要です。このようなビジネスニーズに応える富士通のIT基盤を「TRIOLE(トリオーレ)」と言っていますが、システムウォーカーもこの基盤の一機能で、他社製品にはない優れた機能を備えています。  近々、システムウォーカーに続く セキュリティ関連システムとして、新しい製品を中日同時で投入する計画です。中国で幅広く活用できる製品と自負しております。ご期待ください。
 
     
  ――今後の事業計画をお話ください。
 
  ソリューションビジネスは、会社設立時から売上げが四倍に伸びていますが、〇七年から〇九年までの中期三年計画で八倍にする目標です。お客様にグローバルや地場の企業を取り込み、サービス形態を多様化、さらにパートナーシップを活用することで、市場の伸びを上回る成長を遂げたいです。  プラットフォームビジネスも現在、5割を超える成長をしており、今後も、これ以上の成長率で伸ばしてゆきたいです。このため、PSCをフル活用してまいります。 
セキュリティ関連は、お客様と作成するセキュリティポリシーが重要になります。現在、このポリシーの作成ができる中国人スタッフの育成に注力しており、一部スタッフを日本に出向させています。お客様にリスクをしっかり説明し、その対策としての最適なソリューションを提案できる万全の体制を築きたいです。  
FCHは設立四年目を迎えた若い企業ですが、人員規模は四五〇名体制に拡大しています。透明性ある人事制度の構築などで、人材の定着率も安定しつつあります。今後、社員が安心して働ける会社を目指し、富士通のモットーである「夢をかたちに」を社員全員で共有していく構えです。こうした環境の下、FCH発の新しい企業文化が育成されるのではと期待しています。