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たった一〇〇〇ドルを元手に異国の地で起業
いまや四三カ国を舞台に事業展開
--忘れぬ創業時の情熱、総合ロジステック分野へも着々と布石
クラウンワールドワイド 会長
ジム・トンプソン・シニア氏
1965年、一人のアメリカ青年によって横浜に誕生したユニークな運送会社は、いまや43カ国にネットワークをもつ国際運送会社へと成長している。その名はクラウンワールドワイドグループ。創業者であるジム・トンプソン・シニア氏(現グループ会長)は当時25歳。たった1000ドルの資金を元手にスタートしたのだった。
そして創業40周年を迎えた今年、同グループは中国大陸の物流ロジスティックス分野へとさらなる事業拡大に向けて大きな一歩を踏み出した。激動する中国でのビジネスチャンスをつかむべく新たな挑戦を始めたジム・トンプソン・シニア会長。60歳半ばとなる彼の瞳は、青年事業家としてビジネスの大海に乗り出した頃と同じ輝きに満ちている。
クラウンワールドワイド Crown Worldwide
中国拠点: 嘉栢(中国)国際貨運代理有限公司
上海市綏徳路729弄75支弄59号
ZIP 200331
TEL:(86)21-6250-8820
FAX:(86)21-6250-8978
日本拠点: 東京都港区三田三丁目11-36 三田日東ダイビル1F
TEL:03-5427-6080
FAX:03-5427-6088
URL:
http://www.crownrelo.com
(日文
http://www.crownrelo.co.jp
)
● 今後の中国でのビジネス展開をお聞かせください。
弊社は一九八〇年頃より、合弁もしくは駐在員事務所を通じて中国国内一〇拠点のネットワークを中心にして引越し関連事業をおこなってきましたが、独資による独自オペレーションを展開しようという二〇年越しの悲願がこの度、実現することとなりました。
中国のWTO加盟後、大陸と香港両地区の間でCEPAと称する協定が調印され、一定のビジネス実績のある香港企業が運輸分野において独資会社を中国大陸にて設立することが許可されることとなったのです。これを受けて、香港で上場していた弊社グループ傘下の企業、クラウンリロケーションズとクラウンEフォースは、中国大陸において独資でビジネスを展開することが認められるようになりました。
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クラウンEフォースは上海市の金橋地区において三万平米のロジスティックセンターを建築中であり、ドイツ大手の卸売り会社や米国大手のファーストフード店などの商品、原材料のロジスティックスサービスを提供することの最終交渉をしているところです。
まもなく完成する30,000uのロジスティック・センター
リロケーション業務は世界43カ国で展開
また、既に引越し事業では、綏徳路に九〇〇〇平米の自社倉庫兼オフィスを竣工いたしましたが、物流センターが併設されることとなっており、独自オペレーションによる包括的な運輸関連サービスを行いたいというかねてからの夢が実現しつつあります。弊社香港のお客様である高級ファッション会社であるディオール、アルマーニ、上海灘(Shanghai Tan)などの物流をまず引き受けていきたいと考えております。
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北京においても現在政府と交渉中ですが、BDA(Business District Area)と呼ばれる大企業が集中して事務所を開いているビジネスエリアにロジスティックセンターの建設を計画しています。広州も同様に物件交渉をしているところです。
これらロジスティックセンターはハードも重要なのですが、それにもまして、コンピューターシステムを含むソフトの部分が大変大切であり、ご利用いただける企業のロジスティックスという大変重要な分野においての高度なニーズに十分満足いただけるよう、投資に力を注いでいます。
● エネルギー分野、流通分野においても商談されているとうかがったのですが。
中国においては現在エネルギーの安全確保が経済の安定成長を維持するためのナショナル・セキュリティーといえるほどにまで重要となっております。
弊社は中国における、欧米・日本の石油、ガス会社とさまざまなエネルギー開発プロジェクトについて物流の観点からアドバイスをさせていただいておりますが、掘削や補修のための機械、パーツの安定供給、保管体制などにおけるご相談についてもお手伝いできるものと思います。
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中国は現在世界の工場とも言われておりますが、確かに世界各国の流通大手が中国から調達する金額は莫大なものです。
