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巻頭インタビュー
加盟店展開に独自戦略、「明星」効果も歴然 不動産仲介のトップブランドを目指す
瑞陽不動産 張庭 董事長
 
  政府のマクロコントロールの下、優勝劣敗、淘汰が続く上海の不動産仲介市場において、ここ数カ月、目覚しいスピードで店舗増設を進める仲介チェーンがある。人気女優・張庭氏が率いる瑞陽不動産である。同社は、張氏が中国国内外の不動産業者らの出資を募って設立した英属控股集団(Timepoint InternationalLimited)と上海天下房地産経紀有限公司の合資により設立、上海エリアにおける高級中古住宅の仲介を主事業とする。昨年11月に旗艦店をオープン、5月末現在、加盟店は50店舗を数える。  
 
プロフィール:
張庭(チャン・ティン)
1970年台湾地区彰化出身。幼稚園教師を経て女優、幾多のテレビドラマ作品に出演。主演作『少林七傑』『絶色双嬌』『絶色双嬌 II皇后進宮』『観喜遊龍』などがある。昨年、上海に不動産仲介会社、瑞陽不動産有限公司を設立。董事長を務める。趣味はヨガ、旅行。好きな音楽はジャズ。
瑞陽不動産 http://www.sunrise021.com/index.asp
張庭オフィシャルサイト http://www.zhangting.cn/
 
  ● マクロコントロールの影響もある中で、「なぜこの時期に事業展開を?」とい う声も多いようですね。  
 
売れっ子女優とエグゼクティブの顔を巧みに使い分ける(写真:瑞陽不動産提供)
私はマクロコントロールによって不動産市場が沈滞化したというより、バブル化防止に大きく貢献していると見ています。  
需要と供給の二つの側面から市況を見ると、次のことが言えるでしょう。  
まず需要面では、二〇〇六年第2四半期でも市場の低迷が続いており、取引物件数がかなり蓄積されています。国家発 展改革委のレポートで政策の方向が明確となり、市場では投機抑制の圧力がはっきりと見られているといえますが、これは住宅購入需要に大きな発展空間をもたらしていることでもあります。
二〇〇五年に様子見であった住宅購入需要が動き出したこともあって、上海不動産市場は徐々に回復する傾向が見られます。市場全体では価格の低下傾向が予想されますが、その下げ幅は大きくないでしょう。都市中心地区では小幅の上昇も期待されます。
一方、供給面では、マクロコントロールの影響を受けて、優勝劣敗、淘汰が進んでいることが挙げられます。仲介料が削減された結果、閉店やリストラを実施する企業も多かったようです。社員の基本給のカットまで行い、コスト削減に努めているのが大勢ではないでしょうか。人員削減は多く
見積もって四○%に至るといわれ、市場が回復するまで経営を堅持しようと思えば、必然としてサービスの質重視の運営に力を注ぐことになるでしょう。
私どもも創業しばらくは不安定な情況にありましたが、今年に入ってから瑞陽不動産の業績は毎月伸張を続けています。今後一年のうちに店舗をさらに一〇〇店増やし、将来は、上海以外の都市にも進出したいと考えています。
 
  ● 加盟店を積極的に募集しているよう ですね。
 
 
加盟店募集の宣伝に呼応して、問い合わせに訪れる顧客も増えている
当社の業績動向に同業者が注目するのは、有名人が経営する会社だからというだけでなく、経営方式に何か違いがある のではないか、という関心を持たれるからだと思います。  
当社では、加盟者が全権を委託し、瑞陽不動産が店舗の経営管理を行い、所有権と経営権をはっきり分けています。加盟者には加盟店の資産所有権、ブランド使用権、運営を知る権利、投資収益権があり、瑞陽不動産は経営管理を代行する権利をもちます。これを私たちは「直営式管理」という名前で呼び、経営モデルを統一しているのです。  
直営式管理であることで、長年、実践経験を蓄積してきた業務チームの豊富な管理スキルを加盟店はスムーズに吸収していくことができるメリットがあります。結果として、営業前の業務空白期を大きく短縮し、利潤獲得のノウハウ面で保証が得られます。
 
