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巻頭インタビュー
  --- 大型店舗をチェーン展開 ---
「読む」書店で業界に新旋風
--- 読者の魅力堪能できる空間創造 ---
 
  上海思考楽図書有限公司  何根祥 総経理  
  Scholar 思考楽書局
上海思考楽図書有限公司
設立:2001年12月
従業員数:232人
上海市中華路185号 東業大廈3楼
TEL:021-63306330
FAX:021-63305377
URL:www.scholarbook.com

総経理略歴
1949年12月、上海市生まれ。1980年から上海人民出版社・編集部勤務。主要著書、翻訳書に『現代管理者』、『現代管理学』など。1987年カナダに留学、後に加中21世紀発展研究中心の研究員。1991年からトロント・ロイヤル印刷出版公司総裁、加華報業有限公司総経理などを歴任。2000年には主編『加中経貿与投資』を中国、カナダで同時出版。2001年末に帰国後、起業。現在、上海索克起業発展有限公司、上海思考楽図書有限公司の執行董事、総経理。上海師範大学教授、中華全国工商聯書業商会副会長なども兼任する。

中国の書店といえば、座り込んで読書にふける客の姿があちこちで見られ、どこか「国営」の雰囲気を漂わせるー。「思考楽(Scholar)」はこれらのイメージを根底から覆す、中国でこれまでになかった新しい書店だ。
一歩店内に足を踏み入れると、広々とした空間に流れる雰囲気は書店であることを忘れさせる。まるで図書館とカフェを一緒にしたような快適な店内は、本好きならば何度でも足を運びたくなるような店だ。
「思考楽」は現在、上海に4店舗と北京に1店舗を開設。チェーン店による全国展開を進める。民間経営による巨大店舗や24時間営業店など、書店業界では一見奇抜とも取れる事業展開の裏には、カナダ帰りの何根祥総経理の綿密で合理的な経営戦略がある。外資参入により激しさを増す中国の図書小売市場で、「思考楽」が旋風を巻き起こす。
 
  ● カナダに長くおられたようですが、帰国の決意にいたる経緯をお聞かせ下さい  
  私は一九八七年にカナダに渡り、帰国したのが二〇〇一年ですから、約一五年間をカナダで過ごしたことになります。
帰国して起業するきっかけとなったのは、同年一〇月に南京で開催された「第六回世界華商大会」に参加したことでした。当時の朱鎔基首相が、海外にいる華僑や留学生に対して、大々的に帰国を呼びかけ、これに強い感銘を受けました。WTO加盟を目前に控えた中国に大きな期待を膨らませ、カナダに戻ってすぐに帰国の準備に取り掛かったのを覚えています。
 
  ● どうしてこの事業を始めようとお考えになったのですか  
  私はもともと大の本好きで、出版関連の仕事に携ってきました。カナダに渡ってからも、時間さえあれば本屋に足を運び、いろいろな書籍を手にしては読んでいたものです。
中でも、当地の最大手書店チェーン「Chapters」がお気に入りでした。
「Chapters」は広大な売場スペースで、店内にはカフェがあり、座ってゆっくりと本を読めるコーナーもあります。広々とした空間に並べられた本に囲まれて、くつろげる雰囲気は、カナダにいる私にとって最も居心地のいい場所のひとつでした。
私の故郷である上海にも、「Chapters」と同じような書店があればどんなにいいだろう、是非ともあの空間を中国で再現したいと思ったことが、この事業を始める大きな動機となっています。
「思考楽(Scholar)」は、「Chapters」のイメージをもとに、中国風にアレンジした書店です。これまでの中国になかった全く新しい概念を取り込んだ書店といえます。
 