小売り業界の世界最大手であるウォルマートの年間の購買額は一五〇億ドルに達すると言われておりますが、この金額は中国のGDPの一ないし二パーセントを占めるほど巨大なものです。このほか、カルフール(仏)、メトロ(独)、Kマート(米)、ターゲット(米)なども中国にとっては巨大なバイヤーです。これらの企業のうちのいくつかは中国国内でも積極的な店舗展開を行っており、ロジシステムの構築が急がれております。
これらの認識のもと、弊社が本格的な中国ビジネスのスタート台につくことができたことをうれしく思います。いくつかの流通大手企業とはビジネスのお話もさせていただいております。
● 中国市場はクラウンワールドワイドグループにとってどんな位置づけになりますか。
わたしどものワールドワイドHQは香港にあります。世界四三カ国にわたってオペレーションを行っておりますが、戦略的に一番重視しているのは中国大陸におけるビジネスです。
私どもの会社は日本で生まれ、一九七〇年に香港に本部を移し、その後、世界へと事業を拡大してきました。その間、中国経済は市場経済への転換を急速に進めるなか、高い成長率を保ちつつ莫大な富を蓄積してきました。今後二〇〇八年のオリンピック、二〇一〇年の万博と世界的なイベントの開催が続きますので、私どもが行うすべてのビジネス「(1)ロジスティックス分野、(2)引越し分野、(3)文書保管分野」において高い成長率が期待できるとみております。
特に、中国市場とともに私どものロジスティックス分野における収入シェアは広がっていくと思います。「世界の工場」において、メーカー向けのロジスティックスには無限のビジネスチャンスが広がっているからです。一方、消費市場の急成長に伴う貿易額の増加を見ても、流通分野における貨物量についても今後大きな伸びが期待されるといえます。
● 海外引越しビジネスについてはいかがでしょうか。
弊社の核となるビジネス分野であります海外引越しビジネスにおいても、対中国ビジネスは三〇%以上の成長をしております。これは、中国経済の成長とともに大都市の社会的インフラ(例えば、医療、学校、ショッピング施設など)が充実してきたこととも関係しております。
高いクオリティーをもった私どものサービスはお客様から支持をいただいており、他の業種と同じように、引越しビジネスにあっても市場において勝ち残るためには高品質のサービスが不可欠です。
クラウンのパリ支社では、高い技術を持つ美術品輸送部門の専門スタッフがおり、最近、パリのルーブル美術館にあるモナリザの絵を新しい額に入れ替えるための移送を委託されました。私が学生のときに鑑賞した世界的な名画を、私どもの手で運ぶことができたということに対し、非常に感慨深い思いです。
私どものサービスは永遠に終わりというものがありません。たしかな社員教育、サービス管理を通して、お客様に信頼していただけるサービスを提供していくために、たゆまぬ努力と挑戦をつづけていかなければなりません。
● 創業時を振り返られたとき、どんなビジョンをお持ちだったのでしょうか。
私が日本で創業したときは、極端な話、一週間後どうするか、一カ月後どうするかといった短いスパンで考えなければ生きていけない状況でした。ビジョンというのは正直いってありませんでした(笑)。
かつては一〇〇万ドルをつくるのに五年かかりました。現在はひとつの契約が一〇〇万ドルというものも珍しくはありません。私どもは一九六五年に創業しましたので今年で四〇周年です。私はアメリカ、日本、中国、東南アジア諸国といったようにそれぞれの国でそれぞれの人たちが異なった文化で暮らす中でビジネスをしてきました。現在は世界四三カ国でビジネスをしておりますが、現在のビジョンをと聞かれたときにビジネスのチャンスは際限なく広がっているというふうにいえると思います。
● 日本ビジネスの展開についてお聞かせ願えますか。
私どもは日本とのビジネスも積極的に展開したいと考えております。特に日本人や日本語を話せる社員をもっと多く雇用するとともに、私どもの四〇年の歴史をもつ日本オフィスの日本人社員が積極的に関わっていくようにしたいと思います。
高い品質のサービスを常に提供すること、会社の信用を大切にすることは日本で学んだもっとも重要なことであり、今も変わらない弊社の経営ポリシーの一つとなっております。
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私はクラウンワールドワイドがDHL社のようにもっともっと世界的なネットワークをはりめぐらし、さらに全世界のお客様から愛されるような会社になっていけたらと願っています。
しかしながら、急激に発展するよりもコントロールのとれた成長が好ましいと思います。イソップの童話「ウサギと亀」ではありませんが、ゆっくりゆっくり休まずに歩み続け、最後はウサギに勝ってしまう、そんな亀の生き方が好きです。クラウンワールドワイドの本体が上場会社ではなくプライベート会社なのは、株主に左右されることなく、自分達のペースで会社を成長させていくことができるからです。
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