  ●「直営式加盟」は御社ならではの経営 モデルということですね。
 
 
加盟店の募集はしていますが、盲目的に認めているわけではありません。  
加盟希望者がなぜ加盟を希望するのかという理由、そして希望者のバックグラウンドを深く吟味、検討をしたうえで、より相応しい加盟方法をこちらから提案させて頂くのです。  
たとえば、加盟希望者が不動産事業に興味と関心を持ったとしても、現時点で他の業種に携わっていたとします。この場合、私たちは「委託加盟」という形態を提案することにしています。「委託加盟」とは管理は完全に直営式であり、加盟店の経営権は瑞陽不動産が得るものです。
一方、加盟希望者が現在、不動産業を営んでいたり、個人開業を希望していたり、またはすでに他のチェーンに加盟している場合は、「フランチャイズ加盟」となります。
旧来の加盟方式では、出店場所の選択、業務担当エリアにおいて、直営店と加盟店との間に利益衝突や矛盾が生じたりするなど、多くの欠点があることが長年の検証を通じて明らかになっています。身勝手な経営、孤立無援、加盟店同士の競争激化といった問題点を、私たちは委託加盟の「直営式管理」を行うことで回避しようとしているわけです。
 
  ● その他、他社との差別化のために注力されていることは?
 
 
私たちが展開する加盟事業では、直営式で統一された管理により、加盟者に多くの統一サービスを提供します。例えば広告宣伝、人材募集、教育研修、業務基準、法的支援、情報管理、財務制度であり、加盟店は終始、各方面で本部と一体化した運営を心がけるのです。  
加盟店の利益最大化を図るために加盟費用についても独特な制度を設けています。加盟店の売上額が増えるにつれ、本部が受け取る加盟費は逆に下がっていきます。また、利益還元制度も設けるなど、他業者の加盟方式にはない工夫をこらしています。  
また、市場動向に基づいて上海一〇エリアにおける中古住宅取引量などの調査、分析、論証を行い、最初の攻略目標と しています。合理的な店舗配置を戦略に据え、店舗数をさらに一〇〇店増やし、上海仲介企業のトップブランドを目指したいと思います。
 
  ● 大陸での起業を思い立ったのは何がきっかけだったのでしょうか。
 
 
05年11月8日、旗盤店を上海徐家匯にオープン(写真:瑞陽不動産提供)
芸能界の有名人が「明星効果」をねらって、飲食業などのビジネスに関わるのは稀ではありませんが、私がなぜこの業界を選んだのか多くの人が不思議に思っているようですね。  
私の両親は台湾島南部の彰化県出身で経済的にとても苦労しました。祖父に二〇〇〇台湾元を借り、姉たちを連れて台北にやって来ました。その後も父は臨時雇いの仕事ばかりで、家庭は非常に貧しかったのです。家もとても小さなものでした。  
五人も兄弟がいる中で私は物心がついた頃から家事や仕事の手伝いをしていました。六歳の時、落ちている糸を拾いそれをかき集めてお金にしました。糸一本が一角、たくさん拾って一〇〇台湾元になったことを覚えています。ヤクルトの容器のフタを集め、回収業者に渡してお金にしたこともあります。
こんな幼児体験をしてきたからなのか、私は家への思いがとりわけ深く、温かくて心休まる住宅を手に入れることを幼い頃からの夢としてきました。そのために猛烈に働いてきたつもりです。テレビ撮影が続き、一週間床に就けなかったこともあります。  
上海にやって来て、ようやく願いが叶いました。両親に快適な暮らしをしてもらえるように一戸建ての住宅に住んでも らい、一部屋ずつ与えています。  
私の起業については、林瑞陽(俳優、瑞陽房地産開発集団董事長)から薫陶を受けたことも大いに関係あるでしょう。自身の夢を実現したいという使命感の延長から私は不動産業を選んだのです。誰もが気に入った住宅を見つけられるようサポートさせて頂きたいと考えております。
 
  ● 芸能界と実業界の「二足のわらじ」をしばらく履き続けるのでしょうか?
 
  今後については、家族のことをよく考え、バランスをうまく保って取り組んでいきたいと思 います。どちらとも大成功を手中にするかもしれませんよ(笑)。