  ● 現在の展開状況をお聞かせ下さい  
  現在、「思考楽」は上海に四店舗、北京に一店舗を開設しています。いずれも大型店で、旗鑑店として〇二年三月にオープンさせた徐家匯の美羅店は、売場面積六五〇〇平方米、店内には一〇万冊の書籍を陳列しています。ワンフロアの売場面積で上海最大の書店です。
現在、中国で一年間に刊行される書籍の数は約一九万冊と言われています。当社は輸入書籍を含め、全店で一二万余種の書籍を扱っておりますので、その量は年間刊行数の約三分の二に達していることになります。
当店では、書籍を購入していただいたお客様に会員カードを発行しており、現在の会員数はすでに三五万人に上っています。当店の新しいコンセプトがすでに広範に受け入れられたものとして大いに喜んでいます。
 
  ● 民間企業として、これだけ大規模な店舗を経営するとなりますと、会社設立で苦労されたことも多いので
    はないですか
 
  当社は、国営の上海世紀出版集団との折半出資により、〇一年一二月に上海世紀索克図書有限公司の社名で設立しました。当時、民間では大規模な書店経営の前例がありませんでしたので、やはりライセンスの獲得には苦労しました。そこで、合弁という形でようやく実現することができたのです。
世紀出版は、WTO加盟後の中国出版業界における改革開放のモデル企業であったため、政策の優遇を受けられるという狙いもありました。また、世紀出版の前身は、私が以前に勤めていた上海人民出版社であったことも合弁をスムーズに進めることができた要因でもあります。
〇三年七月には、一〇〇%の民間資本企業として現社名に変更し、現在では、書籍の卸販売の営業ライセンスも獲得しています。
 
  ● 今後の具体的な事業計画をお聞かせください  
  目先の目標であった北京進出は、今年九月に王府井店をオープンさせて達成しました。
〇六年までの経営目標は、上海で八店舗、全国の一〇都市でチェーン店を開設することです。すでに来年の開店に向けて、湖南省長沙市、遼寧省大連市、四川省成都市での準備を進めています。当社では、すでに全国展開を視野に入れた、自社配送センターなどの物流管理システムも構築しています。
上海市内での展開は、今年三月に正大広場の三階にオープンしたような大型百貨店へのテナント入居が中心となる予定です。私どものような広大な店舗面積でのチェーン展開において、賃貸料は大きな負担になります。その点で、百貨店との提携はリスク軽減の安定的な経営モデルといえます。
また、浦東店は上海で唯一の二四時間営業の書店です。このような画期的な戦略として、今後は児童書専門店や女性を対象とした専門書店も計画中です。
 
  ● 外資系独資企業の設立も開放を迎え、中国の書店業界への外資参入はさらに加速することが予想されま
    す。今後の展開で、特に重視されていることは何ですか
 
 
美羅店
美羅店
福州店
福州店
やはり、数十万人いる会員のデータリソースをいかに有効活用していくかが、今後の展開において最大のポイントになると考えています。例えば、先ほど述べた女性専門店は、女性会員の比率が半数を超えるというデータに基づいてのものです。その他にも、会員ネットワークを利用した直販も計画のひとつです。
現在、当店の会員カードはポイント加算制による優遇サービスを展開しています。一〇元で一ポイント加算され、一年で六〇ポイント貯まれば、全商品一〇%オフの特典がつくエリートカードに昇格できます。
エリート会員は、会員総数三五万人の中で、七万人に上ります。これら会員は、ホワイトカラー層の高所得者が集中していることもデータによって明らかになっています。
さらに、中国銀行と提携したクレジットカードも発行しており、各カードで割引サービスを享受できる特約店との展開も拡大中です。
当社は、国際レベルの書店チェーン企業を目指しています。外資参入によって、競争は厳しくなりますが、その中で「思考楽」を国際ブランドに押し上げることが目標です。
 
  ● 最後になりましたが、読者の皆様にメッセージをお願いします  
  お店の住所&電話番号 当社はシンガポールの企業と提携して、図書貿易事業など海外進出も計画しています。今後、日系企業のいい提携相手が見つかれば、日本で「思考楽」が開店する可能性もないとは言えません。
「思考楽」は、英語で学者を意味する「scholar」からきたものです。中国語では、「思考」と「快楽」をもじってつけました。当店にお越しいただいた人に、読書の醍醐味を味わってもらえるようなサービス、環境作りを目指しています。当店にぜひ一度ご来店下さい。
 
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